社長が思う「会社員には絶対に話せない社畜」の話
家を出るのは朝7時。
帰ってくるのは夜10時。
明日も早い。シャワーだけ浴びてご飯も食べずに泥のように眠る。
こんな毎日のくりかえし。
まさに、社畜。
社畜という言葉は、このように定義されています。
社長である私は普段から、社内の社員研修の場などで
と説いています。ですので、社員が会社の家畜とならないよう最大の注意を払っています。自社においてもまだまだ改善の余地があり、社畜という言葉は経営者である私自身の戒めとして重く受け止めています。
一方、社長の働き方は
どうなんでしょうか?
中小企業の場合、経営者は自業自得によって自らの立場を選んでいることが多いでしょう。傍から見れば
ということです。
好きでやっているので「会社のため24時間、365日、お客様を守り、社員を守り、自分のためにも全力で働くのは当たり前」と社員から思われているでしょうし、社長自身も思っているはずです。
私自身もご多分に漏れずそのような考えを持っていました。特に創業期の10年ぐらいは・・・。ただこのような社長の働き方、一歩間違うと、社員が家畜化されてしまう以上に
「社長自身が
社畜化されてしまっている」
という現実もあるのです。自業自得であっても。
中小企業の社長は真面目な人が多いと感じます。真面目な社長なので、社員にブラックで働かせたいとは思っていない。がしかし、社長自身の働き方がブラックそのものになっていることも多々あるわけです。
全国に中小企業は300万社以上あります。その内の65%ぐらいが赤字です。
赤字ということは
間違いなく借金をしています。
実態は、会社が借金しているというより、実質、
社長個人が借金をして会社経営を維持しているのです。
なぜ、社長個人の借金と言えるか?
それは社長個人がもれなく連帯保証の印を押しているからです。その中には、自宅なども担保として提供しているケースもあります。ある種、銀行より社長が公私混同を余儀なくされていることになります。
そして、債務超過となり会社が倒産すると、最悪、中小企業経営者の末路として自己破産し家族離散の上、
自殺か夜逃げ
といったケースに発展してしまう可能性もあります(全てがそうではないでしょうが頻繁に発生しているように感じます)。
もっとも、法的に再建、清算をするとなると、相当の資金が必要であり現実的にはとてもハードルが高い。
日本では今、年間2万人超の人々が残念ながら自らの命を絶っています。その中で経営者が会社を守れなくてか、いやむしろ守るためか、そのような選択をした人は相当な数にのぼると推測します。
社長の自殺率は従業員と比べて6.9倍も高いという統計結果があるくらいです。
文字通り、社長は
命懸けで働いている。
社長には就業規則などありません。よって有給休暇取得や残業時間規制などもありません。まして仕事が嫌で自らが辞表を出すことなどできません。
だからこそ、社長自らが必死に社畜の道を選んでいるのかもしれません。私にもそのような部分を感じていました。
このような話、正直、社長同士でしか成立しないかもしれませんね。
決して、社員に話す内容ではないでしょう。社長の大変さを社員に話したところで理解されるわけがないし、たんなる愚痴にしか聞こえないと思う。
それをわかった上で、
「社長、あなたこそ社畜となるな!」
と言いたい。
私は今、若手経営者育成の勉強会を主宰しています。偉そうですが、経営者の先輩として、私がこれまでの経営経験から得た教訓などを勝手ながら説いています。そこでも言っています。
と。
なぜ、強要するようになるか?
それは「オレ(私)がこれだけ頑張っているのに社員の皆はたるんでいる。オレみたくもっと働け!」といった感情に支配されやすいからです。
もし、社長が社畜化され疲労困憊の上、万が一最悪の事態を招くと社員が路頭に迷ってしまう。
そうならないためにも、社員の模範となり率先して休日を多くとり、決して残業をせず、できる限り心身ともに余裕をもって働く姿を見せることです。
もうそろそろ、
「社長の」働き方改革
を真剣に考えていきましょう!
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