幼心の君なれば―『銀の匙』再読
今年は再読の年、と決めて半年たった。
わりと順調に再読できている。
梨木香歩の『家守綺譚』『冬虫夏草』『村田エフェンディ滞土録』を約1カ月の間に読めたのはよかった。
恒川光太郎の『夜市』は夏の話だと思って7月に読んだのに表題作はしっかり秋の話だった。
豊島ミホ『エバーグリーン』もじんと来た。切なさとまぶしさがめいっぱい詰まった物語なのだが、時とともに私(と私を取り巻く社会)の価値観も変わってきたな、と思ったりもした。筆者が同い年なので、「ああ、私たちこういう時代を生きてきた