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「売れ始めた」ことを「一度死んだ」と表現する高橋一生に乾杯

皆さんこんにちは。鼓です。
夏休み冒頭では、アマプラにも飽きてきたし見たいもの少ないからNetflix入ろうかな。。とか思ってたのに、見たいドラマどんどん増えてアマプラを消費することに追われてる。(Netflix入りたいけど、アマプラで十分という気持ちや世の中にコンテンツが溢れすぎてて何をどこまで課金したらいいのか分からず未だに入れていない)

さて、今日は昨日(8月19日)に鑑賞した高橋一生の舞台「2020」の感想です。タイトルはこの作品のパンフレットで高橋一生が話していて凄く印象的だった内容です。
新鮮な記憶のまま感想を書きたかったので、鑑賞したのは昨日だけど、ネタバレを避けるために公開は大千穐楽を終えてから載せました。

舞台『2020』

高橋一生の一人舞台と聞いて即座に飛びついた『2020』
一般販売開始3分でローチケから狙ったら無事チケットが取れて行ってきました。
簡単に言うと、哲学的な社会派作品といった感じでめちゃくちゃ好みでした。こういうIQ低い感想を言うとバカとか言われそうでこわい。

余談だけど、映画やドラマなど、上質な作品や上質な演技に触れるのは大好きだけど、ガッツリ俳優オタクをしているわけでは無くて、俳優オタクの方ってどうやってチケットとか取ってるんだろ?(笑)FCとかある人はあるのかな?ローチケなど以外でも取れるのかな?というか、SNSしてない俳優の情報ってみんなどうやって仕入れてるの・・・?
自分のメイン界隈では無いので色々疑問は尽きませんが、まあこんな話はどうでもいいんです。

映画でもなんでも観ると決めたものはあまり前情報を入れないタイプなので、どんな舞台なのか全く分からないまま鑑賞したのですが、凄かったです。何も考えずにぽけーっと見てたら、音楽やダンスもあって一見ライトというか楽しそう?な雰囲気だなくらいにしか思わないと思うけど、実は凄く深く含みを持った作品でした。
内容もさることながら、その含みのある内容を矢継ぎ早に飛んでくる高橋一生のセリフでどんどん頭が混乱してきて、この世界や人間ってなんなんだ・・・?あれ、私何観てるの、、?あれ、何で人間として生きてるんだっけ・・・?ってなりました。

一見ライトに見せかけてるからあれだけど、たぶんなかなかのこと突いてますよね。冒頭から繰り返される2020年から始まった件くだんのことや原爆や戦争の話、赤ちゃん工場についてまで。難しいことはわからないけど、開発と資本主義の陰謀的な・・・ことを思った。

ブロック(作品中では「これ」と呼ばれている)を作り続けることでしか人間を続けられない私たち。このブロックについて考えているだけでも日が暮れそう。

別に偏差値が高く知識が豊富なわけでは無いので、上手く脳みそを言語化出来ないですが、見た後にずっと色々考えさせられる作品でとにかく良かったです。
「作品のテーマ性やメッセージ性をここまで考えて作った作品は今まで無かった」と、高橋一生がパンフレットで語っているのですが、たしかに作者・演出家・高橋一生・振付師の橋本ロマンスさんの脳みそが頂上でぶつかりあっているような作品というのはとにかく感じましたね。
見ている時から、あーこれ高橋一生もクリエイティブ面関わってるんだろうなってなんとなく感じてたもん。

高橋一生しゅごい

高橋一生の代表作?有名な作品?的なのはほとんど見てることに気づいたんですけど(まあ、冷静に考えてそのくらい好きじゃなかったら一人舞台行きたいとはならないけど)やっぱすごいなあと。
セリフがどうやら3万字あるらしいんですが、とにかくずっと喋ってて、他にもダンスなど身体表現もあってどんな体力してんだ、と。

今までドラマや映画しか注目してこなかったけど、今までかなり舞台を経験してるし色々賞を受賞されているみたいで舞台役者さんなんですね。

行きたい・やりたいと思ったことはやらないと後悔する

私の人生のポリシーの一つに「やりたいと思ったことは実行する」があるんですけど、今回再認識しました。
去年、高橋一生主演舞台『フェイクスピア』に行きたいなと思ったんですよね。だけど、行かない理由なんて自分の中でいっぱい作れるし、趣味が多いので時間とお金の使い方が難しいから結局行かずじまいで、、。

でも今年の舞台行って、見ればよかったなってシンプルに後悔して、やっぱり行きたい・やりたいって思ったらその気持ち大事にしなきゃですね。改めて強く思いました。

家で映画鑑賞するより映画館、映画館より生の舞台

もうこれに尽きるなと思います。
家の小さいテレビでだらだら映画見るより、映画館でより上質な芸術体験をした方が良いと思うし、映画館で見るより舞台の生ものを感じる方が良いと思う。お金と時間は有限だからキリはあるけど、なるべくそういう行動をしていきたい。モノ消費よりコト消費。要らないものを買うくらいなら、少しでも経験に回したい。

「売れ始めた」ことで「一度死んだ」

舞台鑑賞後、あまりにも良かったのと作り手の意図を少しでも汲み取りたくて気づいたらパンフレットを購入していたわけなんですが。

若い頃の僕は、漠然と35,6歳で自分は死ぬだろうと思ってました。(略)35,6歳という時期は、ちょうど僕が「売れ始めた」と言われるタイミングでした。ああ、そういうことだったのかと、妙に腑に落ちた。自分年表があるならば、明らかに「ここで変わった」フェーズだったと思います。今は、一度死んだ後を生きているようなものですね。
『2020』パンフレット掲載の高橋一生インタビューより

この後の内容も、自分のやりたいことのためには「売れる」という前提が無い限り何も始まらないから、この数年間は多くの人に自分の顔と演技を知ってもらう期間だったと語っています。
今後どうしていくとかは詳しくは語っていないけど、「売れる」期間を経て、高橋一生自身のフェーズが変わっているんだろうなと感じました。

若くてキャピキャピした人らには基本的には興味が無い私

そして何よりもこの俯瞰感(こんな日本語あるのか?)、冷静感、「売れる」ことが人生の目的では無いところ、などなど、私が高橋一生を好きなことに凄く腑に落ちました。

俳優もいわばビジネス商材なので売上を出さなければ意味ない面もあると思います。同じ演技力でも、どういう路線でお金を生み出していくかって本当に俳優によって様々だけど、私は大手路線で有名でがっぽりな感じに走ると心の底から好きになることは少ないです。もちろん、事務所の意向とかいろいろあると思うけどね。

世の中それだけではないというか。お金だけでは買えないものもあるよねって。高橋一生はそれを深く理解して俳優業をしているんだろうなと、このパンフレットや作品を通して伝わり、さらに好きになりました。乾杯。

橋本ロマンスさん、とても良かった

やばい、感想が止まらなくて3000字いきそうだからそろそろやめたいけど、最後にこれだけ。
出演/振付・ステージングの橋本ロマンスさんが本当に良い味を出してました。演出家の方や高橋一生の彼女を賞賛していた内容や、アフタートークのお話に凄く共感出来たり、さらには所属事務所がPUMP managementという私が好きな感じのバチバチイケてる事務所だったりで、これまた私好みの方を見つけてしまったなと。

私とそんなに年齢変わらないけど、こうしてクリエイティブなことで前衛的に活躍されているのかっちょいい。これからちょっと注目してみよっと。

以上、長文かつ自己満の舞台鑑賞日記でした。
ここまで読んでくれてありがとうございます。では、また。

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