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ビデオ通話とチャットに関して、心理的安全性が高くなるようなルールや意識を考えた

みなさんこんにちは〜!
組織改善に励むのんにゃんでございます。

前回、コロナ禍におけるコミュニケーションの最適解を導き出したのですが、

ビデオ通話やチャットにおいて、具体的に不安を覚えているパートナーがいたので、その不安を払拭しスムーズにコミュニケーションが取れるようなちょっとしたルールや意識を考えてみました。

弊社のパートナーには周知済みなので、今後効果があったかどうかなども公開していければと考えています。

前回同様、以下のスライドを詳しく説明しているかたちになっています。

1. ビデオ通話でのコミュニケーションの弊害と対策

弊社で『ZOOMでのコミュニケーションにおいて、半年以内に「不安」を感じたことを教えてください』とアンケートを取ったところ、以下のような回答が得られました。

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1位:話し終えた後、パートナーの反応が読めない
2位:自分の意見が伝わったのか分からない・話し出すタイミングが分からない・話しづらいので、発言するのを諦めてしまう
5位:会議が長引く

前回の記事の通り、やはり非言語的手がかりが対面より少ないビデオ通話では「伝わった」ことが伝わっていないことが証明されました。また、空気の共有がなされないので、空気を読むことができず話し出すタイミングが掴めないパートナーも多くいました。

1-1. ビデオ通話では、対面の「疑似体験」になるよう意識する

空気の共有をしたいが物理的に集まれない場合のコミュニケーション手段であるにもかかわらず、普通に会話をしているだけでは「空気」を感じることができません。

そこでビデオ通話においては、対面の疑似体験となるようにタイムラグを少しでも小さくし非言語的手がかりをなるべく多く発することができるよう工夫する必要があります。

1-2. タイムラグを小さくする

5Gになれば不要になるかもしれませんが、現状はどうしてもタイムラグがあるので小さな工夫を重ねて少しでもタイムラグを減らしていきましょう。

タイムラグによる感情の寸断が少しでも減らせれば、空気を感じることができる可能性が高くなります

1-2-1. 少人数の会議であればミュートをしない

発言者以外はミュートをするのがマナーとなりつつありますが、ZOOMのアップデートにより最近では声が重なってもかき消されないことも多いです。

ミュートを解除しておけば、話したい時にミュートになっているかどうか確認する手間や、ミュートを解除する動作をしなくて済むので、タイムラグを小さくすることができます。

また、ちょっとした相槌や軽く笑った声などの非言語的手がかりを伝えられることになりますので、より対面に近づくことができ、「伝わった」ことも伝えられるかもしれません。

1-2-2. イヤホンマイクを使う

これも小さな工夫ですが、パソコンのマイクに話しかけるよりもイヤホンマイクの方が口との距離が近くなるので、タイムラグを小さくすることができます。

支給品もしくは貸与品として会社で購入し、社員に配るのもいいかもしれませんね。

1-2-3. チャット機能を活用する

ビデオ通話ツールには、チャット機能がついているものが多くあると思いますので、会議が始まると同時に参加者全員がチャットを開いておくルールを作りました。

ビデオ通話で相手の顔が見えている状態でのチャットは、通常の業務で利用する時よりもリアルタイム性がかなり増します。声を出すことを躊躇ってしまう場合や、人数の多い会議の場合は、チャットで反応することでタイムラグも小さくなりますし、話し出すタイミングが掴めない人もチャットであれば送りやすくなると思います。

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上記は全社集会で私が発表している最中のチャットなので感想だけですが(照)、チャットを送る障壁は発言するよりもかなり低いことが分かりました。

1-3. 「伝わった」ことを伝える

非言語的手がかりの少ないビデオ通話では「伝わった」ことが伝わりづらいので、聞き手側が積極的に伝えていく必要があります。タイムラグを小さくする工夫の中でも役立つものがありましたが、以下も合わせて意識してもらうようにしました。

1-3-1. 積極的に相槌を打つ

目が合わなかったとしてもよそ見をせずに、やや大袈裟に頷くジェスチャーをしたり、邪魔にならない程度に声を出して相槌を打ちましょう。

1-3-2. 発言者が話し終わったらまずは「理解した」ことを伝える

賛成なのか反対なのか考えているうちに無言の時間が流れてしまい、発言者が不安になってしまうので、聞き手はまず「理解しました」「そうですね」「なるほど」というような言葉で発言者の意図が分かったことを伝えてあげましょう

