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電子の海で会いましょう

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ゲヱム
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#PS5

涙を流す機械がいたとすれば。『クライマキナ/CRYMACHINA』

涙を流す機械がいたとすれば。『クライマキナ/CRYMACHINA』

 常日頃から「開発規模や中身は他社に敵わなくとも、プロデューサーのセンスが冴え渡った結果、ここからしか繰り出せないような尖った一本が世に出回ってしまう、フリューの自社ゲームタイトルが好き」と公言しておきながら、発売当時に購入してはいたものの積んでいたタイトルが2023年発売の『クライマキナ/CRYMACHINA』で、最新作『REYNATIS/レナティス』が今年7月と迫ってきたため、GWを費やして慌

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こいつはどえらい時間泥棒『ユニコーンオーバーロード』、その理由を書き記す。

こいつはどえらい時間泥棒『ユニコーンオーバーロード』、その理由を書き記す。

 寝不足である。

 0時頃には寝よう寝ようと思いつつ、気づいたら深夜2時や3時を越してしまい、翌朝に痛い目に遭う。時折スマホで時間を確認しているのに、あと一戦、あと一クエストが止められないし、編成画面を開いてしまったがもう最後、あっという間に時間が吸い寄せられていってしまう。

 開発期間10年、ヴァニラウェア謹製の作り込まれたゲームシステムと暖かな色調のグラフィックに魅入られ、最高の軍師体験を

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『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』慌ただしく、そして名残惜しい一年を過ごす、かけがえのないゲーム体験。

『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』慌ただしく、そして名残惜しい一年を過ごす、かけがえのないゲーム体験。

 2024年にもなって「ペルソナ5は最高。全人類早く遊んだほうがいい」と声高に叫ぶのも何だか恥ずかしいし、すでに語りつくされているに違いない本作に対し何かテキストを遺す意味を考えつつ、まぁ場末のnoteくらい好きにやろうということで、こうして卒業文集を書き記していくとする。なお、筆者のペルソナ歴はPSP版のリメイクで1~2罪罰、3P、4Gときて「PS3版の5」を過去遊んだ程度であり、今回の『ロイヤ

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絶望と不自由のマリアージュ『戦場のフーガ』でおまえもその心を罪悪感で満たせ。

絶望と不自由のマリアージュ『戦場のフーガ』でおまえもその心を罪悪感で満たせ。

 2023年の上半期は、『ファイアーエムブレム』をよく遊んだと記憶している。戦争という状況に対し、若き少年少女たちが己の信ずる道や理念にその生命を捧げ、時に哀しく散っていく様はこちらの心を揺さぶり、ボタンを押すという行為が他者の生殺与奪を握っているという実感を嫌というほど味わう羽目になった。辛く険しい道のりではあったが、故に忘れがたい経験として深く胸に刻まれたのである。

 であるのなら、もっと温

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優しさと厳しさと心細さと。『NeverAwake』

優しさと厳しさと心細さと。『NeverAwake』

 ビデオゲームという大きなくくりにおいて「食わず嫌い」があるとすれば、私のそれはシューティングになると思う。

 幼少期に遊んだ『ガメラ2000』は結局ラストステージには辿り着けなかったし、大人になって触れたシューティングゲームといえば『ベヨネッタ』『ニーア・オートマタ』の途中に挟まれるシューティングパートくらいのもので、ニコニコ動画全盛期と第二次性徴期が重なりながらも『東方』を通らなかった私は、

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アクションの手触りって、大事よね。『LOST EPIC』

アクションの手触りって、大事よね。『LOST EPIC』

 アクションゲームを気に入る決め手は人の数だけ存在するとして、私にとってのそれは「手触りの良さ」である。キャラクターを動かすだけで楽しいか、操作のレスポンスにストレスがないか、こちらの攻撃や被弾に手応えを感じられるか。当たり前のように思えるかもしれないが、案外この手の感覚を蔑ろにするタイトルを見かけるし、個人の感覚ゆえに万人に共通するものではないにせよ、AAA級タイトルであろうがここを外されると個

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介護じゃなくて、冒険がしたいんだ。『聖塔神記 トリニティトリガー』

介護じゃなくて、冒険がしたいんだ。『聖塔神記 トリニティトリガー』

 監督の名前で観る映画を選ぶように、発売元で買うゲームを選ぶこともある。私にとっては昨年以降"推し”の会社がいて、その名を「フリュー」という。

 プリクラ機やキャラクタービジネスなどを幅広く手掛けるフリュー株式会社は、家庭用ゲーム事業においても意欲的なオリジナルタイトルを定期的にリリースしていることでも(一部の好事家に)有名だ。往年の名作に携わった著名なクリエイターを集め、現代風のアレンジを加え

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さようなら、タイムアタック・アレルギー。『Neon White』

さようなら、タイムアタック・アレルギー。『Neon White』

 子どもの頃、クラッシュ・バンディクーが大好きだった。タスマニアからやってきた陽気でリンゴが大好物の不思議な生き物を操り、悪い博士の野望を打ち砕かんといろんな世界を旅した。時にレーシング、時にカーニバルに興じて、初代プレイステーションで発売されていたタイトルはあらかた遊んだ覚えがある。

 と言いつつも、自分はたった一つのタイトルでさえ、100%クリアを成し遂げることはできなかった。クラッシュは元

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