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【告知】神戸アートマルシェ2024に出展します/出展作品について

どうも新村です。
やっっっっっっっっと制作なり何なりがひと段落して余裕がでました。笑
私は焦りと不安でバタバタと無駄な動きが超増えるタイプの作家ですが、落ち着いて着々とやれてる作家さんはきっといるのでしょう。尊敬です。
作品を梱包して発送したとき、やっと肩の荷が降りてホッとします笑

しかし!落ち着いている場合ではなく、ここからが展示本番です👊
今年はまだ展示をしてなかったので、この神戸アートマルシェが今年1発目の展示となります。
ちなみに神戸アートマルシェ自体にも初参加です🤘

KOBE ART MARCHÉ 2024

開催日時:2024年4月19日(金)~21日(日) 11:00~19:00
会場:神戸メリケンパークオリエンタルホテル9階
   (〒650-0042 兵庫県神戸市中央区波止場町5-6)

[907号室]アトリエ三月様より出展します。
期間中全日在廊します。


出展作品について

「LETTERS "モトコー"  trace24S6_1」
410×410mm/2024/新村葉月

展示会場である神戸メリケンパークオリエンタルホテルのすぐ近くには、三ノ宮や元町といった賑やかなエリアがあります。元町には学生の頃、古着や雑貨をよく買いに来ていて親しみもありつつ、でも知らない場所も多い、、、私にとってはそんなエリアです。

これは春節真っ只中の南京町。

今回出展するにあたって、三月オーナー原さんからの提案もあり、元町エリアをテーマとした作品を作ることに決めました。その中でも「元町高架通商店街(モトコー)」を題材にするべく、何度か足を運んで調査を行ないました。

モトコーは戦後の闇市が発祥とされる商店街で、マニアックなお店やあやしいお店も多く、ちょっとガラはよくないけどレトロでディープで面白い場所です。
私が通っていた頃には既にシャッターも多かったので最盛期のモトコーは知らない訳ですが、街歩きとかが好きな人(つまり私)の嗅覚に確実に刺さってくる魅力的な商店街でした。


今回モトコーを取り上げた理由は「取り壊しが決まっているから」。
取り壊しといっても耐震・老朽化対策でリニューアルするためで、ただ無くなってしまうわけではないし、一部区間は既にリニューアルが完了しテナントも入っている状態です。

(ただ、リニューアル済みの区間を見ればわかりますが、以前のモトコーの影も形もありません。私自身、以前のモトコーに明るいわけではないですが、「う〜〜〜んこれはモトコーじゃないな・・・」という感じは否めない。看板にもある通り、これはモトコーというより「MOTOKO」です。)

まあ工事について云々言いたいわけではないのでそれはさておき。
リニューアル前夜のしーんと静まり返ったモトコーをひとり、端から端まで歩きました。

ジメッとしてほこりっぽい空気、カビ臭い匂い、外の陽気と違ってひんやりした空気。ほとんどのお店は退去していて、残された看板やシャッター、壁の落書き、移転しますと書いた張り紙が、寂しさを増幅させます。

でもそれらの残された諸々をひとつひとつ見ていくうちに、この場所を沢山の人が愛して、集って、関わって、大切にして、そうやって出来てきた場所であること。そしてその人達それぞれの多様な人生の一部に、モトコーがあったことを強く感じました。


闇市が発祥というだけあって、過去にはこんな発見もあったようです。

モトコーの長い長い歴史と、そこに関わった数えきれない人々の人生に思いを馳せてしまいます。街は新陳代謝してこそ・古いものを有難がりすぎず、今を生きる人のために存在すべきだと考えていますが、ひとつの大きな文化が消えるようでとても寂しい。

今のモトコーの表層に残っているのは、その長い歴史のほんのわずかな部分だけですが、その残滓をすくいとって作品にしようと決めました。

人が残す痕跡の中で、最も人らしさが出るものは文字だと思います。筆跡や筆圧、内容、道具。文字の向こう側に、書いた人の人格や思考まで透けて見えるような気さえします。そしてペンやスプレーで直接書いたり、看板にして設置したり、紙に印刷して貼ったり、いろんな方法で人は街に文字を残そうとします。

商店街にわずかに残った文字からインスピレーションを得て、今回は作品を作りました。モトコーに積み上がった歴史は重く長いので、私の作品がモトコーを表現していると言うのはおこがましすぎて言えません。
そこにあった誰かの生活と人生への思慕をこめて作りました。

神戸アートマルシェにお越しの際は、リニューアル進むモトコーにもぜひ足を運んでみてほしいです。

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