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言ってないだけで嘘はついてないある一定の期間

あほらしい、と我に返った。雰囲気でその人を好きになりかけた。自分だけが盛り上がっていた。これまでの真面目な自分が恥ずかしく、同時に目の前の人の手のひらで転がされていたことに悲しくなった。もしかしたらその人は転がしている気もなかったのかもしれない。私が勝手にその手によじ登って、居心地良くゴロゴロしていただけなのかもしれない。この悔しくて悲しくて、ついでに寂しい気持ちを誰にどんなふうに伝えたら気が済むのか。気の済ませ方を知らなくて辛かった。

とはいえ、初めて遊ばれるという経験をして、自分に新たな感情がたくさん芽生えたことは良かった…いや、良くないけど収穫だったと思う。2番目以降の女の気持ちを体感した。以前からクリープハイプの歌は物語のようで好きだったが、あれは物語ではなく完全リアルなのだと知った。あるあるなのだ。恋愛する人間がいる限り、一人のことしか愛せない人間がいる限り、複数の人に愛されたい人間がいる限り、ああ。クリープハイプは響き続ける。本当に、ああ。という気持ちだ。こんな世界があったんだ。恋愛経験が少ない私には、こんなにも通過していない感情があったのか。情けない。

男性に彼女の有無を聞くと、大概「いないよ」と返してくる。そして、絶対モテるやんという言葉に対してはまんざらでもない顔をする。おい、絶対彼女おるやん。百歩譲って彼女はいなくても彼女にできそうな女はいるんだろう。私がいいなと思える男性が放し飼いにされている確率は本当に低い。彼女おらんの?は愚問だとも思う。もう最初から、私は彼女になれる可能性はありますか?と聞きたいくらいだ。ビッチ!

サバサバと書き殴ってきたが、私も傷ついた。慰めでもいい、とも考えた。でも、やっぱりその人のことが大事ではあるから、そんな乱暴な気の済ませ方はやめた。
その人はどうやって寂しさを埋めてきたんだろう。教えて欲しい。私も今すぐその通りにしたい。寂しいから遊んでくれたんだろう。自分のことしか考えずに、埋め合わせで遊んでくれたんだろう。その人だけを愛してくれる彼女だけでは足りないくらい寂しいのだろうか。彼女とはうまくいっていないのだろうか。うまくいってたら別の女必要ないじゃん。うまくいっててよ。ちゃんと大切にして愛を受け取ってよ。ほんとに、ほんとに、ちゃんと愛されますように。
恋愛はあほらしい。


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