番外編③祝い旅と12歳タロウの夢【タロジロと私。ときどきお父ちゃん】
愛息子タロジロへのラブレターです。
タロジロの誕生日には、いつもに増してお母ちゃんの愛を詰め込みます！
子どもに会えない親や親に会えない子どもは、愛していると伝え続けてほしい。
親が元気に生きているだけで、子の支えになると忘れないで。
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「生まれてきてくれてありがとう」
シュッとしてきたタロウの両頬を、お母ちゃんの冷たい両手で包み込み、私はタロウに感謝する。
12年前の12月27日、愛しいタロウが誕生した。
私がお母さんになり、タロウと親子を歩みだした日だ。
12歳になったばかりのタロウが、目線をチラチラこちらに飛ばしながら、うつむき加減でお母ちゃんの車へ向かってくる。
照れ隠しに必死なタロウだけど、上がりっぱなしの口角はどーにも隠せない。
ジロウに促されて私はジロウと車の中。
靴紐を結ぶのに手間取ったタロウを、車中から二人で眺めていた。
車に近づいてくるタロウの一歩一歩は、まるでこの12年の足跡のよう。
つい先日、産んだばかりの気がするのにな。
ふくらみが減ってきた頬や筋肉質になってきた体は、間違いなく成長の証だ。
やっぱり、12年の月日は流れているらしい。
お母ちゃんの太ももを抱えて、顔をうずめるジロウに動きを制限された私。
後部座席に乗り込んだタロウの両頬へ、運転席から命一杯手を伸ばす。
タロウは嫌がるそぶりをしながら「今日も冷たい！！」と、えくぼを二つへこませて、私の両手をギュッとつかむ。
我が子の誕生日を一緒に過ごせる私はなんて幸せなんだろう。
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タロジロ誕生祝いには定番が三つある。
そのうちの一つが「旅」だ。
タロウ12歳の旅先は兵庫県豊岡市の「玄武洞」。
道中、タロウのご所望により「出石」にも寄る。
タロウは3歳くらいから蕎麦が好きで、12歳の今は大好物。
蕎麦の本格デビュー先が出石だ。
ジロウがお母ちゃんのお腹で確認できたくらいに、お父ちゃんやいとこと総勢13人くらいで行ったっけ。
2020年12月はタロウもジロウも16皿をぺろりと平らげた。
お母ちゃんは8皿でギブアップ。
二人とも大きくなったな。
そして、三人してお腹ぱんぱんで玄武洞へ。
マグマでできた規則正しい岩の形や採掘跡の洞は、タロジロの冒険心をくすぐった。
タロウと二人で、地殻変動や柱状節理についてあれやこれやと語り合う。
11歳くらいからタロウは思考力にアクセルが入ったようで、私はタロウとの会話がとても心地よい。
一方、ジロウは全力雪遊び。
寒がりのタロウを尻目に、ジロウは顔を赤らめて上着を脱ぐ。
洞や説明書きを眺めるお母ちゃんとタロウに、遠慮気味に雪玉が飛んできた。
気がつくと雪玉が行き交い、タロウの手はいつものお母ちゃんのように冷たくなっている。
やっぱりタロジロ二人でいるから、人生がより豊かになるんだろうな。
不出来なお母ちゃんを笑いとばして、どうか二人で支え合って生きてほしい。
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帰り道。
ジロウはいつものごとく爆睡中。
タロウとのしっとり会話が車中でつづく。
誕生日を迎えたタロウに私は尋ねた。
「なんか夢とかあるん？」
タロウがハギレワルク答える。
「・・・今のところないかな」
ハギレワルサに引っかかった私はつづける。
「夢に大小はないで。叶えたいことは全部夢や」
タロウが軽く唾を飲み込みささやいた。
「お母ちゃんと一緒に暮らしたい」
映画館でジロウがお土産に選んだCD、ロザリーナの「えんとつ町のプペル」が車中に流れていた。
子どもが親と一緒にいたいのは当たり前。
叶えてやれない私はやっぱりちっぽけだ。
だけど、私のタロジロへの愛は揺るぎなく、そして、深く大きい。
声を震わせて一緒に歌ったプペルで、タロウはまた上を向いてくれたかな。
HAPPY BIRTHDAY☆タロウ
お母ちゃんはあなたをいつも愛しています。
もちろんジロウもね。
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私は自分とタロジロを信じます。
あなたもどうかがんばって。
ともに生きて新年を迎えましょう。
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ーーーー⑧へつづくー
番外編③祝い旅と12歳タロウの夢
Facebook編2020.12.31記
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😍8000枚ムビチケ仕分け隊に感謝😍 ☆丹波＆篠山HAPPYプペル活動報告②☆ 「＃えんとつ町のプペル」ムビチケ仕分け無事終了しました！ あとは始業式以降に各学校への配布を残すのみ！！ ーーーーーーーーーー☆ トラブル概...
Posted by つむぎ まどか on Tuesday, December 29, 2020
撮影支援：前川 智洋「Soraカラ｜Photo Po」
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