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小さなプライド

私も知らないうちに、お金がない人なりの立ち回り方を身につけていたらしい。
人にご馳走してもらったり、親にお金を貸してもらっても、ありがとうマジ感謝!!ってな感じで。

会社員時代、極度のストレスと過度なダイエットをしたのをきっかけに私はフルタイムでは働けない体になってしまった。精神的にも身体的にも。
休んで少し良くなってからは、アルバイトも幾つかやった。
でもやっぱり体調がどんどん悪くなって
どれも続けられなかった。

私は元々、奢られるということを特段嬉しいと思えない人間だった。
自分のお金を出して好きなものを食べる。それが1番さっぱりしていて気持ちが良かった。今思えばお金にそこまで執着心がなかったのかもしれない。

ところが今では、とあるアプリをインストールし
幾つかあるミッションをクリアすればポイントが貰えるとの情報を妹から仕入れるや否や、4,000円の為に本気でミッションをクリアしようと躍起になっている様だ。でも4,000円はデカい。

そんな私にも最近、気になっている男性ができた。
今度デート(なのか?)をすることになり嬉しい気持ち半面、お金をどうしようか。という不安な気持ち半面といった感じで最近はそのことで頭がいっぱいだった。

母親にこの話をし説得してみたところデート代として一万円貸してもらった。
ウチは母子家庭なので、母にも金銭的な余裕はない。
自分が情けない……。

いくら体調のせいとはいえ自分の無力さを、
やりたいけどできないどうしようもなく悔しい気持ちを、おそらく一生分味わったんじゃあないかって思えるようなそんな4年間だった。
まだ24年しか生きていないが
人生で最も悲惨な4年間だったのは確かだ。
おっと、話が逸れそうになった。笑

金銭面が厳しいことを彼には言っておかないと
どのみち困るだろうな、これは正直に言うしかない!とLINEを開いた。
「恥ずかしながら今仕事できてなくて、お金に余裕ないから夜ご飯じゃなくてお昼ご飯でもいい?」と送った。よくやったぞ、私。

誰だって好きな人にはいいところを見せたいものだ。が、そんなことは言ってられない。
だが結構喰らうものはあった。
私の、わずかしか残っていないプライドが邪魔をしてきたのだった。

少しドキドキしながら返信を待っていると
彼から、お金の心配はしなくていい。お金は働いてる人が出せばいいから。恥ずかしいことなんかじゃないよ。と返信が来た。
その温かさが、心に沁みて気がつけば泣いていた。笑
やっぱり知らず知らずのうちに、お金がないことで心が少しずつ折れていっていたんだなと、そこで改めて実感した。

もちろん、デート代は一万円で事を足らすつもりだ。
出して貰うつもりはないけれど、それでも
勇気をだしてプライドを捨てて放った言葉たちが
ひとつ残らず優しく包み込まれていくような感覚があって、すごくありがたかった。
と、同時に私やっぱり強がってたんだなって。
お金がないとやっぱりいろんな場面でストレスを感じるし、お金の余裕はやっぱり心の余裕にも繋がってくるんだよなー。
でも、健康はもっと大事だと思う。お金じゃ買えないからね。
それはこの4年間で痛いほど思い知らされた。
本当に。笑

とにかく!焦らず今できることをしていこう。
ゆっくり一歩ずつだな。

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