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幸福をもたらすもの「努力とあきらめ」

こんにちは。
いよいよ本格的な夏休みがやってきて喜んでいる小学校教員のとらです。
幸福をもたらすものについてこれまで連続で投稿してまいりました。
最後ですね。

最後にご紹介するのは「努力とあきらめ」です。
努力はともかく、あきらめっていうのがなんだかネガティブ感もあるのですが、そうではなく、「固執しない」みたいなことです。

ではラッセルの考察について、早速みてみましょう。

幸福は、きわめてまれな場合を除いて、幸福な事情が働いただけで、熟した果実のようにぽとりと口の中に落ちてくるようなものではない。だからこそ、私は本書を「幸福の獲得」と呼んだのだ。

ラッセル 幸福論

これ、すごく大事なことです。幸せになりたい・・・。
とただ思っているだけでは幸福になれないってことですね。
幸福は、獲得に向けたたゆまぬ努力の先にあるということです。

ポジティブシンキングによってマインドセットに変革を起こす。

そんなことが、やっぱり大切なのです。

ただし、ラッセルはこう言います。

必要な態度は、人事を尽くして天命を待つ、という態度である。あきらめには、二つの種類がある。一つは絶望に根差し、もう一つは不屈の希望に根差すものである。前者は悪く、後者はよい。

ラッセル 幸福論

努力して、ポジティブに待つ。希望を捨てないでおく。
わたしが大好きな言葉にこんな言葉があります。

「やるべきことをやるだけさ」

みうらじゅんさんの「アイデンアンドティティ」という作品のセリフですね。できる努力をして、あとは、静観する。流れに身を任せるっていうこと。固執しない。

ときには、うまくいかない現実と戦い、もがく態度も必要かもしれませんが、いつでもそうだと、疲れてしまう。だから、こうした態度を重視しているのでしょう。

仕事にも、人生そのものにも、波っていうものがあります。不幸のどん底からどうしても浮上できないっていうこともある。けれど、「人生って最高!」って思える時だってあるはず。その波に乗って、幸せを獲得していくことが大切なんじゃないかなって思います。

教室で、大好きな友だちに振り向いてもらえない子にはこうした話をします。最初から「あきらめ」を教えるのではありません。もちろん、「努力」から。その「努力」は決して無駄ではないことも。


わたしは、幸福論に出会って、これを学級経営に生かしています。これまで書いてきたような「生き方」や「態度」を子どもたちに話しています。
「違うな」っていう子は、「違う」って言っていいと思うのです。
でも、一人でも多くの子に、「幸せだな」って思ってほしい。
だから、幸福を獲得するためのステップを具体的に、行動レベルで示していく。

ラッセルは「行動の哲学者」とも呼ばれます。人生をかけて幸福への道のりを実践的に示した彼の書を胸に、教育というカテゴリーの中で「幸福」を実現させていきたい。そんな思いがあります。

ラッセルの幸福論について、その概要を書くのは次回で最後にします。
最後は、幸福に不可欠なものについて書いていきます。

読んでくださりありがとうございました。

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