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すーぱーふぁいやじん【小説】460字

壁:へこみ二か所
タンス:へこみ一か所、穴 (小)二か所、穴 (大)一か所
扉:へこみ三か所、穴 (小)二か所、穴 (大)二か所
右こぶし:擦り傷
左こぶし:擦り傷
右つま先:突き指

別にわざと殴ったり蹴ったりしたわけじゃない。
俺がキレて熱くなったときに壁やタンスがそこにあったのが悪い。
部屋が狭いのが悪い。
今は何も考えられない。
こぶしや足は不思議と痛くない。
興奮して頭に血がのぼってるから痛みを感じない。
またいつものように頭が冷静になったら反比例して痛みを感じるようになる。
今は何も関g萎えられない。
今は何も関g萎えららに。
冷静にならなきゃいけないってわかってる。
鎮めようとすればするほどまた熱くなってくる。
今度ばかりはもう我慢の限界。
もうがんばんできない。
あたまおうかしくなりおそう。
大丈夫、大乗。
大丈夫。だじょうう。
大丈夫。大乗b。
冷静になれ。
冷静になれ。
壁、タンス、扉、それ。
もう元凶は取り除いた。もうなくなった。
床に転がるそれを見ていると段々と頭がすっきりしてきた。
こぶしやつま先がいてえ。
最後に何ともない左足でそれを蹴飛ばした。


2021年8月


見出し画像にイラストをお借りしました。このような話に使用してしまい恐縮です。


爪に火を灯すような生活をしております。いよいよ毛に火を灯さなくてはいけないかもしれません。いえ、先祖代々フサの家系ではあるのですが……。え? 私めにサポートいただけるんで? 「瓜に爪あり爪に爪なし」とはこのことですね!