つなまゆ

フリーランスライター/一児の母/プログラマーの妻/東京在住/30代

つなまゆ

フリーランスライター/一児の母/プログラマーの妻/東京在住/30代

最近の記事

#9 それでも書くことをやめられない

ライターという職業に就いていると、仕事時間の7、8割は「もう書きたくない」「ライター向いてない」という気持ちで占められている気がする。 先日も仕事で上手くいかないことがあり、ひとりでへこんでいた。 ありがたいことに赤入れやアドバイスなどは編集者だったりクライアントだったりから、してもらえる環境だけど、自分の失敗や心のうちを思いきり吐露できる場所はあまりない。 へこむときも立ち直るときも、基本ひとり。 ひとりで悩んでると、あーもうこのままライターやめようかな。 とかい

    • #8 母親になっても、私は私の人生を歩く

      当たり前のことを言っているようだが、子どもがいると、どうしても生活や思考が子ども中心になってしまう。 週末に遊びに行く場所も旅行先も、息子が喜びそうなスポットをピックアップ。 自分の服を買いに来たはずがいつの間にか息子の服を買っている。 スーパーで選ぶ食材は息子に食べさせたいもの。 そしてふと気が付く。なんでこんなに息子中心になっているんだ?と。息子といる時間は、息子に注がなければと思っている自分がいる。 息子のことは大好きで、愛しているけど、私は私の人生をしっかり

      • #7 あの日から

        流産の診断を受けて1週間。 子宮が回復しているか確認するための検査をしてきた。 出血は既におさまり、順調に元に戻っていくとのこと。 まだ病理検査の結果報告が残っているけど、これで今回のことはひとまず終わったんだと、一区切りついた気がした。 気持ちがどん底へでも病院を出て、息子とも合流し、青空の下で家族と過ごしていると、自然と気持ちは立ち直っていった。 前回の日記で、流産診断直後の心境をこう書いたが、気分が立ち直ったのは当日のみで、翌日からみるみると気分が落ち込んでいった。

        • #6 2週間の間に、わたしたちの身に起きたできごと

          ※この日記には妊婦検診や出血等の表現が含まれます。不快に感じる方はお避けください。 4年ぶりに買った妊娠検査薬が陽性反応を示したのは、生理開始予定日の4日後だった。 2人目に関しては、絶対に欲しいという強い意志はなく、できたら嬉しいけど息子ひとりでもいいよねというのが夫婦の共通見解だった。 だから、その後自宅近くの産婦人科を受診して、胎嚢が子宮内に発見されたときは純粋に嬉しかった。 この時点で5週から6週。 子宮外妊娠の可能性はなくなった。 と同時に心配性なわたしは、心

        #9 それでも書くことをやめられない

          #5 光のないトンネルを歩く

          闇を抜けた先に何があるかなんて、わからない。 悲しい出来事を目の当たりにしたとき。 マイナスの空気に触れてしまったとき。 引き寄せられるように、誘われるように、 いとも簡単に闇の沼にはまっていく。 真っ暗闇。 それはまるで出口の見えないトンネル。 まったく光を感じられないまま、真っ暗闇のトンネルを歩いていかねばならない苦しみ。孤独感。 しかし遠くから声が聞こえる。 「頑張って歩けばゴールに到着するよ」 「今は辛いけど、出口はもうすぐ」 「早くこっちへおい

          #5 光のないトンネルを歩く

          #4 四季のある日本に生まれて

          散歩に行くと、肌に触れる空気の温度が心地いい季節になった。朝と夜の温度差が少なく、日差しが柔らかく、歩いていて汗もかかないし寒くもない。その度にふと思うのは「ずっとこのくらいの気温ならいいのに」ということ。 そんな風に感じたことがある人は少なくないはず。夫もよく言っている。私もそう思う。 外国に行くことはあまりないけど、新婚旅行で行ったオーストラリアのゴールドコーストや息子が海外旅行デビューを飾ったハワイなんかは、一年中今の日本のような気候だ。とにかく外出をしていて気温に

          #4 四季のある日本に生まれて

          #3 自粛という日々

          3月末に外出自粛要請、4月頭に緊急事態宣言が発令された。この1ヶ月のことはあっという間に思えて、自粛前の日々が遥か昔のようにも思える。 取材で企業を訪問する。 息子と公園で遊びまわる。 友達とランチしたり、飲みに行く。 好きな街を意味もなくブラブラする。 家族みんなでスーパーで買い物。 どれも私の人生30数年間において当たり前の日常で、できなくなる日がくるなんて思ってもいなかった。 そして私のQOL向上に欠かせなかった行為なんだと、今になって気づく。 失って気

          #3 自粛という日々

          #2 ある儀式を再開した話

          コロナウイルスによる不安が募る日々。 まさかこんなことになろうとは、数ヶ月前には誰も予期していなかったのではないか。 外出自粛要請が出たことで、気分転換もできずストレスは溜まるが、今は耐えなければならない局面。 コロナウイルスに感染したら死ぬかもしれない、家族を失ってしまうかもしれない。 東日本大震災の直後に感じていた不安に少し似ている。 あの時、私自身は怪我もなかったし、知り合いレベルも含めて身の回りに亡くなった人はいなかった。 それでも死を身近に感じた。 「人はいつ死ん

          #2 ある儀式を再開した話

          #1 息子を3年間育てたこの家とこの街をもうすぐ離れる

          結婚をした年に今の家へ越してきた。 狭い1LDK。まだ結婚して間もなかった私たち夫婦に広さはあまり重要ではなく、利便性の良さで決めた家だった。 2口コンロ、小さいシンク、日当たりの悪さ、少ない収納スペース… 小さな不満はあったけれど住居に完璧を求めるのは不可能だし、何よりバスや電車に10分、20分ほど乗れば繁華街へ行ける恩恵のほうがデメリットを上回っていたので、満足していた。 引っ越してから数ヶ月後に妊娠が判明。 「この狭い家で育てられるかな…」 そんな不安が頭を

          #1 息子を3年間育てたこの家とこの街をもうすぐ離れる