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「言葉を丁寧に扱う暮らし」から、愛される文章が生まれる


「言葉」にかかわることを生業にしているので、コミュニケーションの中で「言葉」を大切にしたいという想いは強いです。

そんな私が、わが家で禁じている(とまで強くはないですが、できれば避けようと試みている)こと。

それは「単語コミュニケーション」です。

たとえば、

息子「お母さん、しょうゆ」
母「はい?しょうゆが何?」
息子「……お母さん、しょうゆ取って」

といった具合(笑)


LINEやTwitterといったSNSが広まり、とくに息子たちの世代では「短文コミュニケーション」が当たり前になってきています。

それ自体に目くじらを立てるつもりはないのですが、TPOに合わせた使い分けは出来て欲しいなというのが親心。言葉が軽く、雑に扱われることが多くなっていることに、すこし危機感を持っています。

コロナウィルス感染拡大の影響もあり、今後ますますインターネットを使ってビジネスや商売を展開する時代となり、「文章による発信」の重要性が高まっているにも関わらず、実生活では何か大切なものが抜け落ちている……


そう感じずにはいられません。

しずく


その「抜け落ちている大切なもの」を丁寧にすくい取れる人だけが、ネットを通じたビジネスや自己発信で成功を収めることができるのだと思います。


「インターネットで成功するのに、もっとも大切なスキルは何か」を考えた時、真っ先に思い浮かぶのは「コミュニケーション能力」です。

「コミュニケーション能力」は、実際にやりとりする場面だけに必要なものではありません。読み手と出会うために、インターネットの世界に向けて個人発信する文章も、「コミュニケーション能力」をベースにしたライティングを行うことで反応は確実に違ってくるのです。

メラビアンの「7-38-55ルール」にもあるとおり、対面のコミュニケーションでの「相手の判断基準」は、言葉以外の要素が大きく左右します。

言葉 7%
声色・口調 38%
顔の表情 55%


というのが、心理学的な実験結果。


これが、ネット社会では「言葉」が100パーセントになるわけです。

厳密に言えば、メールやSNSなら顔文字・絵文字、ブログやサイトならデザイン的な要素も判断基準に入るのでしょうが、対面よりも「言葉」の比重がグンと跳ね上がることは確実。

より相手の気持ちを想像しながら、誤解のないように、言葉を慎重に選んで丁寧に文章を綴るように心がけていきたいもの。


けれども、現状は、レスポンスの速さや臨場感(高揚感)の伝達がネットの特性として重視されて、言葉を吟味し、丁寧に語る配慮が疎かになっている傾向があるように思えます。


それはそれとして、1つのコミュニケーションのあり方とは思いますが、web上の発信を通じて読者の信頼を得て、何回も読みに来てもらったり、お金を払っていただく行動を起こしてもらうなら、もっとじっくり腰を据えた文章を綴る必要があるでしょう。

手紙


読者が情報発信者を信頼する「根拠」は、1にも2にも「文章」「言葉」です。

「文は体を表す」の言葉もあるように、書かれた文章には、書き手の性格・考え方・知性などがまざまざと現れてしまうもの。


普段から、

「この言葉で誤解なく伝わるか?わかりにくくないか?」
「傷つけたり、不快にさせたりしないか?」
「もっと、気持ちや状況を的確に表す言葉はないか?」


と思いを巡らせながら、言葉を発する習慣をつけることを大切にしたいですね。


相手の反応を想像し、相手の心を思いやりながら「言葉」を発するという姿勢が習慣づいていなければ、いくらライティングスキルを学んだところで、上滑りな言葉をつなげるだけで終わってしまいます。


「コミュニケーション能力」には「伝える力」ばかりでなく、


相手の話を「聞く力」
相手の心を「読む力」


も含まれます。


ネットで文章を書く場合、相手の顔が見えないぶん、「伝えよう」「伝えたい」という気持ちが先走って、一方通行の文章になりがちなケースも多いもの。


そんな時も、読んでいる人の反応・心理を「想像」しながら書くことが、あなたの文章をもっと魅力的にしてくれるはずです。


文章上の「コミュニケーションスキル」をあげるためには、やはり普段の生活の中での、コミュニケーション能力を磨くことが欠かせません。


というわけで、冒頭の話に戻ります(笑)


身近な人とのコミュニケーションを、疎かにしないこと。「伝わる」と思って省略せず、きちんと丁寧に「言葉を手渡す」ことで、関係性も良好なものになるはずです。


のろけ話ではありませんが、夫を「いいな」と思うのは、

「コーヒー淹れてくれる?」
「コーヒー飲みたいな」


というように、ちゃんと所望することです。


さらに上級編では「コーヒー飲みたくない?」という言い方もあります。


相手が淹れてくれればラッキー、もし腰を上げてくれなくても、自分が動くよという「気遣い」が伝わる一言です。

こんなふうに、ちょっとした語尾の違いで伝えられる気持ちも変わります。


毎日、何気なく発している言葉にも敏感になること。メールやSNSの文面に気を配ること。


「言葉を丁寧に」を心がけて暮らすと、文章力アップにもつながっていくはずです。

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