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【告知】個展5/12〜5/23@アトリエ三月

タイトル通り、明日から個展が始まります。
個展は3年ぶりでコロナ前の2020年にアトリエ三月さんにて開催したのが最後です。今回もアトリエ三月さんで開催させて頂く運びとなりました。

新作、旧作(昨年の作品)織り混ぜて30点程を展示します。私の近年の制作についてしっかり見て頂ける展示となりました。
是非お越し下さいませ!


新村葉月 個展「わすれたことを記憶する」

会期 : 2023年5月12日(金)〜5月23日(火) 
平日15時-20時/土日祝13時-20時/最終日19時迄
場所 : アトリエ三月 〒530-0015 大阪市北区中崎西4-2-9

★[イベント] 新村葉月の#壁部ワークショップ
5/20(土) 13:00-15:00くらいまで/小雨決行
場所:阪急中津駅集合
路上観察から新村葉月の視点を通して街中に潜む心を動かされる壁写真や、そこから見える制作へのアイデアを発見するワークショップ
※詳細については後ほど記載します


【個展「わすれたことを記憶する」によせて】

日常は小さな出来事の積み重ねでできている。
写真や日記に記録を残すようなレベルのものから、それよりもさらに形の無い出来事も含めて、日々は構成されている。
だが私たちは、日々の全ての出来事を記憶し続けることはできない。
忘れたくなくて細かいことまで写真に収めたり日記に書いたりしてみるが、すべてを記録することはできないから、記憶は徐々に薄れて、薄く薄くなって、最終的に忘れてしまう。日常は小さな忘却の積み重ねでできている、とも言える。
しかし忘れたとしても、その出来事が起こったという事実自体は無くなっていない。

街を日々観察していると、街の中には何らかの痕跡がそこかしこに残されていると気づく。それはタイヤ痕のような視認できる痕跡でもあるし、人々の生活の空気が表面に張り付いて、目には見えないが層になっているような感覚を受ける場所もある。
私たちが既に忘れ去っていても、出来事の痕跡はこの世界に小さく散らばって存在し、過去にそこで何がしかがあったことを静かに指し示している。

私は街の観察を通して、そういった微かな痕跡達を拾い集め、画面上で再構成することを試みている。表面上の色彩や配置をなぞるのではなく、現在進行形の出来事の結果として現れる痕跡そのものを扱うよう意識している。
そのため再構成したものは、現実に存在する壁面や風景と同じ様相ではない。しかし同じ時代に生きる私たちの、それぞれ異なる記憶にアクセスし、わすれてしまった出来事や感覚を少し引き出すような、そういう作品でありたいと思っている。


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