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推しのおかげで外見の呪いが解けた話

顔が大きいと思い込んでいる数年前までの自分へ。

小さい頃によく、リビングに寝そべっていたり車の助手席に座っていたりすると、顔が大きいとか体が大きくて邪魔だと言われていた。
なお体長は160cm程度だ。私より背の高いクラスメイトはたくさんいた。

おかげで大人になってからも自分は顔が大きくて邪魔な存在だと思っていた。
人の車の助手席に座ったとき、左折やバックなどする際には座席に沈み込んで視界に入らないよう努めていた。

そんな私がある日、顔が小さいと思っている推しとツーショットチェキを撮る機会に恵まれた。
他のメンバーとは撮ったことがあったが、そのメンバーは後から加入したこともあり撮ったことがなかった。すでに私はあまり推しとは接触しないようにしていたが、たまたま気が向いたのだ。

ステージを降りた彼は、やはり顔が小さくてきらきらした人だった。

スタッフさんに促されるまま隣に並んでチェキを撮り、あなたが今日もとても楽しそうだったので私も幸せだった、またライブに来ます、というようなことを伝えた。

帰りの電車でチェキを見た。
自分の顔面には期待していなかったが、マスクをしていたので安心だった。

そして気付いた。

顔が小さくていいなぁ、と思っていた推しよりも、私の顔の方が小さかったのだ。
考えてみれば推しは男性である。身長的にも骨格的にも、平均的な女性である私より多少なりとも大きいに決まっている。


「彼より私の顔のほうが大きいに決まっている」という呪いが、突然瓦解した。

あ、呪いだったんだ。と理解した。


呪いだと気づいたら、助手席に座るのが少し不安ではなくなった。
少しだけ自分の存在に自身が持てた。

まだ呪われていることに気付いていない自分へ。
大丈夫、ちゃんと呪いは解けるよ。


呪いなんてない方がいい


推しに会いたくなくなったり、見つかったり


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