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和紙の可能性

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和紙のこと、染めや工芸など和紙加工のこと、つづっていきたいと思います。
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2022年4月の記事一覧

和紙を縫う

和紙を縫う

耐熱ガラスを何時間もかけて研いで 爪楊枝を作った作家さんがいらっしゃいます。
とてもカッコいいので 楊枝入れを 和紙で作りたいというギャラリーのオーナーさんからのご依頼で 和紙の楊枝入れに挑戦してみます。

まず 藍染した和紙にこんにゃく糊を塗り強化しました。
これだけでも 十分縫えるようになっているのですが、長持ちさせるために裏にナナコという正絹の布を貼り付けました。

ちょっと豪華にしたいとい

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和紙の可能性

和紙の可能性

岡山市内の街路樹のハナミズキ見頃です。

色の墨を使って染めをしています。
紙の種類によって 千差万別。
上の写真はパラグアイ楮が原料の日本で漉かれた紙。
かなり厚みがあり、染料をたくさん吸います。
模様は正麩糊を使ってあらかじめつけておきました。

同じ時に染めた八尾和紙。
八尾和紙の特徴は 型染めに向くように あらかじめ紙漉きをするときにサイズを効かせて水にぬれても破れにくく、染めた時滲みにく

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創るのは楽しい。

創るのは楽しい。

漆の蒔絵の時に使う 錫の粉 と 真鍮の粉を使って
洗える和紙のお皿に金銀装飾をしていきます。

ドウサ液を塗って まずは錫の粉を撒きます。

その上に 真鍮の粉を撒くと 面白い模様ができます。
自然の造形で こちらがコントロールすることはできません。
それがまたいいところですね。

これは折敷。
30X40cmの大きさで 水洗いできます。
石州和紙に墨染と柿渋で色を付け その上に金銀装飾を施して仕

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やりたいことが見つからない

やりたいことが見つからない

写真は 30X40cmの折敷(おしき)です。
東京の 和茜(わせん)さんからのご注文品です。

通勤途中にお日さまが昇るようになりました。
季節がゆるゆると過ぎていき新店舗もゆるゆると仕上がってます。
やりたいことがみつからない という人も多いと思います。
ボクも若いときはまさに そうでした。
それなりに 時が過ぎて今は 手仕事の面白さに 「はまって」ます。
モノつくりだけで 食べていくのはかなり

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本日の染め和紙

本日の染め和紙

石州の楮紙に 正麩糊で模様を付け 色墨で染めてみました。
個人的には とても好きな染め和紙に仕上がりました。

模様は刷毛で入れたのですが
糊が乾く過程で 糊の成分の濃い部分と、薄い(水気の多い)部分
思わぬ面白い効果が見れます。

これは 洗える和紙のお皿として仕上げます。
和紙は加工しやすく、染めたりも簡単にできて
自然素材なので 最後には土に還る。
使う時も軽くて落としても割れないので丈夫。

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