以上がビデオ通話での心理的安全性を高めるコミュニケーションのためのルールや意識です。さて、次はチャットです。

2. チャットでのコミュニケーションの弊害と対策

弊社で『「書き言葉」でのコミュニケーションにおいて、半年以内に「不安」を感じたことを教えてください』とアンケートを取ったところ、以下のような回答が得られました。

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1位:細かなニュアンスが伝えられない・冷たく感じる / 感じさせてしまう
3位:文章を作るのに時間がかかる
4位:反応がない / 遅い・パートナーと仲良くなるきっかけがない・雑談ができない

弊社の場合は、ビデオ通話よりもチャットの方が回答数が多かったので、チャットでのコミュニケーションの方が不安に感じることがより多いことが分かりました。

チャットでは物事を正確に伝えられるメリットがある一方で、感情の誤解を招いてしまうことがあります。これが不安が多い原因である可能性が高いと思われます。送り手に何の感情がなかったとしても冷たく感じられてしまったり、受け手側の返事の遅さに意図を感じてしまったりすることがあるので、送り手も受け手も感情の誤解が生まれないよう工夫していきましょう

2-1. リアルタイム性をなるべく担保する

前回の記事で、チャットは非同期ではなく半同期的なコミュニケーションであると説明しました。なぜかというと、チャットはメールとは違い、相手がパソコンの前でオンラインであることが分かってる上で 文 章 で 話 す 」ツールだからです。メールのように一方的に内容を詰め込んで送るのではなく、どちらかというと対面で話しているように会話を繰り広げるのがチャットだと思います。

それゆえ、返事が極端に遅い場合には、その"間"に意図を感じとってしまうのだと思います。実際の会話でも、返事に間があると何か不都合なことがあるのではないかと感じると思いますが、それと同じだと考えて良いのではないでしょうか。

2-1-1. リアクションを早くする

すぐに返事ができない場合もあると思います。たくさん連絡が来るポジションの人は、全てに対してすぐ返事をしていてはそれだけで一日が終わるなんてこともあるでしょう。なので、そういう場合はまずは何かしらのリアクションをなるべく早くできるよう心がけるのはどうでしょうか。

返事ができれば通知が飛ぶので分かりやすいですが、時間がなければ絵文字で対応しましょう。「あとで見る」などでもいいと思うので、必要なリアクションの絵文字をあらかじめ作っておくといいかもしれません。

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複数人に対するメッセージの場合は、送り手側が先に絵文字を押しておくと、受け手は簡単にリアクションが取れるのでオススメです。

参考1:ワークスペースにカスタム絵文字を追加する(記事
参考2:絵文字ジェネレーター(サイト

2-2. 冷たく感じさせない文章を作る

小学生からメールをしていた私(1992年生まれゆとり世代)にとっては、チャットでの文章は世代観が出るなあと思っていました。私の親世代は単語を絵文字に変換し、絵文字を乱用する(「後で✉️ するね😄❗」など)傾向があり、私より下の世代は、反対に絵文字を全然使わない(「あとでLINEするー」など)があるので、冷たく感じるかどうかなどの受け取り方は世代によって異なるのではと思っていたのですが、とある記事によりそれは必ずしも世代によるものではないということが分かりました。

2-2-1. 語尾に句点「。」を使わない

参考記事:
lifehacker.「文の終わりの「。」はなぜ冷たく感じるのか?」.https://www.lifehacker.jp/2020/06/214187dont-use-periods-in-texts.html,(2021/04/02)

要約すると、句点である「。」は本来、文章と文章を区切る機能しか持ち合わせておらず、もちろん実際の会話にも存在しません。それにもかかわらず、チャットのような "話す" 言葉に句点があると違和感を覚え、本来の用途と異なる使われ方をされているその「。」に何か意味があるのではないかと感じられてしまうのだそうです。

たしかに、同じ「ねえ」だとしても、「ねえ!」「ねえ」「ねえ。」ではそれぞれ感じ方が異なります。句点で終わる「ねえ。」はどこか神妙な感じが醸し出されていて、返事をするのに少し構えてしまいますね。

語尾に何もつけない(「ねえ」)場合は、感情が乗りにくいとのことなので、特に何の感情もなくメッセージを送る時は、句点を付けるくらいならいっそのこと何もつけない方が良いでしょう

