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バーには黒猫がいる。 テーブルの向こう側に座る、真っ黒ツヤツヤの毛並みと金色の目、く…
なんでもいいんだけどな、と彼女はぼやく。 口には出していないけれどねこには分かってし…
バーには黒猫がいる。 テーブルの向こう側に座る、真っ黒ツヤツヤの毛並みと金色の目、くたくたのやわらかい体が自慢の、ねこが。 いつもより少し寝坊をしても許される気がする朝。いつもより少し、空気が澄んでる気がする朝だ。 彼女はふわふわもふもふのパジャマを着てのっそりとベッドから這い出てきた。眠たげな仕草でエアコンをつけて、ペタペタと素足でキッチンに向かう。起き抜けに水を一杯飲む毎朝のルーティン。 くあ、と大きく伸びをして、欠伸をして、それからまたベッドまで戻ってきて
バーには黒猫がいる。 テーブルの向こう側に座る、真っ黒ツヤツヤの毛並みと金色の目、くたくたのやわらかい体が自慢の、ねこが。 彼女は帰宅するなりキッチンに直行した。 買い物袋から何かたくさんのものを冷蔵庫にしまっている。猫はいつもの定位置で、よく見えないその様子を音だけで察していた。 ガタガタ、ごそごそ。 それが終わるとバッグを放り出し、ついでに服も放り出してバスルームへ。 ずいぶん慌ただしいことだと、黒猫は呆れてしまった。 シャワーを浴びた飼い主はほかほ