マガジンのカバー画像

野球記事まとめ

30
自分が書いた野球記事をまとめています。
運営しているクリエイター

2020年11月の記事一覧

【パ・リーグとセ・リーグの違いは何か、両リーグ成績を比較してみた】セ・リーグはDH制でないから打力が弱いは間違い?

福岡ソフトバンクホークスの4連勝で終わった日本シリーズ。それがきっかけとなり、いわゆる「セ・リーグ、パ・リーグの差」議論が起こっていますが、実際数字から見るとどうなのでしょう。 今回は、セ・リーグとパ・リーグの得点、本塁打、安打数、失策、盗塁数などの様々なデータを2016年度〜2020年度で比較してみました。 するとセ・リーグ自体が打力で劣っているかというとそういうわけではなさそうという結果と、それぞれある数値が大幅に上回っているなど、面白い事実が見えてきました。 【条

日本シリーズ第1戦で3打数3安打4打点の大活躍〜今季、ソフトバンク 栗原陵矢は柳田悠岐に次ぐ存在だった〜

巨人・ソフトバンクの日本シリーズ第1戦は、今季花開いた栗原 陵矢選手の一人舞台。巨人先発 菅野投手から先制2ランを含む3安打4打点で見事試合の流れを決定づけ、ソフトバンクが初戦を制しました。 そんな栗原 陵矢選手、今季の成績を見てみると、柳田悠岐選手に次ぐ存在として機能しています。詳しい成績を昨年度と比較しながら見てみましょう。 栗原 陵矢選手の打撃成績 チーム内成績付 打撃成績は柳田 悠岐選手が一位を席巻していますが、栗原 陵矢選手は、チーム2位の成績を見せています。

今季 セ・リーグでもっともホームランを打つ確率が高かったのは誰でしょうか?〜2020年度 本塁打率上位ランキング〜

今季、セ・リーグでもっともホームランを打つ確率が高かった選手は誰でしょうか?今回は「本塁打率」をテーマに、そのランキングを見ていきたいと思います。 シーズンで放った本塁打の総数が多い打者は、本塁打を放つ確率が高いというイメージが強いかと思います。もちろん感覚的には正ではありますが、その2つは厳密には分けて考える必要があります。例えば、100打席に立ち20本の本塁打を放った選手と、50打席に立ち20本の本塁打を放った選手では、放った本塁打数は同じでも、後者のほうが本塁打を期待

今季セ・リーグで「最もレアなホームラン」を放ったのは誰か?〜本塁打率のワーストランキングは一概に悪い成績とは言えないという話〜

前回の記事では本塁打率に注目し、今季、セ・リーグでもっともホームランを打つ確率が高かった選手は誰かをテーマに記事を更新しました。 今回は、逆に、ホームランが最もレアだった選手、つまりホームランを放つ確率が低かったのは誰かに着目してみたいと思います。調べてみると面白い事実が浮かび上がりました。 ※前回の記事 本塁打率のワーストランキング = 一概に悪い成績、とは言えない?今回取り上げるのは「ホームランがレアだった打者」、本塁打率の数値が高い打者のランキングです。つまり、本

セ・リーグ 安打数ランキング上位打者の各安打割合を調べてみた〜上位打者の単打、二塁打、三塁打、本塁打割合は?〜

前回の記事では、セ・リーグにおける、2020年度 単打、二塁打、三塁打、本塁打ごとの上位打者ランキングをまとめてみました。今回は、最多安打のランキングに目を向け、上位ランキングの打者たちは、単打、二塁打、三塁打、本塁打をどれぐらいの割合で記録しているかを取り上げていきます。 分析してみると、比較的親しい傾向にある打者もいる一方で、極端な例を示している打者もいました。 ▼前回の記事はこちら 第1位 146安打 中日・大島 洋平選手 まずは2020年度 セ・リーグ最多安打

パ・リーグ 今季最も単打、二塁打、三塁打、本塁打を放ったのはそれぞれ誰か?〜2020年度 各塁打ごとの上位打者ランキングをまとめてみた〜

パ・リーグにおける、単打、二塁打、三塁打、本塁打ごとの上位打者ランキングをまとめてみました。以前シーズン中にこちらの記事で取り上げたものを、シーズン終了に伴う確定データで掲載していきます。 総安打数のランキング 総安打数のランキングは以下のとおり。柳田悠岐選手が最多安打となる146安打を記録しています。なお、最高打率は吉田正尚選手の.350でした。総安打数では、柳田悠岐選手、吉田正尚選手、鈴木大地選手が僅差で競いました。鈴木大地選手は、打率は.295と3割未満ですが、パ・リ

2020年度 パ・リーグ 本塁打ランキングを144試合換算してみた

パ・リーグは11月9日、全日程が終了し各タイトルも確定しました。注目の本塁打王は、中田翔選手の初の獲得なるかどうかも注目される中、浅村栄斗選手が単独で獲得しました。 今季は120試合での実施でした。では、144試合に換算するとどのような成績になるのかを見るとともに、2019年度の比較を行っていきたいと思います。 なお、計算方法は単純に120試合で割り、144試合換算する方法で算出しています。打席数等を加味して算出しようとすると複雑になるのであくまで単純に120試合のものを

