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#4 見てほしいのは大人も子どもも変わらない?

「社長、ちゃんと日報読んでるのかな?」

仕事終わりの時間帯、帰る前にその日の日報を各自が書いている。
その中で同僚のAさんが一言。
「社長、ちゃんと日報読んでるのかな?」

日報の内容は、①やったこと、②振り返り、③明日の予定の3点だ。

お手伝いさせていただいている会社の規模は10人程度。
ネット上で提出・確認できるシステムを使っているため、毎日仕事終わりに社長はシステムから全員の日報に目を通している。

Aさんのつぶやきをその日の終わりに社長に報告すると、
「日報は書くこと自体に意味があると思うんですよ。自分で振り返りをして予定を立てて、次の日にそれを見ながら確実に前に進む仕事をする。そうやって自分で計画を立てることが大切だと思うんです。」

しかし、そういう社長さんが、別の従業員Bさんの日報提出がたまに抜かることを気にしているのを僕は知っている。

コメントを返すという繋がり

教員時代、どこの学校でもある「生活日誌」のような次の日の予定を書き込んで、日記を書いて提出をするような取り組みを例に漏れず勤務校でも実施していた。

多いクラスで40人近い生徒の提出してくる毎日の日誌に目を通すことはそれだけで大変な作業である。そして、多感な中学生。日によっては、コメントに時間を要するような内容を書いてくる生徒もいたり、逆に学習欄だけを埋めて日誌を書かずに提出してくる生徒もいたりした。僕はそれらの生徒に内容関係なく必ずコメントをするようにしていた。

そんなある日、生徒の書いてきた日誌に
「何も(日誌)書いてなくてもちゃんと(コメント)書いてくれるから嬉しかったです。先生のクラスでよかった。」
とあった。

この生徒は、とてもおとなしい子で、学校では自分の主張をあまりせず、日誌も多くて1行程度だった。しかし、このコメント以降、日誌の内容は2行、3行と増えていき。内容も何気ないことを書くようになっていった。

見ているということは信頼感につながる

人間は社会性の中で生活をしている。
そこにはつながりがあり、そのつながりが強ければ強いほど協力して何かを成し遂げることや楽しみを共有することができる。

見てくれているという感覚は、何も生徒と先生、従業員と社長という関係でなくても嬉しいもので、僕自身も「スキ」の連絡が来ると心躍る気分になる 笑

そして、それが良い形で続けば必ずラポールという信頼関係の架け橋がつながる。そうなれば、モチベーションが上がり、成果を出し、それでやる気になり、また活動ができるというプラスのスパイラルの中で成長できるようになるだろう。

そんな環境を作れる立場にいる人たちが少しでもそれを理解して、行動することができたら、「まだまだ元気になれる人たちはたくさんいるなあ」と感じた出来事だった。

あのあと、社長さんに「ぜひ、日誌の振り返りに書かれている内容について話しかけてあげてください。あ、その時は皆さんのできるだけ集まっているところでお願いしますね。」と話をしてみた。

これから先の楽しみが一つ増えるといいなあ。

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