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こんばんは、そして、はじめまして

私の好きなアーティストは、カセットテープやラジオなどのアナログを愛しみ、ネット社会やSNSと一定の距離を置いた人だった。そんな彼の志向に、心地よい安心感を覚えていたのだけれど、蒸し暑い夏が終わりを見せ始めた頃、彼は、インスタグラムのアカウントを開設した。

そのアカウントを見つけた時、私は、とても驚き、とても動揺した。偽物では??などと疑いながらそのアカウントをクリックすると、彼は、いつもと同じ穏やかな表情で、こちらを見つめていた。そして、その投稿文章は、多すぎず少なすぎず、読みやすいけど胸にじんわりと残る、彼の音楽みたいな、とても素敵な内容で、私は、これは 紛れもなく 彼自身のアカウントだ、と確信した。

私は、彼が 出会いという未来に続く新しい扉を、穏やかに 軽やかに 同時に熱い想いを胸に秘めて 開けたように感じて、そのことに、なぜか少しだけ、いや、本当は、置いてけぼりをくらったように、寂しく感じたけれど、それ以上に、“好きなことを、やっていきたいと思います。“ “どんな遠い世界も近所だと思います。” “始まります。” と綴った彼の言葉達が、ずっと鍵をかけていた、心の奥にある古びたドアを、優しくノックしてくれているような気がした。そして、絶対に変わらないことなんて この世の中にそんなにはないんだな、と、当たり前だけど忘れがちなことを想った。

そして彼がアカウントを開設した数か月後、彼は、未知のウィルスに心を折られることなく、彼の愛する音楽で、あっという間に遠く離れた人たちを、本当に、ご近所さんみたいにしてしまった。そして、今でも歩みを止めることなく、未来を作り続けている。


そんな彼の伸びやかで楽しそうなSNSの影響なのか、それとも、あっという間に私達の生活を変えてしまった得体の知れないウィルスの影響なのか、不意にどうしようもなく好きになってしまった人達の影響なのか、まだ出会ったことのない誰かと繋がってみたい、という気持ち や 今感じている想いや好きなことを文章で綴ってみたい、という衝動に駆られて、今、noteに初めての記事を書いています。

文章を書くのは本当に久しぶりで、書けば書くほど想いと離れて行ってしまう気もして、もどかしいけれど、これから、あまり力身過ぎずに、想ったことや好きなことを、好きなように、書いていきたいと思います。

名言や名文は到底無理だけれど、ポケットに散文を忍ばせて、ふらっと散歩に出るように、これから、noteを楽しみたいと思っています。


どうぞよろしくお願いします。




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