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⑧家族の崩壊【タロジロと私。ときどきお父ちゃん】

愛息子タロジロへのラブレターです。

タロジロが大人になったとき、「お母ちゃんアホやな」って笑ってくれるとうれしいな。

子どもに会えない親や親に会えない子どもは、愛していると伝え続けてほしい。 
 
今を懸命に生きていれば、未来はもっと素敵な景色が見えるはず! 
 
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2021年1月5日、お母ちゃんとタロジロは「あけましておめでとう」とちょっと遅れて新年のご挨拶。 
 
もう人がまばらな神社に初詣へと三人足を運ぶ。 
 
 
 
ぴょんぴょん跳ねながら山腹の石段を上るタロジロについていけないお母ちゃん。 
 
早く頂上に着きたいタロジロは、お母ちゃんの冷たい手を引っ張ってエンヤコラ。

でも鳥居近くでお母ちゃんに甘えたくなったジロウは「抱っこ」アピールを始める。 
 
 
 
体重31kgジロウを12月に抱っこしすぎて、腰を痛めたお母ちゃんはアピールに躊躇。 

すると32kgタロウがお母ちゃんとジロウの間に入ってくる。
 
 
「タロウがおんぶしてあげよ。おいで」 
 
 
体重差たった1kg。
タロウこそ私に甘えたいはずだ。
 
 
 
私にとってタロジロは初日の出よりも眩しい。
 
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2014年タロウ5歳ジロウ2歳、二世帯住宅から同町内の賃貸住宅へ家族で引越しをする。 
 
同時に新居建築を計画して、2015年にまたもお引越し。 
 
タロジロとお父ちゃんはどちらの新しいおうちにも大喜び。 
 
 
 
一方、2014年ころから夫婦の不和は大きくなる。しかし、お父ちゃんは不和に気付かない。 
 
 
別居を申し出るも、新居の計画を一人必死でする私。 
 
担当建築士を本当に泣かしてしまう熱量でこなす。  
 
私とべったりのタロウは家造りに興味を持ち、夢は大工さんを飛び越えて建築士になる。
 
 
 
お父ちゃんが私の言葉を信じられないのはそらそうか。
 
自分も住む予定の家を妻が一生懸命考えている。 
 
 
 
どうやら私一人で不和だったらしい。 
  
 
 
 
可愛いタロジロの成長をよそに、夫との日常は耐え難かった。
 
ひとえに私が弱すぎたのだろう。 
 
 
 
 
刻々とムシバマレテいく私の精神状態は、そのうちタロジロに悪影響をみせ始めた。 
 

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別居をお父ちゃんに伝え続けて2年目の2015年だったかな。 
 
私はタロウの肩を力いっぱい掴んで、尻もちをつかせるように押し倒した。 
 
 
ダイニングテーブルの横に転がったタロウは、きょとんとして私を見つめる。 
 
その表情で我に返った私は、タロウを抱きしめて泣きじゃくった。 
 
 
 
抱きしめたとたんタロウも大声で泣き始める。
二人のようすに驚いたジロウも泣き始める。 
 
 
「ごめんね」と繰り返し謝る泣いたままの私。
ギュッと私を掴んで抱きついたままのタロジロ。 
 
 
 
私はタロウが何をして私を苛立たせたのか覚えていない。 
 
たいしたことではなかったからだろう。 
 
むしろ、日常の夫婦の苛立ちがタロジロへ向かっただけ。
 
 
 
 
なんて私は未熟なんだろう。
 
 
 
 
2013年頃から徐々に、私はタロウへ口うるさくなっていく。幼いタロウへの躾は厳しく、どこへ行ってもタロウは大人に褒められた。 
 
 
大人が褒める子どもは概して子どもらしくない。 
 
私は心が狂い始めていたのだろう。 
そんな矢先、私は愛おしいタロウに手を出した。 
 
 
 
平常心を保てる限界にきていたらしい。
 
 
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お父ちゃん帰宅後、私はタロウを押し倒した一部始終をお父ちゃんに話した。 
 
「夫婦のことでイライラして、子どもたちに悪影響がでて悲しい」と相談もする。 
 
目を合わせないお父ちゃんから回答をもらった私は、完全に心がつぶれた。 
 
 
  
 
人に頼る術を知らない当時の私は、育児家事仕事でいっぱいいっぱい。 
 
建設的に話を進める気力などもう残っていない。
 
以降、私は自分を守るため、お父ちゃんとの会話をやめた。
 

 
 
 
そもそも、私はお父ちゃんと生産性のあるコミュニケーションをとるのが苦手で、今も変わりない。
 
 
 
 
やっぱり私は笑えるくらい弱っちいな。 
タロジロのためになんでもっとがんばれない? 
 
 
 
 
2017年8月31日、私はお父ちゃんから逃げるようにタロジロと家を出た。 
 
そして、2017年9月12日、怖さのあまり日本を飛び出した。 
 
 
 
俗にいう「子の連れ去り」だ。
「ハーグ条約」にも違反する。 
 
 
 
家を出るときも飛行機に乗るときも、抱っこしたのは4歳ジロウだけ。 
 
7歳タロウはテクテク静かについてきた。 
でもきっと心臓はバクバクしていたはずだ。
 
 
 
このときこそ私は立ち止まって、どうしてタロウを抱っこしてやらなかったんだろう。 
 
小柄なタロウの体重は、この時期きっと25㎏もない。
 
 
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石段を登りきったお母ちゃんとタロジロはようやく拝殿前へ。 
 
タロジロに二拝二拍手一拝を解説されるお母ちゃん。神様の前で五円玉がないと小騒ぎするタロジロ。 
 
 
お母ちゃんとジロウはいつものごとく長めに神頼みする。サクッとお祈りするタロウは傍らで静かに二人を待つ。 
 
 
 
2021年はコロナ対策で鈴を鳴らせなかった。 
 
神様が気付かないのではないかとタロジロは心配顔。 
 
これだけ賑やかなら気付いてるわとお母ちゃんはケラケラ笑う。 
 
 
そんなタロジロの神様へのお願い事はいつも同じだ。

 
 
 
「お母ちゃんと一緒に暮らせますように」 
 
 
 
 
家族を崩壊させた私は、タロジロにずっと救われている。 
 
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ーーーー⑨につづくー 
⑧家族の崩壊 Facebook編(2021.1.11記)
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番外編③≪≪≫≫

▼映画「えんとつ町のプペル」で信じる勇気を!


▼親子分断のない世界へ


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Posted by つむぎ まどか on Tuesday, December 29, 2020

撮影支援:前川 智洋「Soraカラ|Photo Po」



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