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新時代、到来。「COUNTDOWN JAPAN 22/23」を振り返る。

【12/28(水)29(木)30(金)31(土)「COUNTDOWN JAPAN 22/23」@ 幕張メッセ】

開催から約1ヶ月近くが経ってしまいましたが、年末の「COUNTDOWN JAPAN 22/23」について振り返りたいと思います。

今回の「CDJ」に4日間参加して最も強く心を動かされたのは、新世代アーティストたちの大躍進でした。

コロナ禍においてデビュー、またはブレイクスルーを果たしたアーティストたちは、長い間、フェスの場を通して音楽ファンに自らをプレゼンテーションする機会を奪われ続けてしまっていました。しかし、その間もライブ/フェスシーンは少しずつでも確実に前進を続けていて、ウィズ・コロナ時代からポスト・コロナ時代へ本格的に移行するタイミングで開催された今回の「CDJ」には、夏の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022」に続き、たくさんの新世代アーティストたちが満を持して出演しました。

最も象徴的だったのは、今やユース・カルチャー・シーン全体を牽引する存在となったEveとAdoのフェス初出演です。また、Vaundy、マカロニえんぴつ、Saucy Dog、緑黄色社会をはじめ、コロナ禍の数年の間に一気に音楽シーンの最前線へと躍り出たアーティストたちの存在感も本当に凄まじかったです。

もちろん、それだけではありません。僕は、29日と31日(前半)、COSMO STAGEに出演するアーティストのライブレポートを書く仕事を担当していて、その中で、数々のフレッシュな新世代アーティストたちのステージに立ち会うことができました。日本の音楽シーンに新時代が到来していることを、何度も何度も肌で感しました。(1月30日発売の雑誌「ROCKIN'ON JAPAN」3月号の別冊付録に「CDJ」のレポートが掲載されます。ぜひ、ご覧頂けたら嬉しいです。)



もう一つ特筆すべきは、数多くの新世代の音楽リスナーたちが、今回、初めて「CDJ」に参加したことです。公式発表によれば、28日は全体の参加者の約7割が、29日は、全体の参加者の約5割が「CDJ」初参加だったとのことです。音楽業界の中には、「コロナが長引くことで、新世代の音楽リスナーたちがフェスに参加しないまま年を重ね、そのままフェス・カルチャーが断絶してしまうのではないか。」という危惧がありました。しかし結果的に、今回の「CDJ」を通して、数え切れないほど多くの新世代の参加者たちがフェスの楽しさを体感したはずです。コロナという逆境を乗り越えて、フェス・カルチャーは力強く更新され続けていく。そう、強く確信することができました。

新しい時代の到来を強く感じさせてくれた今回の「CDJ」。もちろん、長年にわたりフェスシーンを担い、更新し続けてきた中堅/ベテランアーティストたちのライブも本当に素晴らしかったです。この記事では、僕が仕事以外の時間で観た16組のアクトのレポート(Twitterから転載)をまとめてお届けします。



12月28日(水)

●Creepy Nuts

2022年、なんならロックバンドよりも全国のロックフェスに片っ端から出演しまくってきた2人は、やはりフェスにおける勝ち方を完全に熟知&体現している。新旧の代表曲を惜しみなく繋いだ最強のセットリスト、圧勝だった。 あと、R-指定、結婚おめでとう!!!!!


●WurtS

開演前から、超超超満員。TikTokを経由して、10代後半〜20代前半のリスナーの心をガッツリ掴んでいるアーティストではあるけれど、この熱狂は間違いなく世代を超えていくはず。 ラストは、2020年代に生まれた新たなロックアンセム”分かってないよ”、最高だった。


●緑黄色社会

WurtSを最後まで観てから移動したのですが、後半の”ミチヲユケ”→”Don!!”→”Mela!”→”キャラクター”という怒涛のクライマックスに立ち会うことができた。 いまや完全に時代とシンクロを果たした4人が放つ無敵感、覚醒観、ポップスターとしての佇まい、圧巻。


●櫻坂46

ロッキング・オンのフェスは、もはや彼女たちにとって完全なホームグラウンドで、軽やかな余裕すら感じさせる堂々たるパフォーマンスだった。新キャプテンに就任した2期生・松田里奈のMCも快活! まだライブは途中ですが、にしなを観るためCOSMO STAGEへ移動します...。


