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掌ー編ハウアー

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主に過去に書いたものを。掌編、短編、ショートショートの違いがいまいちよくわかりません。
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2022年4月の記事一覧

呼び出し【小説】536字

今日はやってみたかったあの世からの呼び出しをしようとおもいまーす。 はじめては身内を呼び…

爪毛川太
2年前
8

ある議論【小説?】2,987字

「人間でしょ」 「命になんて価値はない」 「どんな命も平等だと思う」 「そうだよ、動物も…

爪毛川太
2年前
14

すーぱーふぁいやじん【小説】460字

壁:へこみ二か所 タンス:へこみ一か所、穴 (小)二か所、穴 (大)一か所 扉:へこみ三か所…

爪毛川太
2年前
10

ナスの棒寿司【掌編】1,168字

「大将、適当に握ってよ」 そう言いながら、私は行きつけの寿司屋の暖簾をくぐった。 本格寿…

爪毛川太
2年前
12

デフォルメされたゾウ【小説】1,233字

小学校からの同級生だったんです。正直、最初は彼女のことが嫌いでしたね。 小三の時に粘土の…

爪毛川太
2年前
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狂気の抑え方【小説】614字

俺は人とは見ている世界が違うんじゃないかと、ある時気づいた。 みんながいいという物、楽し…

爪毛川太
2年前
15

夢の印税一億円【小説or詩】1,000字

「ベストセラー作家 印税」……。 なになに、千円の本が一冊売れたら百円の印税。十パーセントか。 ということは、一億の印税を得るには……十億円の売り上げが必要。つまり、千円の本だったら百万部売り上げる必要がある。 いや、一億印税が入っても半分は税金で取られるから、一億欲しけりゃ二百万部売り上げる必要がある。 一冊十万文字を一冊千円で売るとすると、一文字当たり0.001円で売ることになる。千文字書いてようやく一円。 ネットで募集している素人可の記事作成は一文字当たり0.

とりあえずアイスコーヒー【小説】1,072字

 私はアイスコーヒーにしますけど何にしますか? 水でいいんですか? わかりました。  母…

爪毛川太
2年前
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そろそろかね?【小説】485字

「よみ子さん、昼飯はそろそろかね?」 「あら、おじいさん。お昼はもう食べたじゃないですか…

爪毛川太
2年前
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亡霊たちの未練は?【小説】1,095字

向こうで壁に向かってブツブツ言っているのは? 欲しい物が割引になるまで待っていたら買う前…

爪毛川太
2年前
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サルの手相【小説】1,241字

 昨夜未明、都内のバーで客の女性が、同じく客の男に頭を殴られ殺害されるという事件がありま…

爪毛川太
2年前
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熱い人間になる方法【小説】488字

 焼き石に触れば火傷するほど熱いです。直接手で触れなくても焼き石に近づいただけで熱いと感…

爪毛川太
2年前
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異世界転生する方法【小説】1,013字

異世界転生が流行ってるっていうからよ、てっきり本当に転生する術が見つかったのかと思ったじ…

爪毛川太
2年前
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春桜、夏百日紅【掌編】936字

 男が一人。借金で首が回らない。道端に小銭でも落ちてないかとあっちこっちキョロキョロしていましたから、ある意味では誰よりも首を回している男ではありました。  自販機の下なんかでたまに十円、百円を見つけて喜ぶことはありました。しかし、こんな小銭では借金は返せない。それは男も重々わかっていたのであります。  男は五年前に田舎の家を飛び出したっきり家族とは絶縁状態にありました。工場で働いていましたが、同僚にまで借金を作り先月クビになってしまいました。それというのも男はギャンブル