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【連載】アートリトリートとは何か?~第四回:体験デザインのこだわり 日常の延長線上にある自己探究~

TWILIGHTメンバーの窪田菜美(なみちゃん)です。
私がメイン案内人を務める「アートリトリート」について
インタビューしていただいた記事を、連載でお届けします。

今回は、私がこの体験についてあれこれ妄想するとき、
整った表現をするならデザインするときに何を考えているか、
そのこだわりポイント
をお話しています。

【全4回の記事で分かること】
・「都内にいてもすぐに行ける」アートリトリートとは
・なぜリトリートにアートなのか? ~アートは問いの大量製造装置
・おすすめしたいのは「とにかく忙しい人」、その理由
・体験デザインのこだわり ~日常の延長線上にある自己探究

これまでの三回の記事はこちらです。まだの方はぜひ^^


都市に住んでる人が感じるモヤモヤ、この先どうしたらいいんだろうと考える人に寄り添いたい

ーなみちゃんがアートリトリートを行う時のこだわりなどはありますか?

都市で行うということにこだわっています。
個人的には地方にある美術館でやりたい気持ちもありますが、都市に住んでる人が感じるモヤモヤ、この先どうしたらいいんだろうと考える人に寄り添いたいという思いがあります。アートやアートを通して自分と向き合うということを、取り入れてもらえたら嬉しいですね。

作品としては、現代アートを鑑賞することが多いです。私が体感できる範囲ですが、いろんな捉え方ができる作品であったり、自分自身のテーマや感覚にフィットする展示を選んでいます。ただ、展示をベルトコンベア的に流れるように観ることは避けたいと思っています。

また、作品を味わう空間、美術館がもつ空気感も大切だと考えています。自然の中で行うリトリートのように、自分をそのまま受け止めてくれる場所というか、空間の余白があるところで、言葉を発しなくても、その人が何を感じても良いんだよ、と受け止めてくれるような空間を選ぶようにしています。

ーアートを見て、感じたものをそのまま感じるような…。流れるように鑑賞するのではなく、寄り道できる余白もあるのかな、と思いました

なみちゃん:そうですね。作品を正面からだけではなく、上から見たり、ナナメから観たり。空間全体で捉えたら、どんなふうに見えるんだろうと考えたりするのも面白いです。そこから新たな問いが生まれたりします。

ー空間全体として捉えるというのは面白いですね!
過去にはどんな場所で開催されたのか、お聞きしても良いですか?

なみちゃん:これまでは、国立新美術館(六本木)、東京都写真美術館(恵比寿)、東京都現代美術館(清澄白河)、ワタリウム美術館(外苑前)、アーティゾン美術館(京橋)で行いました。場所や展示もその都度変えているので、毎回新たな気付きや問いを得られます。

また、どんなテーマを持って参加するかということによっても、得られる気付きも変わってくると思います。
リトリートが「非日常」というよりは「異日常」というか、都市にいる日常の延長線上にいつもと違う「異日常」があることを知ってもらえたらと思っています。

ーそう考えると自然の中に行くことも「異日常」ですが、美術館も普段行く機会が少ないので、都心にいながらも「異日常」を味わえますね。しかもそれが自己探究できる時間なんだと感じました。
自然の中のリトリートも得られるものがたくさんあると思いますが、都内だと手ぶらでいける気楽さがありますね!

なみちゃん:「何かを持ち帰らねば!!」と意気込むことなく、寄り道のようにフラッと来ていただけたら嬉しいです。きっとそこには、新たな発見があると思います。

ー今回お話を伺って、リトリートが日常の延長線上にもあるということ、また本来、自分が持っている感覚を開いてくれるものであることを知りました。

アートというとあまり馴染みがないものだと感じていましたが、日常の中に変化を起こすきっかけになることを知って、フラッといけるリトリートとして、特に都心部で働く方々に、立ち止まって自分や自分の将来を考える時間になると思いました。
お話を聞かせてくださってありがとうございました。


全4回、いかがだったでしょうか?
もし全部読んだよ!という強者がいたら…(いるかな笑)
ぜひコメントいただけたら、泣いて喜びます!

インタビューをしていただいたのが3月の下旬なのですが、
その後青森の美術館を巡り、「地方の美術館」もやってみたい!
という気持ちに、今はなっています笑

当時の気持ちも嘘偽りはないので、修正せず、公開しました。

それだけ、人間は変化する生き物だと思います。
人に説明するときに一貫性は大切ですが、自分に対しては手放していい。

今この瞬間の自分を「ある」と受け止める、ただ感じる。
昨日行ったアートリトリートでは、その大切さをみんなが語っていました。
(詳しくは来週アップしたいと思います!)

「モヤモヤ」「なんか違う」「このままでいいんだろうか」
そんな漠然とした入り口で、全然いいんです。

自分を見つめる方法を探している方、模索している方、
ぜひ、アートリトリートにお越しください。

美術館の入り口で、お待ちしています^^

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