●にしな

ソングライターとしての才能&シンガーとしてのポテンシャル、その両方が、多彩な楽曲たちを通して伝わってくる素晴らしいステージだった。 ステージ上のカジュアルでマイペースな佇まいもとてもキュートで、今後、新しい世代のポップアイコンになっていく予感がする。


●Vaundy

超満員のEARTH STAGE、まるでワンマンライブのような熱気、凄い。 特に、中盤の”CHAINSAW BLOOD”、”裸の勇者”の2連打には、会場が何度もどよめいた。 ラストは、コロナ禍で生まれた新たなロックアンセム”怪獣の花唄”。この曲は紅白でも歌われる予定。とても楽しみ。


●マカロニえんぴつ

今日は4日間の中でも特に客層が若い日(&全体の約7割がCDJ初参戦!)で、そうした新しい世代のリスナーからの期待と希望を一身に引き受ける4人の姿が、逞しくて、頼もしくて、痺れるくらいにかっこよかった。 ラストは大名曲”なんでもないよ、”で大団円!


●[Alexandros]

最新アルバムの曲を軸に据えた超攻撃型のセットリスト。10年間にわたりJフェスのメインステージを担っているだけあって、もはや王者の貫禄すら感じさせる堂々たるステージだった。今回初めてアレキのライブを観た新しい世代の参加者は、間違いなく圧倒されたはず。


●BiSH

解散まであと半年、最後の「CDJ」。 BiSHのパフォーマンスには、「各メンバーのソロボーカルをリレーで繋いでいく」という基本的な型があるけれど、”ZUTTO”のラストで、ついにメンバー同士の歌声が重なる展開があって、めちゃくちゃ胸が熱くなった。


12月29日(木)

●Eve

今日はレポートの仕事で1日中COSMO STAGEにいたのですが、合間を縫って、フェス初出演のEveを少しだけ観た。新曲”ファイトソング”、最高ですね。 昨日に引き続き、今日も客層が圧倒的に若くて、フェスシーン新時代の到来を感じます。


12月30日(金)

●ACIDMAN

コロナ禍を乗り越えるためのロックアンセム”夜のために”から幕を開け、”ある証明”で大団円。終始、凄まじい一体感だった。 先月の主催フェス「SAI」を通して、リスナーと揺るがぬ連帯を再確認し合えたことは、間違いなく、バンドにとって大きな糧になっているはず。


●マキシマム ザ ホルモン

1日目、2日目ほどではないとはいえ、今日も若い世代の参加者の割合がすごく高くて、高校生や大学生がホルモンのロックに熱狂する光景に、すごくグッときた。 ぜんぜんアルバム出さないし、サブスクもほとんど解禁してないけど、熱狂が世代を超えている。


●ASIAN KUNG-FU GENERATION

”リライト”、”ソラニン”、”君という花”といった歴代の代表曲から、最新曲”You To You”、”出町柳パラレルユニバース”まで。バンドの歴史を凝縮した最強のセットリストだった。 年末年始で『ぼっち・ざ・ろっく!』観ます。


●Ado

立方体のセットの中に立つAdo。見えるのは半透明の幕の向こうで歌い舞うシルエットのみ。超満員のEARTH STAGEに轟く時代の声、時代の唄。 ラストは「2023年、私たちで、この国の音楽を、この国を、盛り上げましょう」と呼びかけ”新時代”で大団円。圧巻。


12月31日(土)

●サンボマスター

後半だけしか観られなかったのですが、一生分の「愛してる」「絶対幸せにしてやるからな」「生まれてきてくれてありがとう」の言葉をくらいまくって胸がいっぱいになった。 個人的に大好きな”孤独とランデブー”が最近よくセトリに入るようになって嬉しい。


●10-FEET

時間の関係で、終盤の”第ゼロ感”までしか観られなかったのですが、この曲が披露された時のフロアの熱狂が本当に凄まじかった。(映画『SLAM DUNK』効果、絶大!) 10-FEETは寡作なバンドではあるけど、しっかり定期的にこうした新しいアンセムを生み出しちゃうから凄い。



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松本 侃士
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