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構造デザインの講義【トピック5:超高層と大空間の構造とデザイン】第4講:超高層の構造とデザインと空間
超高層建築物の構造とファサードと骨組の関係
東京理科大学・工学部建築学科、講義「建築構造デザイン」の教材(一部)です
トピック5:超高層と大空間の構造とデザイン
第1講:産業革命と建築構造、その装飾性
第2講:大スパンの構造とデザインと空間
第4講:超高層の構造とデザインと空間(ココ)
第5講:大空間の骨組を考える
人類が、高みを目指すということの意味
旧約聖書に登場するバベルの塔。
神の領域、天にも届かんばかりの高さまで建設した巨大な塔は、神に破壊されてしまった、という話があります。
ニューヨーク・マンハッタンの摩天楼、クライスラービルとダイムラービルは、当時、世界一の高さを競った様子では、エピソードに事欠きません。
近年の世界中の超高層ビルは、高さが話題になります。
人類は、高みを目指し、建造物の技術を高めていると言えるのかもしれません。
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1900年代中頃、鉄鋼材料や建設技術・設計技術などの発展・高度化により、世界中で超高層建物が登場しました。
都市・建物の様相が変わるとともに、人々の生活や価値観も大きく変化しました。
中国銀行・香港支店
当時、超高層建築・スカイスクレイパーが登場した際、骨組構造が採用されると、シア・ラグ(せん断遅れ)の構造力学上の課題がありました。
これに対する答えの1つとして、アメリカ・シカゴのジョン・ハンコック・センター(1968年)やシアーズ・タワー、などでは、ブレース架構を設ける方法が採用されました。
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中国銀行・香港支店は、1990年、I.M.ペイ(イオ・ミン・ペイ)によって設計・建設されました。72階建、高さ367.4mの超高層建築です。
「幾何学の魔術師」の異名を持つ中国系米国人建築家で、パリ・ルーブル美術館のガラスのピラミッドの設計も手掛けました。
ファサードの斜め材・ブレースは、シア・ラグへの抵抗として効果的であるとともに、幾何学的なデザインとしても有効です。
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香港上海銀行
香港上海銀行は、1985年、N.フォスターによって設計・建設されました。
44階建、178.8mの超高層建築です。
ファサードに表れている通り、フィーレンデールで表現された2本の巨大なメガカラムが、構造のコアとなっています。
さらに、5層ごとに表れるトラス形状の梁は、天秤構造の原理により、吊り構造として支えるシステムとなっています。
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