プロ初登板で先頭打者に満塁本塁打を被弾〜2020年度 珍しいプロ野球記録を振り返る〜

2020年度に記録された、様々なプロ野球記録を振り返る記事を、連続で書いていきたいと思います。今回は長いプロ野球の歴史でも初となる「プロ初登板で先頭打者に満塁本塁打を被弾」記録をとり上げ、さらにはその投手の今シーズンの成績も見ていきたいと思います。 記録したのはソフトバンク・津森宥紀投手 福岡ソフトバンクホークス ドラフト3位ルーキー 津森宥紀投手(東北福祉大出身)は、6月21日 ロッテ戦で、プロ初登板を果たしましたが、登板時先頭打者となる井上晴哉選手に、フルカウントからの

【いよいよ今週末から】2020年度 クライマックスシリーズの実施概要を改めて確認

いよいよ今週末より、福岡ソフトバンクホークスvs千葉ロッテマリーンズの【パーソル クライマックスシリーズ パ】が始まります。今回は改めて、パ・リーグのみ実施となる今年度のクライマックスシリーズのレギュレーションを確認しましょう。 従来のクライマックスシリーズ従来のクライマックスシリーズの概要図です。ファイナンスステージでは、6戦4勝制(1位には1勝のアドバンテージあり)での実施でした。 2020年度 クライマックスシリーズ今年度の概要図は下記のとおりです。従来、ファイナン

吉田正尚選手を敬遠後、後続のバッターの成績は?〜吉田正尚選手への今季17敬遠の結果を一つひとつ振り返る vol.2〜

前回の記事では、セパ両リーグで最多の見通しとなる、今シーズン計17個の敬遠を受けた吉田正尚選手への敬遠の結果を、一つひとつ振り返ってみました。今回はそれをもとに後続の選手の結果の累計など、より深く見ていきたいと思います。 前回の記事はこちら 球団別 敬遠策成功・失敗総数〜ソフトバンクが最小、楽天が最多〜 球団別でみた場合、吉田正尚選手への敬遠策の総数では、ソフトバンクが最小で、楽天が特に多い状態です。これがもし楽天と日ハムが逆なら、そのままパ・リーグの今季の順位ですね。

オリックス・吉田正尚選手を17回敬遠したら、何回失敗しているのか 〜吉田正尚選手への今季17敬遠の結果を一つひとつ振り返る〜

今シーズン計17個の敬遠を受けた吉田正尚選手。セパ両リーグで最多の見通しです。では、その敬遠という選択肢の結果、相手チームは失点を防げたのか、はたまた失敗したのか。17の敬遠を一つひとつ振り返っていきましょう。はたして累計はどうなのか、最悪の結果となったのは… セ・パ両リーグで一番敬遠されている打者・吉田正尚今シーズンの敬遠数はこちらの記事で取り上げました。セ・パ両リーグでも突出して吉田正尚選手への敬遠が多い状況でした。 なんとオリックスが受けた敬遠の85%を吉田正尚選手

【クイズ】今季プロ野球で、最も敬遠されている打者は誰でしょうか?

今季プロ野球で、セパ合わせて、最も敬遠された数の多い打者は誰でしょう。いつもはタイトルに極力結論は書いていますが、今回は珍しくクイズ形式で答えを明かさない形にしてみました。というのも、データで敬遠数を見ていて、ある選手がダントツの多さだったんですね。 せっかくのクイズなのでヒントもお出ししたいと思います。 <ヒント> 1. パ・リーグの選手です。 2. この選手に対する敬遠がチームで受けた敬遠数の85%を占めています。   つまりそれだけチームで突出した打者です。

埼玉西武ライオンズ 得失点差-59で2位という効率の良さ〜20年度・19年度 チーム成績比較〜

今回は埼玉西武ライオンズが、今季 得失点差-59という状態ながら、2位に上がってきたということにクローズアップし、昨年度とチーム成績を比較していきたいと思います。 前回の記事では、今季抜群の安定感を見せる西武の勝ちパターン 森脇、平良、増田各投手の成績をクローズアップしました。 今年度のチーム成績と2019年度の比較は以下の通りです。 2019年度は、山賊打線とも呼ばれる圧倒的な打撃を誇り2年連続優勝を果たしました。打率、OPSともにリーグ1位の成績を残しています。なお

今季抜群の安定感を見せる西武の勝ちパターン【森脇→平良→増田投手】をデータとともに分析

パ・リーグのCS争いも大詰めを迎えました。猛烈な追い上げを見せる埼玉西武ライオンズ。今季は特に中継ぎ陣の活躍が光ります。今回は西武の中継ぎ陣の活躍をデータから見てみましょう。 7回 森脇 → 8回 平良 → 9回 増田の勝利の方程式今季の中継ぎ陣の安定はなんといってもこの勝ちパターンの3人でしょう。それぞれの成績は以下のとおり。 独特な変速フォーム 森脇 亮介投手 7回を任されることが多い森脇 亮介投手は今季2年目。開幕当初から勝ちパターンを任されていたわけではなく、安定