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photochemie
#彼女を文学少女と呼ばないで/最果タヒ「寝顔が可愛いのは少し死んでいるからよ」「だれかに愛され、そのひとを置きざりにして、死んでみたい」
『死んでしまう系のぼくらに』最果タヒ
愛が実在していること。
都合のいい世界は破綻していつだってこわれていくことを、音楽みたいにきいている
わたしをすきなひとが、
わたしに関係のないところで、わたしのことをすきなまんまで、
わたし以外のだれかにしあわせにしてもらえたらいいのに。
わたしのことをすきなまんまで
きみ以上にきみを愛する人がいるなら、きみが生きる意味なんてない
愛はいらない。さみしくないよ。
ただきみに、わたしのせいでまっくろな孤独とさみしさを与えたい
♦︎「才能がない」という圧倒的な劣弱意識と厭世観
すばらしい音楽やマンガやことばたちに、かこまれてわたしは、
愛やゆめなどといわなくても、
微笑みを忘れずにいられる。
わたしが愛すること、それは凡庸が殺されてきたその城のなか。
血がしみこんだ真っ赤なじゅうたん。
ダンスを、おしえて。
わたしには才能がないけれど、手を取って、
そしてそこでうつくしく、踊るためのこつをおしえて
ぼくの、人生に価値や意味があるのか。
きみがいれば、ぼくなどいなくても変わらない、そのことが好きです
「わたしがかみさまなら、
あなたとのこの関係性にあたらしく名前を付けて、
友でもなく、恋人でもなく、あなたの名前をつけていた。
わたしがかみさまなら、あなたのことを、
好きとも嫌いとも大事とも言わず、
ふと出会ったそのときに、いっしょに食事をとっていた」