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ウィズ・コロナ時代、ポップ・カルチャーの「批評」に携わる者は、何をすべきなのか?

ウィズ・コロナ時代の到来によって、音楽や映画、つまり、ポップ・カルチャーのシーンは、大きな打撃を受けている。

もっと言ってしまえば、これから数ヶ月、数年間、2020年代のカルチャー史が「空白」となってしまう可能性だってある。

それは、もはや言葉では表しきれないほど壮絶な文化的損失であるし、僕は、一人の音楽ファン/映画ファンとして、とても胸が痛い。


アーティストたちの創作活動/表現活動が、多大なる物理的制約によって停滞するこの時代において、それでは、ポップ・カルチャーの「批評」に携わるものは何をすべきかのか。その「批評」は、どう在るべきなのか。

その一つの答えが、この記事にあった。


ライブもない、生のインタビューも直接の撮影も不可能なコロナ禍の中で、ロッキング・オン・ジャパンを作りながら思うこと

今の編集部にとって大きな問題があるとすれば、それは2つで、一つは「音楽シーン自体の動きがほとんどストップしている」ということ。ライブもない、リリースも減り、僕ら自身もJAPAN JAMとROCK IN JAPANの2つのフェスを中止せざるを得なかった。こんな状況の中で、音楽雑誌は何をすればいいのか? という問題。
この問題に最初はスタッフ全員がぶち当たったのだが、意外にすぐに答えが見えた。すなわち、今起きていることをそのまま伝えればいいのだ。今のこの状況の中でアーティストが何を考えているのかをインタビューし、今公開される作品がどういう意味を放つのかを論考する記事を作り、未来へ向けた計画や最新ニュースを精査して届ける──これまでどおり「今」に対してリアルなJAPANであればいいだけの話だ。東日本大震災の時もJAPANはそうだった。


リリースは見送られ、ライブやイベントは次々と延期となる。それでも、それぞれのアーティストたちは、「今」だからこそできることに、真正面から向き合い、思考し、行動を起こしている。

それは、過去のライブ映像を公開することなのかもしれないし、SNSを通じてファンと交流することなのかもしれないし、リモート環境を逆手に取った新しい形の作品作りなのかもしれない。

そんな「今」の時代の空気を、しっかりと捉え、言葉にして、残すこと。それこそが、ポップ・カルチャーの「批評」に携わるものたちが、今こそ為すべきことなのだと思った。


まあこんな感じで、状況や環境は激変したとしてもその中でリアルにやっていくしかない。というか、人と人とが接することなく離れたままでどれだけ面白い音楽雑誌が作れるか、という挑戦はなかなか興味深い。そして、実際にやってみてかなり面白い。それが今月号の誌面に表れていると思う。やれるだけやってやろうと思っているので見守っててください。


この記事は、このような言葉で締めくくられている。

僕も、音楽批評/映画批評に携わる者として、ポップ・カルチャーシーンの「今」に、真正面から向き合い続けていきたい。

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