【読書メモ】『図書館戦争シリーズ』(著:有川浩)
最近、こちらの宣言を思い出す機会が増えているのは、こんな事案を目にすることが増えてきているからかな、と。
当初、角川出版から出される予定であったにもかかわらず、不当な脅しに屈する形で取りやめになった米国でベストセラーとなった一冊、産経新聞が出そうとしたら、角川さんと同じように放火などの脅迫を受けているようで、被害届も出されたようです。何としてでも、法の下でしっかりと裁かれてほしいところです、、京アニでの放火による大量虐殺事件との悲劇も踏まえて。
さて「本を焼く者はやがて人も焼くようになる」とは、19世紀・ドイツの詩人ハイネの言葉で、ナチス政権下で文字通り彼の書籍も「焚書」されています。そういや『キングダム』で話題の秦の始皇帝も「焚書(坑儒)」を行っていますが劇中ではどう描かれるのかな、、なんてことを考えていたら『図書館戦争』シリーズでも取り上げられていたなぁ、と思い出しました。
こちらシリーズ第1巻でのフレーズです。本シリーズはいわゆる近未来SFに分類されるのでしょうか。奇抜な設定ながらも全体を通しては本好きとしてはたまらない設定でもあるのですが、決して絵空事ではないとの事を今回のような現実世界でのキナ臭い動きをみてしまうと実感させられてもしまいます。今のところは好きな本を好きなように読める幸福がありますが、、守りたいものです。
続くシリーズ第2巻での題材は「情報活用(リテラシー)」となるのでしょうか。劇中での情報部門設立の動きを踏まえるとなかなかに重いテーマだと思います。最近の情報に対する現実世界の状況を踏まえると、シギント辺りとのバランシングは考えていかないとかな、とも。
シリーズ第3巻の主題は「言葉狩り」になるのでしょうか。私個人は基礎学問が歴史とのこともあるのか、古くからの言葉に対しての忌避感はあまりありません。時代時代で意味合いの異なってくる言葉も存在しますし、ある種文化的側面とも認識してるからで、その場その場で正しい使い方をすれば、あとは受け手の問題だろうと。
少なくとも思考停止状態での自主規制ってのはちょっと違うのではないかと思います、行き過ぎると「焚書」と同じですしね、、最初に読んだとき、現実の(オールド)メディアでも禁止用語がこんなにあるのか、と驚いた覚えもあります。
シリーズ第4弾は本編の最終巻、主題は「表現の自由」になるのかな。「情報」は受け手がリテラシーを持って処理できなくてはまずいと、そう思います。そして、現実世界でもアレな連中が折々でぶっこんで来る「人権擁護法案」などに代表される動きなど、決してフィクションにおさまらない危機感を喚起させてくれました。
少なくとも、ブラックボックスのまま進ませてはまずいと思いますし、そうならないためにもリテラシーを持って情報に当たっていくよう心がけたいところ、、情報源が誰であっても「盲信者」にはならないよう、批判とまでいかなくても、自分の言葉で再構成するようにしないと、とも。
あと、巻末の児玉清さんの対談が嬉しくもあり哀しくもありました。稲嶺さんのモデルが児玉さんってのは、凄くイメージがあってるなぁなんて思いながら。
この他、外伝が2冊ほど出ていますが、こちらはまぁ、有川さんならではの会話のテンポやベタ甘な展開が面白く、本編が面白かった方であれば楽しめると思います、、そういや、映画もよくできてたなぁ。
とりあえず、くだんのトランスジェンダー本、いつもなら(手間もあるので)アマゾンで済ませるのですが、久々に店頭で探してみようかな、、そうそう、地元の図書館にもオーダーを入れておかないと、ですかね。
なお原作者のアビゲイル・シュライアーさんも今回の動きには注目しているようで、、ジャーナリストってのは、本来こういう方々を指すのではないかと、あらためて。
また少し前に、京アニ事件を想起させる事案があったのも思い出しました。
言論封殺以外の何物でもないと思います、産経さんは取り上げていたようですが、その他のオールドメディアではロクに扱っていなかったような気もしますが、さて。
京アニ事件を想起させるような脅迫罪なんて、公安監視対象でもある日本共産党やオウム真理教(現アレフ)と同じカテゴリーに属するとみなされても仕方ない話と思いますが、オールドメディアの皆さまは危機感がないのかな、とも言いたくなります、テロリズムを肯定するのか、と。
オールドメディアが恣意的な情報を垂れ流している存在に過ぎないのは昨日今日に始まった話でもないですが、そういった意味ではSNSのことをとやかく言えるものでもないとの自己分析が出てこないのもまた、どうにも不思議でもあります。
その他最近では、大谷選手への取材の仕方などを見ていると、やってることはいわゆる迷惑系Youtberと変わらないし、、というか、迷惑系Youtberが既存オールドメディア(TV、ラジオ、新聞)の模倣犯なだけとも見てとれますかね、、まぁ、なんにせよ、リテラシーは大事だと、あらためて。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?