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制作日記:二つの展示を終えて


二つの展示を終えて

6月現在、二つの展示が終わり振り返りの時間。

思えば、昨年の12月末から色を使う制作を再開しました。

鉛筆画制作風景



公募展活動から十年近く絵を描く事を辞め、ペン画で再活動したのが2013年・・はるかに久しぶりな色彩表現になる。
思えば精神的な事が影響することが多い制作。
〈自分の感覚と向き合い、制作〉まさに「それだな・・」と振り返る今日です。
ペン画の制作時にも〈色〉を付けている作品は何枚か描きましたが、じつのところ〈知識〉で補強していた事が多い。
なにせ、【色でイメージが浮かばない】
例えるなら、作品の図柄が浮かんでいた時は【モノトーン】着色はされていない。
たまに色が付いたものの〈画面の一部分〉なにか強調したいのではないのかと思い、そんな時は過去に画材店の勤務で得た知識と美術館を見て回った記憶で補強していました。
自分の頭の世界での創作なのでその知識の活用は当たり前。
しかし、毎回思うのは気持ち的に「何か欠けているのでは・・」という思い。完成時は「これ以上は加筆できない」と納得してペンを置いたとしても、展示期間に入りその後も「もっと何か・・」という〈満たされない思い〉が残る。

【色彩】をうまく表現している作家さんを見ては「羨ましい」と思い。
【色彩を使わない】ことを問われたら「使えない」事を悩んだり。
何かを作るのには【悩み】がつきものですが、私の【悩み】は絵を描くこと以外にあったというのが最近改めて実感。
昨年にリリ色彩心理講座を受講して【対話】から「自分と色」について学べ分かった事。
認めたくない色
家に良く置く色、身に着ける色
場所的に好きな色
悲しくなる色
視界から消えていた色

(一色ずつの解説は、長くなるので割愛)
悲しい事や、辛い事。
思い通りにいかず悔しく思った事。
諦めて行動すること自体辞めた事。
後悔に押しつぶされる事。
生きていればいろいろある事ですが、その都度【感情】と共に【色】を置いてきたのではないのかなと・・思うのですよ。
色で描けるようになって。

しかし、思考は色を思い出してもそれを表現する道具の扱いまで思い出すはずもない。
とりあえず、画材を手になじませる事。
心理的に【色】を認識できるようになったら、今度は【色】を表す為に画材になれないといけない。年始からは〈画材の扱いをなじませる〉努力から始め〈イメージ〉に近づけようと失敗を繰り返しました。
人間は栄養を取らずに三日間寝ていると歩く事が怖くなります(経験談)
色を認識して制作する事が長くできなかったので、〈色を扱う事〉についての恐怖感と描く方法を少しでも克服したいと足掻いた五ヶ月だったように思います。
会期の前日まで不安と焦り時には、「色を扱える高揚感」でワクワクするという結構な不安定の中で制作してできた作品たち。
「ペン画と印象が様変わりしていてわからなかった」
「素敵な色ですね」
好意的な感想をいただけて、「ああ、前進できたのかもしれない」と痛感した会期となりました。
〈変化〉は怖いものですが、それを超えた後の〈自分の明日〉に期待してこれからも制作したいと思います。

ご覧いただいた皆様、有難うございました。

「緑のトルソー」制作風景


「蝶のトルソー No.0」
惜しくも選抜から外れた作品ですが、大切に保管しています。


薔薇の〈赤〉に合わせて蝶の羽の配置を考え中。
蝶の羽を描くのが好きらしいことに気が付く。

おまけの展示風景


銀座ギャラリーステージワン「幻想の扉」
会期:2024年6月3日(月)~6月8日

右上:「夢幻」右下:「若葉のトルソー」
左上:薔薇のトルソー」左下「緑のトルソー」

トルソーに込めたものは「無限の変化」
なにものでもなく、なにものにもなれる

「夢幻」は、夢や幻は自身の記憶や気持ちから浮き出す現象。
悪夢など見た時に思ったことを描きました。

gallery hydrangea「花に囁く物語エピソード4」
会期:2024年5月31日(金)~6月9日(日)

展示風景:少し温かみのある照明に〈赤〉と〈紫〉と〈茶〉が柔らかく変化して、制作時とまた違った印象を見せる。
今年、galleryhydrangeaさんは6周年との事。
額を〈銀〉にしようか〈黒〉にしようか迷う。
絵をどのように見せたいかを考えて奥行か広がりかが、判断基準。

〈赤〉は愛情に情熱
〈紫〉は精神性
〈赤紫〉は成熟と愛
じつは、数回描き直して今に至る。
その間にペン画でも描こうとしたが、やはり印象が変わってしまうと却下。

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