「彼氏と結婚したいけれども、重たい女にはなりたくない」

　「彼氏と結婚したい。その上で相談に乗ってほしい」

　そのような女友達からの申し出を受けて、二人で酒を飲むこととなった。その友達をここではAと呼ぶ。

　Aは大阪在住のOLであり、歳の頃はいわゆるアラサー。結婚を視野に入れたくなる気持ちはよくわかる。

   ちなみに俺との馴れ初めはツイッターだ。彼女が相談相手に俺を選んだことについては、以前に婚活記事を公開していたことも影響しているのかもしれない。

　Aが京都、つまり俺の地元まで足を伸ばすということなので、地理感のある当方が会場を選ぶこととなった。

　ここで気の利いた紳士ならば、瀟洒なレストランやらダイニングバーやらを選ぶのかもしれない。 しかし、我々はそこまで畏まった間柄でもないし、近頃の日中はたいへん蒸し暑かったために「餃子をツマミにビール飲みてえ」という、ごく私的かつ強い願望が俺にはあった。

　よって、Aには「駅近の中華でええか？チェーン店やけど何頼んでもまあまあ美味いし安い。なにより俺が餃子でビール飲みたいねんけど」とぶっちゃけてみたところ、アッサリと快諾。 「年頃の女性との会食における店選び」というのはデリケートな話題と捉えられがちだが、極端にTPOを外していなければ、そこまで苦慮しなくてよいのかも知れない。

　さておき、本題。

　Aの話を要約すると、