感嘆符(「!」)は元気な感じが伝わりますし、長音符(「ー」)を入れるだけでも少し柔らかい印象になります。

小さなことですが、文章からどのくらい影響を受けるかは人によって異なります。「そんなことくらいで気にしないでよ」と思う人も多いかと思いますが、これからも書き言葉でのコミュニケーションは重要な役目を担うと思いますので、細部まで気にかけられると社内の心理的安全性の向上に必ず繋がるのではないかと考えます。

2-3. 普段から雑談をして信頼関係を築く

文章のちょっとしたテクニックで冷たく感じさせないことも可能ですが、もしかしたら社員同士の信頼関係が築かれていないせいで冷たく感じられてしまうのかもしれません。

コロナ禍においてはむしろ、「信頼関係」など本当に必要なのか、そんなものなくても仕事は回るし、そうあるべきなのでは、というような価値観が生まれてきている感じがしています。雑談は仕事をしていない時間なので、不要であると思われている方も増えているような気がします。

私自身もそれを感じていたので、果たして雑談、さらには信頼関係に本当に意味があるのだろうかと懐疑的でした。そこで調べていくうちにとある記事を見つけました。

参考記事:
FASTCOMPANY.「2 science-backed benefits of making small talk with coworkers」.https://www.fastcompany.com/90537949/2-science-backed-benefits-of-making-small-talk-with-coworkers,(2021/04/15)

この記事では、研究結果として雑談の具体的な効果が3つ記されています。

1. 従業員の前向きな気持ちに貢献する
(contributes to employees’ positive emotions)
2. 幸福感を促進する
(promotes well-being)
3. 職場での良好な仲間意識を醸成する
(fosters good workplace citizenship)

ありきたりで表面的な内容の雑談こそ、上記の利益をもたらしてくれるそうで、オンライン / オフライン関係なく有効だそうです!

スポーツであっても、どんなに粒揃いのチームであろうとも、それが信頼関係の築かれていない選手たちであれば勝つことは難しいのではないか、と思います。どこまでいっても機械ではない私たち人間には、前向きな気持ちや幸福感、さらに仲間意識のようなソフトなものが働く上で大事なのではないかと信じたいと思いました。

2-3-1. 分報を運用する

雑談をしてください!と言っても、オンラインだときっかけを作るのが難しいですよね。なので、少し前にも流行りましたが分報を改めて運用することにしました。チャンネル名を統一し、全てのパートナーの分報を作成しました。

会社で一緒に仕事をしている時に少し様子を見てみるような感覚で入退室自由とし、あくまでも雑談なので「何か意味のあることを呟かなければ…」など気負う必要はないです。

また、分報は個人の性格などの影響で呟く量にかなりの差が出てくることが予想されますが、大事なことは「雑談をすること」なので、量の差は気にする必要はありません。

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実際に私は入社して間もないですが、この分報のおかげで他の社員との交流が増えましたし、自分が考えていることも伝えやすくなったので、心理的安全性はかなり向上したと感じています。(ええ、そうです。自分の部屋自慢したかっただけですよ!!!)

2-3-2. Collaさんを導入する

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まだ実験中ではありますが、1日1回、チャンネルのメンバーに対してランダムで質問してくれるslackアプリです。(こちらです)

雑談らしい質問をくれるので、他の社員のことを知るきっかけにはひと役買うのですが、脈絡なく質問が飛んでくるので答えるのがやや面倒…という印象もあります。

2-4. slack Analyticsを活用し、効果を確認する

slack Analyticsのダッシュボードでは、直近30日間、もしくは過去全ての期間を指定して、さまざまなデータを以下のようにグラフで見ることができます。(slack Analyticsの確認方法はこちら

データをエクスポートするとより詳細のデータを見ることができるのと、現状では期間指定ができないので、施策の前後のデータはエクスポートすることをオススメします。

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弊社では、これまで述べてきたルールや意識により、大きく以下のような結果が得られるのではないだろうかと仮説を立てています。

・public channels内のメッセージ数の向上
・各パートナーが送信するメッセージ数の向上
・DM数の減少(分報に統合されると見込む)
・リアクション数の向上

slack Analyticsではずべて確認することができますので、1ヶ月後あたりにデータを確認してみようかと思っております。


また記事が長くなってしまいました…
それでは!

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