テュルク諸語を学んでみよう!東京外大の授業を紹介!
はじめに
こんにちは。テュルク友の会メンバーの boltwatts です。これまでは、「テュルク世界の風景」ということで、現地で見たチュヴァシ語とバシキール語について記事を書きました。
今回は、「テュルク諸語を学んでみよう!」ということで、東京外国語大学で開講されているテュルク諸語の授業をご紹介します!
東京外大で開講されている言語
東京外大では今年度、8つのテュルク諸語の授業が開講されています。
専攻語のトルコ語とウズベク語に加え、「地域言語C」のカザフ語と現代ウイグル語、「世界のことばA」のアゼルバイジャン語とキルギス語、「世界のことばB」のタタール語とトルクメン語の授業があります(リンクをクリックすると、シラバスのページに飛べます)。
これらのうち、アゼルバイジャン語、キルギス語、タタール語、トルクメン語の授業は、「テュルク友の会」のメンバーが担当しています!(私はタタール語を担当)
学期・曜日・時間が重なっていないので、時間割をうまく組めば、完全制覇も夢ではないでしょう。夏・集中のアゼルバイジャン語は、外大生以外の方も受講できます。
ちなみにこれらの8言語、なんとテュルク諸語で話者数の多い上位8言語なのです!これらの言語だけで、全テュルク諸語話者の94%をカバーしています。外大、おそるべし。
これらのほかに、トルコ語・チュルク諸語言語学の諸問題、中期チュルク語研究、といった専門的な授業もあります。テュルク諸語を極めることのできる環境が、外大にはあります。
オープンアカデミーで開講されている言語
外大生以外の方も、公開講座「オープンアカデミー」で、2022年4月現在、5つのテュルク諸語を学ぶことができます。
トルコ語、ウズベク語、トルクメン語、タタール語、キルギス語の講座が開講されており、すべて「テュルク友の会」メンバーが担当しています!(私はタタール語を担当)
トップページの語学講座一覧にはウイグル語もあるので、かつて開講されていたのかもしれません。
これらのほかに、世界各地の様々な言語を紹介する教養講座「世界言語紀行」の中に、私が担当している「チュルク諸語―トルコ語だけではありません―」という回があります。この授業では、テュルク諸語の概説を行っています。
今後は、より多くのテュルク諸語が学べるようになるかもしれません。今年度の夏期(短期集中)は、バシキール語とチュヴァシ語の講座を申請しています。
バシキール語とチュヴァシ語が開講されれば、外大ではカシュカイ語を除く話者人口100万人以上のテュルク諸語がすべて学べることになります(ヤバいですね)。バシキール語はタタール語によく似た言語ですが、チュヴァシ語はかなり変わっています。タタール語とチュヴァシ語については、以下の記事で簡単に紹介しています。
現代ウイグル語の復活、カザフ語の新規開講も実現するといいですね。もしかしたらいつか、コーカサスやシベリアのテュルク諸語も学べるようになるかもしれません。日本には、コーカサスのカラチャイ・バルカル語、シベリアのサハ語やトゥヴァ語を研究している方もいます。
また、教養講座として「テュルク友の会」のメンバーによるテュルク諸語リレー講義も構想中です。お楽しみに!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!みなさんも一緒にテュルク諸語を学んでみませんか?よく学ばれているメジャーな言語とは全く違う新しい世界が、みなさんを待っています。
(文:菱山 湧人「テュルク友の会」メンバー)