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いえに戻って、最期まで。―おわりに
「在宅ケア」にかかわる本を書き始めてから、本書が10冊目になる。今回は本人を送り出す病院の「患者支援センター」の責任者から、在宅で訪問を行う医療・介護の専門職まで、医療と介護の現場で「いえに戻って、最期まで」を応援する13人のプロに登場いただいた。
「入院はその人のQOL(生活の質)を段階的に下げていく」と、訪問診療医の佐々木淳さんが本書でも語っているが、大腿骨骨折、脳梗塞、心筋梗塞、誤嚥性肺炎
いえに戻って、最期まで。―はじめに
2017年に母、2020年に父、そして、今年2024年の5月には20年間「主介護者」を続けてきた認知症の友人を見送った。
母92歳、父96歳、友人89歳。看取りの場所は三者三様だった。母は自宅、父は医療療養施設、友人は特別養護老人ホーム。母と友人については「できるだけやった」という納得感がある。しかし、自宅で転倒し、念のためにと検査入院したのがきっかけで、いえに戻ることができなくなってしまっ
いえに戻って、最期まで。―目次
はじめに
第1章 ひとり暮らしの父が倒れた!
鍵屋まで呼んでの大騒動
はじめは検査のための入院だった……
検査で発覚した膀胱がん肥大と「硬膜下水腫」
2週間程度で退院のはずが……
「寝かされきり」から「寝たきり」になった父
要介護1から要介護5に
施設を選択肢に入れてみたものの
「地域包括ケア病棟」への転院
患者家族になった医師の体験
医療には「待つケア」がない
施設への入居を阻む夜の「痰吸引」
互恵で栄える生物界―訳者あとがき
本書は、クリスティン・オールソンによる『Sweet in Tooth and Claw - Stories of Generosity and Cooperation in the Natural World』を邦訳したもので、邦題『互恵で栄える生物界―利己主義と競争の進化論を超えて』が伝える通り、私たち人間もその一員であるこの地球上の生物は、互いに助け合いながら栄えてきたことを教えてくれる1冊だ
もっとみる互恵で栄える生物界―はじめに
もう何年も前になるが、私はオハイオ州クリーブランドのマレーヒルに近い画廊で、数人の男性と多くの女性が集まったグループに加わったことがある。その日の夕方、ジャーナリング(訳注/頭に浮かんだ考えや思いを言葉にして書き出すこと)をしてそれぞれが感想を述べながら、楽しくおしゃべりをする会が予定されていたからだ。
私はもともと引っ込み思案だし、当時は今よりもっとその傾向が強く、どうして出席することになった
互恵で栄える生物界―目次
はじめに─私たちはダーウィンの洞察を誤ったやり方で世界にあてはめていないだろうか
楽観的でいる以外に選択肢はない
植物と土壌微生物の互いに生命を与え合うパートナーシップ
科学は人間が自然からの収穫の限度を理解する道具
第1章 地面の下にある「ギブ・アンド・テイク」のタペストリー
森林生態学者スザンヌ・シマードと「マザーツリー・プロジェクト」
皆伐して一種類のみの苗木で森を作ることへの違和感
菌根
土と脂―訳者あとがき
本書は、デイビッド・モントゴメリーによる土と農業と人間の関係を探求する著作の第4作であり、アン・ビクレーとの共著としては『土と内臓』に次ぐ2作目となるものだ。
最初の『土の文明史』は、土壌の肥沃さと文明の盛衰興亡との関係を明らかにし、土壌を荒廃させた文明が滅亡することを示した。初の共著である2作目『土と内臓』では、植物の根と人間の腸の類似性に注目し、どちらにおいても微生物が栄養の取り込みと免
土と脂―序章──「土壌の健康が食物の質に影響する」は本当か?
ほとんどの人は友人や家族と食卓についたとき、土のことなど考えない。だが考えるべきなのだ。みんな、新鮮なモモが山盛りのしょっぱいポテトチップスより健康的であることを知っているが、健康に対するもう一つの側面は見失われがちだ。つまり、そのモモに何が含まれていて、どのようにしてそこまでやってきたのか──食べものをどう育てているのかだ。
何を食べるべきだとか何を食べてはいけないとかいう扇情的な見出しが
書籍編集経験者を対象に正社員を募集します(2024年8月)
1. 仕事内容
募集職種 書籍編集
職種内容 書籍編集業務を一貫して手掛けていただきます。業務の流れは、下記のとおりです。
企画を立案し、編集会議に提出します。
著訳者への執筆依頼。
原稿入手。原稿整理。レイアウト。
校正(外部校正あり)。
原価管理。ページ数、資材のコスト管理をしていただきます。
書名立案。装丁デザイン原案の立案(装丁自体はデザイナーに依頼)。
刊行後のSNSでの情報拡散、著者イ
姫田忠義「越後奥三面 山に生かされた日々」雑感
日本列島でさまざまな生業について暮らす人びとの記録を多くの映像作品として残してきた姫田忠義+民族文化映像研究所の企画作品だ。
20世紀末に、ダムの湖底に消えることになる朝日連峰に抱かれた山の集落である奥三面(おくみおもて)の村人たちの生活を、村に住み込んで映像民俗学の映像作家、姫田忠義が映像に収めている。村の生活の豊かさと村人たちの生活技術の高さに圧倒された2時間半だった。
冬は4メートルの
一寸の虫にも魅惑のトリビアー編集部より
サクッと読める名前の由来から、地球温暖化、外来種の分布拡大、シカの食害など考えさせられるトピックまで、
思わず人に話したくなる虫知識が満載。
体のつくり・翅の色・行動など目に見えるものも、染色体や生殖器の構造など目に見えないものも、
それは虫たちの小さな体にきらめく進化の結晶。
時に払い除けられてしまう虫たちも、限られた命と環境の中で必死に生きています。
アリジゴクの勢力争い、ザトウムシの地理