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#4 四季のある日本に生まれて

散歩に行くと、肌に触れる空気の温度が心地いい季節になった。朝と夜の温度差が少なく、日差しが柔らかく、歩いていて汗もかかないし寒くもない。その度にふと思うのは「ずっとこのくらいの気温ならいいのに」ということ。

そんな風に感じたことがある人は少なくないはず。夫もよく言っている。私もそう思う。

外国に行くことはあまりないけど、新婚旅行で行ったオーストラリアのゴールドコーストや息子が海外旅行デビューを飾ったハワイなんかは、一年中今の日本のような気候だ。とにかく外出をしていて気温に不快さを感じることは少ない。

靴下が苦手で家の中では一年中素足でいる私にとって、毎日サンダルで出かけられるのも魅力的。
薄着で済むから洗濯物はかさばらない。(あっ量は多いか)
いわゆるリゾート地に住めば熱中症になるような蒸し暑さとも、憎たらしい寒さとも別れられる。前澤さんにお金をもらったら移住をしたい。

と思っているのに、やはり季節の移り変わりは私にとって不可欠なのだ。

「風情」なんて抽象的でカッコいい言葉を使って四季の良さを語るテクニックはないけれど、季節は時に私の人生の指標となり、思い出の端っこにいてくれる。

友達とあのお店に行ったのはいつ頃だったか。壊れかけたブーツを履いていたから寒い冬の日だったな、とか。

片思いしていたあの人と友達数人で花火をした夏の日が懐かしいな、とか。

夫との初デートを前にビームスで可愛いコートを買ったな、とか。

些細な出来事や遥か昔の記憶を思い出そうとする時、季節をきっかけにすることが多い。4つに分けられたそれは、風情や情緒と共に私たちに時の流れを教えてくれる。

誰に教えられたわけでもないのに満開の桜が咲くと前年に見た桜を無意識に振り返る行為が体に染み付いた。
季節の移ろいを辿ならければ蘇ってこない記憶が、きっと私たちの中にはいくつもある。

今年の春は早すぎる夏が来たんじゃないかと思うほど、暑い日々が続いた。

本格的な夏が訪れたら息子とプールで水をかぶって遊ぶ。
季節と共に思い出を刻まなければ。

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