構造デザインの講義【トピック5:超高層と大空間の構造とデザイン】第1講:産業革命と建築構造
20世紀産業革命が、建築界(思想、技術、芸術、など)にもたらしたもの
東京理科大学・工学部建築学科、講義「建築構造デザイン」の教材(一部)です
トピック5:超高層と大空間の構造とデザイン
第1講:産業革命と建築構造、その装飾性(ココ)
第2講:大スパンの構造とデザインと空間
第4講:超高層の構造とデザインと空間
第5講:大空間の骨組を考える
20世紀の建築の意匠・空間・構造
産業革命により、世の中は大きく変革しました。
建築界では、自然科学(力学、数学など)の発展と、鉄鋼材料の登場と建物利用により、建築表現が飛躍しました。
建築界では、視覚芸術のデザインと、材料の論理的関係に注目し、利用する動きが起こります。
・アーツ・アンド・クラフト運動、
・ドイツ工作連盟、
・新即物主義(ザッハリヒカイト)、
・アール・ヌーボー(フランス、ベルギーでの新しい芸術)、
・ユーゲント・シュティール(ドイツでの青春様式)、
など、
様々な運動が起こり、世界各地へ広がりました。
「材料、構法、意匠が虚偽でなく、真実かつ誠実である」という倫理観による運動であり、その後のモダニズムへとつながっていきます。
同時に、工芸の地位向上と、芸術の枠が拡大されました。
レンガ、木、鉄、ガラスなど、材料の表現と空間構成の様々な試みが見られました。
学術、学問の世界にも変化がもたらされました。
スペイン・カタルーニャでは、A. ガウディがアール・ヌーボーの潮流から、独創的な世界を開花させます。
1900年前後のわずかな期間で、従来の建築界の価値観などが大きく変わりました。
この時代は、近代建築における主要な建築家かつ技術者として、オットー・ワーグナー(オーストリア)、L. サリバン(アメリカ)、V. ヴェルド(ベルギー)、H. ベルラーヘ(オランダ)、P. ベーレンス(いち早く工業化社会の要請に応える)、W. グロピウス、M. V. ローエらの活躍がありました。
W. グロピウスは、1919年、ワイマールに国立総合造形学校である「バウハウス」を開講しました。
工業技術と芸術の統合を目指した教育・研究が行われ、現代建築やデザインなどに多大な影響を与えました。
1933年、ナチスの迫害を受けて閉校となります。
バウハウスの多くの教員は、アメリカやイギリスなどへ移り、その理念や教義などは世界に広まりました。
そのような流れの中で、F. L. ライトやル・コルビュジエなどが活躍し始めることになり、建築界は新しい時代へと踏み出します。
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