見出し画像

新社会人へ|違和感を置き去りにしていないですか?

こんにちは。

唐突ですが、最近世の中、生きづらいと感じることはないでしょうか?
こと日本は、大手マスメディアの論調は、気味が悪いほどに単調で退屈。
さまざまな意見があって然るべきの時代に、その劣化ぶりはひどく、その情報を浴び続ける多くの人たちも、やはりステレオタイプになっている気がしています。

今回のテーマは、
私たちを取り巻く世界への、新鮮な見方を取り戻すために、
大切だと考えていることを共有します。


■あの感覚を思い出せますか?

海外に留学をしたことはあるでしょうか。
旅行でもかまいません。海外に一定期間滞在し、その土地の人たちの生活に触れた経験はあるでしょうか。

日本での暮らしが当たり前になった私たちにとって、海外での生活に触れることは、新鮮な驚きばかりを感じますね。

朝目覚めてベッドから出るところから、もうそれは始まります。
ドアや階段、手洗い場などのしつらえの違い、朝食の量や味の違い、一歩外に出たときに視界に飛び込んでくる景色の違い...

あるいは、その土地の人たちの独特のコミュニケーションの取り方から生活習慣に至るまで、新しい社会に身を置くと、まるで自分が子供に戻ったかのような、新鮮な驚きや不安を感じます。

こうした経験をした方ならきっとおわかりかと思いますが、
社会というものは、特にそのしくみに慣れていない人たちから見ると、
「びっくり」と「なぜ」だらけです。


■人生の「移行期」に起きること

この経験は、日本であっても味わうことがあります。
特に学校から社会に出たときは、しばらくの間、こんな驚きや疑問ばかりに遭遇することになります。
もちろん新卒のときばかりではありません。会社だと部署異動や昇進のとき。生活面だと引っ越しや新婚生活が始まったタイミングなど。
身を置く環境や立場が、それまでとはまったく異なるものであればあるほど、そうした新鮮な感覚を味わうものです。

もしここで、「自分らしい働き方・生き方」を見つけようとするなら、
こうした「環境が変わってから1~2年」が大きなチャンスとなります。

なぜでしょうか。

それは、
この期間が、自分の”目”から強制的に「バイアス」が外れるときだからです

バイアスとは、ものごとに対する偏った見方、あるいは偏見とも言われます。
海外など、まるで初めての土地に身を置いたときのように、見るもの触れるものが真新しく新鮮で、同時に、「自分にはこの環境をコントロールできるのだろうか」という不安も生じてきます。

こうしたとき私たちはたいてい、その不安を少しでも早く解消するために、環境に慣れようと努力します。
ですが、そうした努力をする一方で、私たちの感覚は、敏感にあることをとらえます。


■このタイミングで芽生えるアレを逃さないように

それは、「違和感」です。

「なんで、こうなんだろ?」、「なんで、こうでなきゃいけないだろう?」、「いつから、こうなっているんだろう?」という、ちょっとした違和感を、しかも何度も覚える時期が続くのです。

例えば、新しい職場環境であれば、
「なんで、床に落ちているゴミを誰も拾わないんだろう」とか、
「なんでこの書類には、これだけの認印の数が必要なんだろう」とか、
「なんで皆、会議中は発言しないで、終わってから文句を言うのだろう」といった、
とても素朴な違和感です。

そしてじつは、この「素朴な違和感」こそ、もしかすると将来、その環境に大きなイノベーションを起こす”タネ”になるかもしれないのです。

考えてみれば、私たちが普段、何気なく使っているエアコンやスマートフォンといった製品ばかりでなく、身に着けている衣服、コンビニで気軽に買えるペットボトルの飲料、あるいはマッサージやエステにいたるまで、ありとあらゆるものが、「不便だな」、「これがあったらもっと便利だな」という「違和感」によって生まれていています。

また昨今は、パンデミックによってもたらされた「リモートワーク」が当たり前になりました。
こうした働き方の変化も、「そもそも、なんで皆が同じ時間に、満員電車に乗って、会社に行かなきゃいけないの?」というたくさんの違和感が、大きく発展して実現されたものです。


■直感とはこうして育まれる

直感を磨こう、とよく言われます。でも、そもそも直感というものをどうとらえるのか、じつは難しいと思いませんか。
さらに、それを磨くという感覚も、私にはよくわかりません。

それよりも、まさに今あなたが感じている「なんでこうなの?」という違和感を、無視しないで大切に育てていくべきです。

先に、「環境が変わってから1~2年」が大きなチャンス」と言ったのは、だいたい環境が変わって3年もすれば、消えるからです。

「慣れ」というものによって、解決されないまま、いつのまにか消えてなくなっているからです。
たいていの人が「そんなもんだから」と、よくわからない理由で、勝手に自分を説得するようになってしまうのです。

環境が変わって間もない頃に芽生える「違和感」は、そのときの自分にしか持つことのできない、貴重な革新的のタネです。
そして違和感こそ、ものごとの成り立ちの「そもそも」を問うことができる、貴重な視点なのです。

それを大切に持ち続け、自分なりの試行錯誤を続けてきた人だからこそ、自分の環境を変えることができます。

忙しいからと言って、前例ばかりをマネしないでください。

あなたがあなたでいるには、今持っているその違和感と、向き合ってみてください。

今の環境に感じている違和感を、まずは、書き出してみましょう。


◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

人に退屈だと思われないようにすることを
大切だと思っている人々に限って、
きまってわれわれを飽きさせる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?