「リモートワークしない」という経営判断をするのなら、せめてこれくらいは
おひさしぶりです。Hamaru StrategyのChief OTAKU Officerつっきーです。
さて、2020年もそろそろ終わろうとしていますね!(誰か嘘だと言ってくれ…)
実はしばらく思うところがあり、あまりnoteを書いていなかったのですが
抱えたまま年を越すのは微妙だなぁという話題がいくつかありまして。
それらを今年中に書き留めておこうかと、ひさびさにnoteを開いてみました。
その中で今回書き留めるのは、半年以上ずっと私が思ったまま、あまり外に出していなかった話題です。
今更感は否めませんが、ほとぼりが冷めたので投稿します。
考えたきっかけ
今年は、口を開けば「コロナ」「マスク」「リモートワーク」というような年でしたね。
私個人は、精神衛生のためにできるだけコロナの話題を避けて過ごしてきました。
はらわたが煮えくり返るようなトピックスに事欠きませんから。
でもそれが自分の身近に起きてしまうと、なかなか無視して過ごせるものではありません。
その一つが「ベンチャー企業なのに、不透明な理由でリモートワークを取りやめるところが意外と多い」ということでした。
一般的にベンチャー企業と言えば
・ITに強い
・PC一つで完結できる仕事が多い
・大手企業に比べて実力主義の評価基準が根付いている
といったイメージがあるかと思います。
ですから、大手企業に比べてよっぽどリモートワークへの移行はスムーズにいけそうなものです。
実際に、実績を上げている多くのベンチャー企業は早々にリモートワークに移行し、メンバーが家で働くための支援体制をスピーディーに築いていました。
しかしその陰に隠れて、(緊急事態宣言期間以外では)出社を原則としているベンチャー企業も少なからずあるのです。
もちろん、合理的な理由をトップが説明し、感染対策を万全にし、メンバーが納得の上で出社している会社さんも知っています。
しかし私がベンチャー企業勤務の友人たち(複数社、複数名)から耳にしたのは、それとはまったく次元の違う話でした。
具体的には
・社長が「コロナは大したことない」と内外に公言している
・陽性者が出ても出勤継続
・「サボる心配があるから、緊急事態宣言以外でリモートにしたくない」とマネジメント層が公言している
・陽性者が出たことをすぐに社内周知しない
といった、なかなかパンチの効いたものだったのです。
何が問題なのか?
ここではコロナ自体の危険性は、いったん置いておきます。
それを置いておいた上で、私が問題だと思っているのは
「合理性を欠き、組織マネジメントという観点で愚かな決断をしている」
という点なのです。
実際に上記の会社の中には、「優秀な新卒が出て行ってしまった」「これをきっかけに退職の決断をする人が複数出た」というところもありました。
さすがに生き馬の目を抜くベンチャー企業のトップであれば、そういったリスクを承知の上で判断を下したのだと思いたいですが…
ここで改めて、「コロナ禍でもリモートワークにしない!」というならば最低限やっておくべきでは?ということを、私なりにまとめてみました。
いずれも当たり前以前のことだと思いますが、もしよければご一読いただけると幸いです。
前提:「コロナは怖くない!」は"個人の感想"だと自覚する
私が言いたいことはほぼコレに集約されます。
出社を強制しているベンチャーの経営者に共通するのが
「コロナは毎年のインフルと危険性が変わらないし、騒ぐべきではない」
「若年層は重症化しにくい。うちは若いメンバーしかいないから大丈夫」
といった意識を持っている、という点です。
確かに、様々なデータからそういった分析が出ているのも事実です。
そして、それをもとに経営判断を下そうという姿勢は間違っていないと思います。
ただ、「だからコロナは怖くない」というのは、その人個人の感想でしかありません。
若年層と言っても、持病がある人は一定数います。
高齢の家族と暮らしている人もいます。
家に小さな子供がいれば、感染症への警戒心をほどくのは難しいでしょう。
そういった事情を持つ人は、どれだけファクトを揃えたとしても「怖い」と思ってしまう。
そんな人に対して、経営者が自ら「コロナは怖くないので出社してください」と言えば、不信感が募るのは当たり前です。
特別な事情があるメンバーに配慮する
だからこそ、出社という決断をするならば、まずは特別な事情のあるメンバーへの配慮をすべきだと考えます。
会社は、各々の既往歴や家族の状況までをすべて把握しているわけではないですよね。
だから、「出社できない・するのが憚られる理由」がある人には、それを(プライバシーに配慮しながら)ヒアリングし、対応を考えていく。
それが、最初にやるべきことだと思います。
感染対策を万全にする
これは言うまでもないので割愛します。
感染者が出た場合の対策マニュアルを作っておく
これ、意外とやっていない会社さんも多いのではないでしょうか。
(実際某社では、2回も陽性者が出たのに、対応がアップデートされていなかった…という話も聞きました。)
感染者が出てしまった場合、さらなる感染拡大を防ぐのはまさに時間との闘いです。
いざとなったとき、判断に時間を取られたり、バタバタしたりするのは防いでおきたいもの。
学校では、災害警報が出た場合の対応が細かく定められていますよね。
そういうレベルで、部署や症状のレベルに合わせたマニュアルを作っていくのが最適だと思います。
取引先や個人顧客とのやりとりが多い企業さんは、取引先への対応や、ニュースリリースなども用意しておかなければいけませんね。
リモートワークの体制を整えておく
この先コロナがどうなるかは、誰にも予測ができません。
いつまた緊急事態宣言のようなことになるとも限りませんし、
考えたくはありませんが、出社する限り、自社で感染が拡大してしまう可能性もゼロではありません。
出社の判断をしたとしても、次のピンチに備えてリモートワークの体制を整えておくのは、リスクマネジメントの観点から、もはや常識なのではないでしょうか。
出社に納得できる理由をトップの口から説明する
最後の仕上げとして、トップからのメッセージも大切です。
内容としては、少なくとも
・上記の感染対策の周知
・出社を決断した論理的な理由
・コロナを怖いと感じる人への気遣いと対応
といったことを含めて話すのが良いかと思います。
さいごに
正直、友人たちから様々な信じられない話を聞くたび、はらわたが煮えくり返る思いでした。
メンバーとその家族の気持ちだけでなく、命すら軽視するようなベンチャー企業が未だにあることへの怒り。
そんな会社でも一所懸命働こうとしている友人たちへの心配。
よその会社のこととは言え、様々な思いが自分の中で渦巻きました。
基本的に、これらの対策も取らないままに出社させるようなベンチャーは、コロナ禍のこの時期だけでなく、この先もロクな経営判断をできないと思います。
(口が悪くてすみません)
いち早くそのことに気づいて、きちんとした対応を取る企業が増えることを願っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?