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TVerが創る新しい視聴体験の実現へ〜/コネクテッドTVタスク対談【前編】

株式会社TVerは、インターネットに結線されたテレビ「コネクテッドTV」への対応に注力すべく、2022年7月に専門チーム「サービス事業本部 コネクテッドTVタスク」を発足しました。

2023年3月には、月間ユーザー数が2,739万MUB(※1)を突破し、そのうちコネクテッドTVの再生割合は3割を超え大きな伸びを見せています。

今回のインタビューでは、コネクテッドTVタスクチームの立ち上げから携わった戦略企画室の柴崎。そして、コネクテッドTVタスクのプロダクトマーケティングを担う枝根の二人に、市場のポテンシャルと仕事のやりがいを中心に話を聞きました。

「テレビの視聴体験はもっとおもしろくなる」と熱を込める、二人の今後の展望にも注目です。

※1…… Monthly Unique Browsers(月間ユニークブラウザ数)

■プロフィール
戦略企画室:柴崎 孝仁(写真右)
広告会社の勤務を経て、2019年9月、TVerの前身となるプレゼントキャストへ出向。マーケティング領域全般を担当し、コネクテッドTVタスクチームの発足にかかわる。現在は戦略企画室から引き続きコネクテッドTVタスクに携わっている。

コネクテッドTVタスク:枝根 聡樹(写真左)
放送局で動画配信事業の立ち上げをはじめとする事業開発や、深夜帯の地上波放送枠の編成担当などを経験。2022年8月、TVerのプロダクトチームに出向。2023年2月からはコネクテッドTVタスクへ異動し、アライアンス営業やマーケティングなどの職務領域を幅広く担当している。


組織改編に伴い、コネクテッドTV専門チームが始動

──2022年7月の組織改編で「コネクテッドTVタスク」が立ち上がりました。専門の部署を新たに設置した背景を教えてください。

柴崎:コネクテッドTVの普及率の増加が大きな理由です。2022年4月時点で、全テレビ端末のうち30%をコネクテッドTVが占めており、2025年には43%にまで上ると予測(※2)されています。

TVerにおけるコネクテッドTVの再生比率は2023年1月時点で31.0%となり、PC10.1%、スマートフォン・タブレット58.9%の数字と比較しても、その存在感は明らかです。

以前からコネクテッドTVに対応はしていたものの、当時はサービス事業本部内にあるプロジェクトの1つでしかなかったんです。

デバイスごとに視聴体験が異なることを考えると、専門のチームを立ち上げて開発を進めることは必然でした。

そこで組織改編のタイミングで、正式に専門部署として始動したというわけです。

──コネクテッドTVタスクには、どのような体制とミッションがあるのでしょうか?

枝根:現時点でメンバーは、開発側が5名と事業側が2名、他部署から1名の合計8名です。コネクテッドTVにおけるTVerの “出面” を増やすことを目標に「コネクテッドTVにおける再生数の最大化」をミッションとしています。

私の担当はプロダクトマーケティングやパートナーアライアンスで、コネクテッドTVの中でTVerの価値をどう発揮できるかを考えることが役割です。
ユーザー行動やペインの分析をして、UI/UXの向上に日々努めています。

例えば、TVリモコンで動画を検索するのって大変ですよね。そういったストレスをいかに解消できるかなど、エンドユーザーに対しての施策を打つことで、最終的に多くの人たちにTVerを使ってもらえるようにプランニングしています。

※2……株式会社インテージ『コネクテッドテレビ動向調査レポート』

コネクテッドTV「その先にある可能性」も視野に

──コネクテッドTVの対応に特化したチームということで、会社の期待もあると思います。どこが一番、事業成長のポイントになりますか?

枝根:市場のポテンシャルが高いということでしょうか。2022年の時点で、テレビ画面でインターネット動画を閲覧している人の割合は約3割というデータ(※3)があります。

では、7割の人は地上波をリアルタイムで観ているかというとそうではなく、ストリーミング再生との割合は半々なんです。

最近では、地上波の受信機能を持たない「チューナーレステレビ」の登場も話題でしたが、TVerを使えば、地上波が見られない環境でもTVコンテンツを楽しめます。そういったことも踏まえると、今後ますますストリーミング再生の割合は増えるはず。

私たちはこの将来性を活かし、例えばインターネット動画を難しいものと捉えているご年配の方に対しても、TVerを活用して楽しんでもらえたらと思っています。

今は国内でも多様性というキーワードに注目が集まり、障害者をデザインプロセスの上流から巻き込む「インクルーシブデザイン」に取り組む企業が増えています。

TVerもそのような領域にチャレンジしたいと思っているので、TVコンテンツの新しい届け方に挑戦したい方にとっては、非常に大きなやりがいを感じられるはずです。

柴崎:ここで重要なのは、TVコンテンツの届け先はPCやスマートフォン、タブレット、テレビ受像機に限らないということです。

コネクテッドTVタスクが正式に部署として立ち上がる前、実は「スマートホーム対応プロジェクト」という名称で活動していた時期があったんですよね。
これが意味するのは、TVコンテンツはIoTやAI技術を活用した家の中全体に届け得る、という発想です。

