見出し画像

【読書メモ】『キケン』(著:有川浩)

理系志向の息子も進学先が確定、第1志望の学部は残念でしたが、その他に受かった理学特化型と複数の学問分野がクロスするカリキュラム体系の学部とで悩んで、結局は後者を選択したようです(悩める贅沢が出来たのは普通に凄いと思います)。どちらかというと、一歩引いて先に全体を俯瞰した上で、物事に取り掛かろうとする傾向が強い息子にはあっているのかな、と個人的には。

なんて思いながら、目に入ってきたのが『キケン』との一冊、有川浩さんの、とある大学の理系サークルを題材とした青春物語となります。そのサークル名は「機械制御研究部」、略して「キケン」と、いわゆるダブルミーニングになるのでしょうか。

社会人は、卒業と共に「学生」ではなくなってしまいますが、学生であった事実までもを失うわけではなく、、変わらない何かは残り続けているのかな。全てを掴んだような気持ちで、ただ全力だった学生時代、何とも懐かしい雰囲気につつまれた物語でした。

そんな、甘さも苦さも伴ったノスタルジーが、有川さんらしい軽快な筆致で描かれています。そう、女性からはどうにも理解しがたい世界を「男の子」は抱えているのです、「空を駆ける流れ星」や「風を払う稲光」のような、なんて風にも思いながら、、まぁ、爆発はロマ(略

今でも、学生時代の友人と会うとあの時代に戻れます。初めて出会ってからもう、20年、30年も過ぎた友人たちと。そして思います、そんな友人たちと、共に時間を過ごす所から学生生活を再開してみたい、とも。まぁ、戻れないからこそ、色褪せない思い出となっているのでしょうけども、、年を取るとはこういうことなんでしょうか。

何にせよ、息子には充実したキャンパスライフを送ってもらいたい、との祈りを込めて。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?