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【連載】アートリトリートとは何か?~第三回:おすすめしたいのは「とにかく忙しい人」、その理由~

TWILIGHTメンバーの窪田菜美(なみちゃん)です。
私がメイン案内人を務める「アートリトリート」について
インタビューしていただいた記事を、連載でお届けします。

今回は、「忙しい人こそアートリトリートに来てほしい!」と
私が願っている理由、そして体験した後日常にどんな変化が訪れるか

お話しています。

【全4回の記事で分かること】
・「都内にいてもすぐに行ける」アートリトリートとは
・なぜリトリートにアートなのか? ~アートは問いの大量製造装置
・おすすめしたいのは「とにかく忙しい人」、その理由
・アートリトリートのこだわり ~日常の延長線上にある自己探究

第一回、第二回の記事はこちらです。まだの方はぜひ^^

(第一回)https://note.com/twilight_note/n/nb0cc850ce6fd
(第二回)https://note.com/twilight_note/n/n79eefc4a25b6


忙しい日々を送る人にこそ、
人生の中に「遊び」という余白を

ーアートリトリートはどんな方におすすめなのでしょうか?

なみちゃん:人それぞれ忙しさは違いますが、忙しい日々を送っている人にこそ、リトリートのような自分自身を深める時間が必要だと感じています。

仕事も家庭もある程度充実してるけど、このままの自分でいいのか、将来やキャリアに漠然とした不安をもつ方に、自分と向き合うための時間にしてほしいと思います。

会社では、〇〇課長、〇〇主任といった役職があり、家庭では育児や介護をする立場があるかもしれません。私たちは生活の中で、他者のための役割を背負っています。

この時間はいつもの役割を脱いで、自分の中にある遊び心を解放して欲しいと思っています。
この“遊び心”は、アートリトリートのテーマの一つでもあります。
人生の中に「遊び」という余白をつくることを一緒にやりたいと思っているんです。

ー人生の余白、素敵な言葉ですね。自分を喜ばせる時間の使い方だと思います。
自分自身を振り返ってみても、仕事が忙しかったりすると、立ち止まることなく、時間が過ぎてしまうことがあったように思います。「自分って何者?」、「これからどうしたい?」と立ち止まって自分に問いかける時間が必要だと思いました

なみちゃん:「遊び心」をテーマにしたのも私自身、余白があると埋めたくなってしまうというか。詰め込んでしまうところがあるからだと思います。
日常の忙しさに夢中になって、時間が過ぎてしまうということを経験しているので、余白をつくることの大切さを実感しています。

アートリトリートに参加してくださった方の中には「自分のためだけに使える時間があるということに贅沢さを感じる」とおっしゃる方もいて、日常とは違う時間を楽しんでもらえると思います。

ー忙しく過ごしていると、充実しているように感じてしまいますが、人生のどこかで半ば強制的に立ち止まって、自分のことを考える時間が必要だと感じました。
遊び心という余白がガソリンのようになって、これからの自分を動かしてくれるものになるのかなとも思いますね。

なみちゃん:そうですね。もちろん、自分を内省する方法は色々あると思いますし、人それぞれフィットするものがあると思っています。自然の中で過ごすリトリートだったり、サウナで整うことだったり。それが自分を取り戻す場所、というか。

ー 人それぞれ自分に合った方法があるということですね。

なみちゃん:そうですね。私はその方法の一つがアートだと考えています。
作品を観た瞬間の「これ何?」という自分の内側にあるものに気付いて、「私の中に湧いてくる、この感じはなに?」と内面と向き合うことが、自己探究につながると思っています。

ー今まで美術館に行っても、ちょっと分からないなぁと思うと素通りしていました。自分と向き合う視点で観ると気付きが生まれますね。そこには内省のためのヒントがあったのかもしれません。

なみちゃん:アートを見て「これ何!?」という、よく分からないところもアートの魅力だと思うんです。なので、「アートってよく分からないなぁ」という方こそ、いろんな発見や楽しみを感じてもらえると思います。

自分と向き合うのに何が良いかは色々触れてみないと分からないので、アートリトリートも一度、試していただきたいと思っています。

日常の小さな変化を積み重ねることで
得られる大きな変化

ー自分と向き合うアートリトリートですが、どんな変化を体験できるのでしょうか?

なみちゃん:対話やアートが与える”インパクトの大きさ”を体感できると思います。

職業としてアーティストという存在がありますが、私は「人は皆、アーティスト」と思っています。誰しもが潜在的に、“こんな表現をしたい!”という思いがあって、アートやアーティストが発してるメッセージに触れることによって、 自分の内側にあるものが刺激され、対話によって引き出されるように感じます。

最後に参加者の方にいただく言葉からも、そのインパクトの大きさを実感しています。

またアートと聞くと高尚なものだったり、特別な人が見るものというイメージがあったりすると思います。私も以前は、とっつきにくさを感じていた一人です。

でも、本来アートはもっと民主的なものなんじゃないかとも思うんです。オフィスビルや商業ビル、街の中にも作品があります。

実際、公立美術館であれば、1000円以下で鑑賞できますし、高くても2000円程のところがほとんどです。掴もうと思えば、掴めるところにアートは存在しています。

少し敷居が高いと感じる背景には、作品をちゃんと理解しないといけないとか、いろんな人の固定観念や心理的な壁があるんだと思います。本当はもっと身近なものですし、そこから生まれてくる感覚を楽しんでほしいと思っています。

ー気付いていないだけで、確かに近くにありますね。
そう思うと、アートによって感覚が鋭く研がれるような感じがします。
例えば、美術館を出る時の風の感じ方が違うとか。そういう変化に気付くことができる自分がいそうです。

なみちゃん:参加してくださった方も、そのようにおっしゃっていました。
以前の企画では、美術館を出た後に、普段見慣れた街の中で自分と対話する時間を過ごしてもらいました。そして自分が惹かれるものをカメラで撮っていただきました。

中には美術館での体験によって、街の見え方が変わったという方もいらっしゃったんですね。

本来、私たちは感覚や感情を感じているんですが、気付かないうちに蓋をしていることがあります。もし自分に蓋をするものに気付けたら、 同じ景色だったとしても違って見えるんですよね。

ー私の中でリトリートというと、価値観が変わって帰ってくるという勝手なイメージがあったんですが、日常の中の小さな変化に気付ける感覚も大切だと思いました。180度、ガラッと価値観や見方が変わるということはなくても、1度でも自分の中で変化を感じることができたら収穫ですね。

なみちゃん:180度、価値観が変わる体験も素晴らしいことですが、1度ずつでも小さな変化に気付くことを積み重ねていったら、いつか180度大きく変わるようなことが経験できるように思います。


皆さんの余白にもぜひ、「アート」をぶち込んでみてください。
面白いことが、きっと起こります!

次回は、そんなアートリトリートを企画する上で
こだわっているポイントや企画作り(カッコよく言えばキュレーション)
について、お伝えします^^

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