リビングのシーリングライトからプロジェクターで映し出せるかもしれないし、自動運転レベル5の「完全自動運転車」が実現すれば、移動中の車内で視聴体験ができるかもしれない。
TVerを従来の考え方の枠にとどめる必要はまったくないと思っています。

枝根:本当にその通りだと思います。では、柴崎さんのお話を踏まえて、どういった人がTVerの新しい価値創造を担えるのかというと、私は「ガジェット好き」にこそチャンスがあると思っているんですよね。

私の知る範囲だと、コネクテッドTVに関わっている技術者の多くはガジェット好きであることが多い気がしていて。TVerをゲーム機で使えるようにしよう、あのIoTデバイスとTVerを結びつけたらどうだろう……。

そういうアイデアが溢れるように出てくる人にとって、コネクテッドTVタスクはやりがいを感じられる、活躍の場になると思っています。

※3……ニールセン「コネクテッドTVでの動画コンテンツと動画広告に関する視聴動向レポート」

「放送局コンテンツ×スタートアップ」がTVerの醍醐味

──仕事の醍醐味が伝わってくる興味深いお話でした。ここで、コネクテッドTVタスクだからこそ感じられる仕事の魅力も聞いてみたいと思います。

柴崎:TVerの中でも、事業部門と技術開発の両メンバーを同チーム内に抱えているのはコネクテッドTVタスクだけなので、そこは魅力のひとつだと思います。

つまり、サービスやプロダクトを開発したいと思ったら、スタートアップ企業のようなスピード感ですぐに対応できるわけです。

一方で私たちは、TVコンテンツを幅広く社会に届けるため、大手の動画配信プラットフォームやテレビ受像機メーカーとアライアンスを組むといった、社会的に影響のある仕事にも携わることができます。

具体的には、テレビ受像機メーカーと提携し、リモコンにTVerへのアクセスボタンを設置してもらうなどの取り組みがありました。

コネクテッドTVタスクでは、大手企業とスタートアップの良いところ取りの仕事にチームで挑戦できる環境があるといえます。

枝根:私もまさにそこがTVerの醍醐味だと思い、自ら志願する形で放送局からTVerへ出向しました。

私自身が放送局の人間ということもあり、世の中から「デバイス」としてのテレビ離れの声が聞こえれば聞こえるほど、「(ソフトとしての)テレビコンテンツ自体はまだまだおもしろいよ!」とTVerを通じて伝えたいと思うようになって。

やはり放送局のプロが作ったコンテンツは、長年培ってきた企画力や技術力に裏付けされた大きな魅力があります。

また、無料の動画配信サービスが世の中に普及する中で、TVer独自の強みも活かしたいと思っているんですよね。

ラインナップに偏りがなく、さまざまなジャンルの人気番組を視聴できて、最新のトレンドも追える。しかもリアルタイムで見る必要性もなければ、番組予約の手順も不要です。

放送局のコンテンツを扱いながら、TVerというプロダクト自体の優位性も発揮できる。柴崎さんの言うように、まさに大手の強みとスタートアップの強みを掛け合わせた仕事をこのチームでは体感できると思います。

テレビの視聴文化を一緒に作り、盛り上げていきたい!

──最後に、コネクテッドTVタスクの仕事に興味を持ってくれた方にメッセージをお願いします。

柴崎:事業側の仕事内容で考えると、プロダクトマーケティングの知識やスキルが活きると思います。ただ、コネクテッドTVに携わったことがある人に限定すると、母数がそもそも少ないはずです。

ではどのような人が活躍できるかというと、社会動向や市場の動きを俯瞰的に捉え、TVerならではの価値を提案できる人だと私は思います。

枝根もそうですが、外部との事業提携などが主な仕事なので、相手企業と自社の利益を考えて交渉する力はコネクテッドTVタスクでも大いに役立つはずです。

過去にTVコンテンツや動画コンテンツを扱ったことがなくても、十分に活躍のチャンスがあることを知ってもらえたら嬉しいですね。

枝根:私も同じ意見です。コネクテッドTVをはじめ、新しく登場するデバイスに対してアプローチするのがコネクテッドTVタスクの役割なので、この領域の経験者自体がまず珍しい。

なので視点としては、コネクテッドTVの文脈ではなく「テレビの見方そのものが変わってきている」「ストリーミング再生の市場で新しいチャレンジが続々と始まっている」ということに対して、興味関心があることが大切です。

70年前に地上波放送がスタートした当時、きっとそのフェーズでしか味わえないワクワクがあったのではないでしょうか。TVerも今、自分たちで新しいテレビの視聴文化を作っていくタイミングを迎えています。

そこに価値を感じられる方と仕事ができたら嬉しいです。一緒にTVerを盛り上げてくれる方をお待ちしています!


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取材協力:CASTER BIZ recruiting

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