【映画】超今更『RRR』を見て、やっぱりインド映画最強だなと思った記録
なんとAmazon prime Videoを見ていたら見つけてしまった。
『RRR』を!!
いや〜! とうとう配信開始したんだなぁ……!!
(7月からあったらしい)
インド映画なのに日本で大ヒットを飛ばしたRRRだが、自分は結局映画館に行かずじまいだった。
理由としては3時間も映画館で座ってられないからなのだが、Amazonでの配信となれば、家でコーヒー片手にスコーンを食べつつ自由な体勢で見れる。
さらにレンタルは48時間以内なら何度でも視聴可能で、値段は500円!!
レンタル最高だな!!
なお、この映画に関しては家で見ようと決めていたので、レビュー動画なども全然見ていない。
イギリス統治下のインドの話ということや、CM動画の橋のシーン、そしてナートゥというダンスシーンのことくらいしか知らない状態での視聴だ。
自分は今までにインド映画は多少見ていて、「バーフバリシリーズ」、「きっと、うまくいく」、「きっと、またあえる」などを見たのだが、基本全部大当たりだった。
しかもこのRRRの監督は、あのバーフバリシリーズの監督なのだ。
もう期待しないほうがおかしいというものである。
……では、早速見ていこう。
あ、ちなみに字幕はもちろんあるし、音声も日本語となんたら語が指定できる。(読めない)
……さて、映画が始まった。
なにやら未開感が漂う村で、たくさんの部族とイギリスの兵士が広場に集まっている。
中央にはイギリス人らしき女性と、部族の少女。
少女は歌いつつ、イギリス人女性の手に美しい絵を描いているようだ。
そこに、ハンティングを終えたらしいイギリスのお偉いさんが戻ってきた。女性はお偉いさんの妻だったらしく、さっそく少女の絵を見せる。
お偉いさんはその絵を子供が描いたことに驚き、女性は続けてこういった。
「暖炉の上に飾ってもいい?^^」
(?)
そしてお付きの者が少女の親に向かってコインを2枚投げる。
親はそれを少女の歌声への報酬だと思い地面から拾い上げるのだが、実はそれは少女の代金(身売り的な意味で)だったのだ。
そのまま車に乗せられて連れ去られる少女。
そしてそれを追いかける母親!
車に猛ダッシュで追いすがり、「娘を返して!」と母親は叫ぶ。
それに対して兵士が銃を向け、母親を撃ち殺そうとするが……そこでお偉いさんが兵士を止める。
「その銃弾の価値をわかっているのか?」
「ここまでその銃弾が運ばれてくるまでの経費は1ポンドだ」
「それを無駄に撃ち放つのか?」
「褐色人ごときに」
彼らにとって”インド人は銃弾1発より価値がない”のだ。
兵士はそれを聞き、銃ではなく木の棒で母親を殴りつけるのだった。
血だらけで地面に倒れ伏して動かない母親と、
それを車の中から目撃する少女。
イギリス軍はそれをなんとも思わず、平然と走り去っていくのだった……
(※まだ開始4分)
いやー……
滅べイギリス!!!
……なんということだろう。
開始4分で自分はもうすっかりインド人側に傾いてしまった。
凄まじい掴みの上手さである。
もうこの先どうなるのか楽しみで仕方がない。
しかし内容を全部書いていたらプロジェクトヘイルメアリーの記事レベルで大変なことになりそうなので、あとはサラッと感想を言おう。
ちなみにこのあとすぐに数千どころか数万人規模の群衆に対して単騎で挑むインド無双が始まったり、例の激アツな橋のシーンがあったりと、終始目が離せない展開で大変なことになる。
だけど個人的に一番驚いたのは、ナートゥのダンスシーンが映画上映からたった1時間後のシーンだったことである。
あれってラストシーンじゃないの!?
まさかのナートゥから更に2時間楽しめるという衝撃の事実が発覚。
それどころかRRRは歌唱シーンは数あれどダンスシーンなんて作中ではナートゥくらいのもので、基本はさらわれた少女の救出を目指す男と、インドを救うためにイギリス側に入り込むことを決めた男の激アツ物語である。
ダブル主人公の友情、薬草、葛藤、過去、肩車、そして爆発。
視聴前に自分が想像していた内容を遥かに超えるRRRの世界に、3時間ひたすらに没頭している自分がいた。
まあなんというか……
100点ですよね。
やっぱりインド映画すごいわ。
悪は悪!!そして大勝利!!!
スタッフロール? 右端にちょっとだけ置いとくからダンスを見ろ!!
……もう最高である。
こうやってスッキリ気分良く終わる映画も大事だよな……。
ちなみに自分はまず吹き替え版を見たが、主人公たちは杉田智和と日野聡だし、その他の声優陣も実に真っ当な人たちが揃っていてとても良かった。
レンタルは2日間見れるので本家の音声版も見たが、ビームの俳優の素朴な声に気づいたり、過去編の「Load! Aim! Shoot!!」のシーンなんてもう、色々込み上げてきて大変だった。
そして伏線のようなセリフや描写がめちゃくちゃあったことに気づいて、2回目もまた最高に面白い。
これはたしかに、何度も映画館に通ったという人の意見にも納得だ。
とはいえ自分は”INTERRRVAL”すら存在しない日本の映画館の3時間上映には耐えられそうにないので、家で好きなものを飲み食いしながらの視聴スタイルで楽しませていただいた。
その後、レビュー閲覧を解禁してあれこれ解説動画などを見たところ、この映画にはインド神話の要素がかなり盛り込まれているらしい。
自分もかつてヒンドゥーの聖典であるバガヴァッド・ギーターは読んだのだが、1%も覚えてないのでもちろん全然わからなかった。(無価値)
まあそういうモチーフの理解を抜きにしても3時間ずっと面白いんだから、こりゃ相当なことである。
それに加えて、この作品のダブル主人公であるビームとラーマはインド独立のために活躍した実在の人物をモチーフにしており、「史実では出会わなかった彼らが、友人となってイギリスに立ち向かったら…」という激アツ妄想が元になっているのも人気の理由らしい。
一つだけ注意点があるとすれば、めっちゃ血が出る。
まあ主人公二人はいくら血を流そうが死なないしすぐ回復するのだが、一般人は普通に銃で撃たれたりすると死んでしまうので、そういうシーンがだめな人にはきついかもしれない。
だがこれはインド独立がモチーフなのだ。多少は仕方のないことである。
RRRにはインド映画史上最高額の100億円をつぎ込んでいるらしいが、注いだ額に見合った歴史に残る映画になっていると思う。
これは今後もインド映画には注目せざるを得ない。
なんというか、登りゆく国の圧倒的な活力を感じる映画だったなと思う。
若い人だらけで人口ボーナス状態かつ、約14億3000万人という今や世界一位の人口を誇るインド。
インド国内に問題がないわけではないが、きっと現実でも凄まじいライジングを見せつけていくのだろう。
そんなわけで『RRR』、まだ体験していない人は観よう。
そして圧倒的なエネルギーをその身に受けるのだ。
また、RRRをきっかけに生まれたインドへの興味を無駄にしたくない方は、noteでインド文化研究家の天竺奇譚さんが、そりゃもう素晴らしい記事をいっぱい書いてくださっているので、それも見ることをおすすめしたい。
ああ、本当に良い映画だったな……。
(なんだかんだで4回見た)
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