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誰かの記憶の中に残るという重み。

リメンバー・ミー

予告編でこの映画のメインテーマ曲を聴き、そのメロディの虜になった。「グレイテスト・ショーマン」の「This is Me」を押しのけて、アカデミー賞主題歌賞を獲ったんだから、相当なんだろうと。

そもそもディズニー映画を見るのが何年ぶりなんだろうか。ディズニーピクサー映画ともなると、劇場で見たのは初めてだったりします。

食わず嫌い、してしまってた。私の場合、それがメジャー映画で、みんな見てるから、私は見なくてもいいよね、と勝手に思い込んでいて。

そもそも、ミニシアターに慣れていると、シネコンのぎゅうぎゅうづめで、ポップコーンのニオイに塗れて映画を見るのに、ものすごい違和感を感じてしまうのです。

この「リメンバー・ミー」にしても、敢えての字幕版を選んで、周りに大勢の「子どもがいない」ことを前提に観に行きました。予告編のシシド・カフカの歌声も素晴らしかったですが、原語だとどんなふうに聴こえるのかなというのを感じたかった。

原語で見て、聴いて、思ったのは、スペイン語訛りの英語の語り口、スペイン語が混じっての会話が思った以上に面白くて、ヘクター役はガエル・ガルシア・ベルナルだし、映画ファンからすると、そこだけで、ああ、字幕版見てよかった♡でした。

それと多くの方がピクサーアニメに魅了される理由がわかった。映像の緻密さと色彩の美しさ。死後の世界が描かれているとはいえ、あの映像美はなかなか言い表せない。頰を赤らめ、上気させ、というのはこういうことか、と思わせられるくらいに、主人公のミゲルと一緒に「旅した」気分になりました。

で、ストーリーです。

天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルはミュージシャンを夢見ているが、過去の悲しい出来事が原因で、彼の一族には音楽禁止の掟が定められていた。ある日ミゲルは、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られていたギターを手にしたことをきっかけに、まるでテーマパークのように楽しく美しい「死者の国」へと迷いこんでしまう。ミゲルはそこで出会った陽気で孤独なガイコツのヘクターに協力してもらい、元の世界へ戻る方法を探るが……。(映画.comより転記)

物語は単純なのかもしれない。でも死者の国にいる者たちは、現世での自分たちに関する記憶がとても重要で、誰からも忘れ去られた時、彼らは死者の国からも消え失せてしまう。だから、写真でも絵でも、心の中にでも、何としてでも誰かの記憶に残っておかなければならない。そんなやりとりに、主人公のミゲルは巻き込まれるワケなんです。

現在を生きる私たちにとって、何てことない日常は、死者の国の人々からすると、あの時こうしとけばよかった、の連続なんだろうな。

ストーリー自体はファンタジーの世界そのもので、映像美としても小さな子から楽しめるこの作品だけど、私は現時点でそんなに「何かを残す」ことに執着してなくて、誰かに覚えていてほしい、なんて思ったこともないものだから、ちょっと考え込んでしまったよ。

「Remember me.」

ってかるーく口ずさめるけどさ、実はすっごく重みがあって、大切なことなんじゃないかなって。

あ、あと、エンドロール見てたら、日本人の方の名前が出ていて、調べました。

上杉忠弘さんという方。コンセプトアート担当ってあるけど、なんぞや、なんですが。こういうのを見つけるのも映画館で映画を見るちょっとした楽しみだったりします。

原題は「COCO」。見たら何でココかわかるよ。でもこの場合は、邦題(=主題歌タイトル)に軍配が上がるな〜。

2018年29本目。TOHOシネマズ西宮OSにて。

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