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【分かりやすい資料の作り方】09_[文章]接続詞・句読点・改行の効果的な使い方

『分かりやすい資料の作り方 ~構造化のススメ~(基本編)』全19話の記事で構成しています。
最初の記事に全体概要とこれまでに掲載した記事のインデックスを記載していますので、ご興味を持って頂けましたら、こちらからご覧ください。

今回は「接続詞」「句読点」「改行」に関するお話です。

少し地味というか細かいお話ですが、長い文章を分かりやすく書く際に役立つ点ですので、是非覚えておいてください。

1.接続詞の効果的な使い方

まずは接続詞の使い方についてです。

接続詞とは文や節などの文章の構成要素同士の関係をつなぐ品詞です。
接続詞には沢山の種類があります。
逆説の意味を表す「しかし、ところが、それでも・・・」
並列を表す「および、かつ、ならびに・・・」
対比を表す「一方、対して、逆に・・・」
といった具合に無数の種類が存在します。

この記事では、特に長い文章を分かりやすくするために重要となる「列挙」を表す接続詞についてピックアップします。

列挙とは、長い文章を"順序に基づいて"示していくことです。

分かりやすい文章を書くためには、ついつい言いたくなる沢山の事柄を、構造化して示していくことが必要です。その文章の構造化に一役買うのが「列挙」の接続詞です。

列挙の接続詞は「次に、加えて、最後に・・・」といったものです。普段何気なく使っている方も多いと思うのですが、これには使う順番の型があります。

長い文章を書く際には、列挙の接続詞を以下の順番で使用してください。

 (1)まず/はじめに
  ↓
 (2)次に/次いで
  ↓
 (3)更に

  
 (4)加えて
  ↓
 (5)最後に

一つの章立ての中で文章を列挙していく際は、概ね5つ程度に収めた方が無難です。それ以上に文章を列挙すると複雑になりがちで、読み手に理解されにくくなるためです。

接続詞

報告書、レポート、記事等で長い文章を書く際にはこれを意識してください。

2.句読点の効果的な使い方

次は句読点を使う場所についてです。

句点(文章に終わりに打つ"。")については特に意識する必要がなく使えると思うのですが、読点(文章の途中に打つ"、")については意外と迷われることが多いのではないでしょうか

読点は文の意味の切れ目を示したり、文を読みやすくしたりするために文中に施す記号です。
例えば主語の後には必ず読点を打つ、といったような厳格なルールは存在しません

そのため、まずは読み手の立場に立ったときに読みやすいリズム、音読をするときに息継ぎをしやすいタイミングで読点を打つようにしてください。

しかし、これだけでは多くの人が読点を打つ箇所を迷われる場合があると思います。そこで、読点を打つことが望ましい3つのケースを紹介します。

(1)長い修飾語の後

丁寧な文章と分かりやすい挿絵を使ったレポートを作れるので、Aさんは周囲から絶大な信頼を得ている。

 これは「丁寧な文章~作れるので」の部分が、後半の「~信頼を得ている」の理由として修飾している形です。
 読点を打って明確に分けると文意が読み取りやすくなります。

(2)述語まで距離のある主語の後

Cさんは、Bさんにいつも分かりやすいレポートを提出しているAさんの評価を上げるよう、上司に進言した。

 文章全体としては「Cさんは」が主語、「進言した」が述語です。
 そもそも主語と述語が離れすぎないように文章を工夫した方が良い場合がありますが、このようなケースは主語の後に読点を打った方が読みやすくなります。

(3)繋げると誤読の恐れがある箇所

Dさんは厳しい表情で、大勢の前でプレゼンテーションするAさんを見つめていた。

 これは読点を打たずに繋げてしまうと、「厳しい表情で」いたのがDさんなのかAさんなのか、非常に分かりにくく(どちらとも受け取れる)なってしまいます。

3.改行の仕方

資料上の文章に改行を加える際も、出来るだけ気を付けて頂きたい点があります。
それは「語句の途中で改行しない」という点です。

特別な考慮をせずにWordやpptなどで文章を書いていると、文字数に応じて自動で改行がされると思います。
もしくは、表の中に文章を書きこむ場合などはスペースに限りがあるため、1文を改行しないと入らないケースが多いでしょう。

こういった場合に、1つの意味を持つ単語の途中で改行をすることは避けてください

もう1点、改行に関して気を付けて頂きたい点は「改行の手前に読点は要らない」という点です。

読点を打つ目的は"文章を読みやすくするために区切りを設ける"ことですので、改行により区切りが出来ている場合は読点を打つ必要はありません。

改行

ちょっとしたことですが、読み手に与える印象は大きく変わりますので、是非意識してみてください。

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