つっきー (箱山康子)| 校正者

校正者 / Web編集者 松本城とホタルイカ、国語辞典が好き。 Works▶https…

つっきー (箱山康子)| 校正者

校正者 / Web編集者 松本城とホタルイカ、国語辞典が好き。 Works▶https://www.kotobatsumugi-labo.com/works/

マガジン

記事一覧

「議論」に重要なのは「前提」だという話

時折、SNS上で熱いやり取りをしている人たちを見かけます。とある投稿に対して、持論を熱く語る人もいますね。 私自身「反論したい」「何か言ってやりたい」と感じたこと…

校正・校閲に関する情報をまとめて配信するメルマガ「校正だより」について考えたこと

校正だよりがいよいよスタート。無事に第1号が配信できました。校正だよりが皆さんのお役に立てたらいいなと思います。 このnoteでは、メルマガ配信をしていくにあたって…

校正・校閲に関する情報を配信するメルマガを始めます!

「あのセミナーの情報どこにあったっけ?」 「あとで読もうと思ってたけど、あの記事はどこで見たんだっけ?」 校正や校閲に関する情報は、X(旧Twitter)やGoogleアラー…

2024年は「広げる」

2024年になりました。家族旅行からスタートした今年、徐々に仕事モードになりつつあります。 本格始動の前に、2023年を振り返りつつ2024年について考えていることを書いて…

初めて神保町に行った話

東京滞在中、予定の合間に寄る場所を探していたとき、ふと思い出しました。「古書の街」「本の街」といわれる神保町のことを。 少し検索してみると、なるほど本屋がたくさ…

Web記事校正が学べて仕事につなげられる環境づくりに取り組んで思うこと

「育成コンテンツを作りたい」 そう思ってから、約1年半。10/27にWeb記事に特化したオンライン校正講座「Web校正塾」をリリースしました。 最初に引いたスケジュールから…

ゴールキーパーと校正者が似ているって本当?実際対談して聞いてみた

校正を仕事にしている人や校正に興味がある人なら、「ゴールキーパーと校正者は似ている」という話を聞いたことがあるかもしれません。 さまざまな記事や本でもそのように…

「敷居が高い」という意味が変化している言葉から考えてみた

「敷居が高い」 意味が変化している言葉として、あまりにも有名である。年代によって意味の捉え方が異なるのも興味深い。 これは、平成20年度の調査結果なので、参考程度…

校正ラボのロゴ作成ウラ話

お蔵入りにしたロゴがある。 開業届を出したタイミングで、名刺に屋号のロゴを入れようと思い立ち、依頼した。しかし、出された案の中に気に入るものはなかった。とはいえ…

海から届けられるもの〜aruの選書

自分が本屋に行って数ある本の中から、この本に出会う可能性があるかというと、限りなく0に近かったと思う。 岡山県にある海が見える小さな本屋「aru」をX(旧Twitter)で…

校正部をクローズする理由とこれからの話

本日8月31日(木)、約2年続けてきたWeb校正者育成コミュニティ「校正部」をクローズします。 その理由と、これからの話を書きますね。 校正部をクローズする理由校正部…

【より伝わりやすくするために】子どもに対する声かけとWebライティングの共通点

「廊下は走らない!」 「部屋を片付けて!」 子どもがいたり、子どもと関わる機会があったりする人は、一度は言ったことがある言葉ではないでしょうか。 しかし、このよ…

「校正」という仕事を「校正」という仕事を選んだ人の観点で書いてみた

校正という仕事を選ぶ人は、物静かなように見えて、内に情熱を秘めている人が多いような気がする。 校正者や校正を仕事にしたい人と話していて、ふっとそれが見えるととて…

Web校正者に初めて発注する方が気になるポイントを校正者の私が回答してみた

お仕事の打診をいただくなかで「校正者に依頼するのが初めて」という方が時折います。 そんなときによく聞かれる内容についてまとめてみようと思います。「校正を外注して…

校正者が心に刻んでおきたい言葉たち~講談社の校閲部に伝わる「校閲十訓」

以前見かけた言葉をふと思い出したので、「残しておきたい」という気持ちもこめて紹介します。 Twitterで紹介されていた、講談社の校閲部に古くから伝わる「校閲十訓」で…

【弁護士監修】フリーランス校正者専用の業務委託契約書ひな形(テンプレ)をつくりました

「納品後、クライアントと連絡が取れなくなった」 「報酬は変わらないのに、当初はなかった仕事を追加された」 そのような話を聞いたことはないでしょうか。 校正者なら…

「議論」に重要なのは「前提」だという話

時折、SNS上で熱いやり取りをしている人たちを見かけます。とある投稿に対して、持論を熱く語る人もいますね。 私自身「反論したい」「何か言ってやりたい」と感じたことが少なからずあるので、気持ちはわかります。 熱いやり取りをしている人たちは「議論」しているつもりかもしれませんが、多くの場合そうは見えません。ほぼ確実に足りていないものがあるからです。 それは「前提を考えること」そして「共有すること」です。 その投稿に対する前提を考えず、何か問題を解決しようという姿勢がないこ

校正・校閲に関する情報をまとめて配信するメルマガ「校正だより」について考えたこと

校正だよりがいよいよスタート。無事に第1号が配信できました。校正だよりが皆さんのお役に立てたらいいなと思います。 このnoteでは、メルマガ配信をしていくにあたって考えたことをまとめておきたいと思います。 課題は拡散されにくいこと「メルマガ配信をしよう」と思った理由は、メルマガ配信のお知らせnoteでも書いたように「自分が情報を探すのが大変だったから」「情報を見逃してしまうことがあったから」です。 「なぜそうなるのか?」と深掘りして考えた結果、Xで拡散されることが少ない

校正・校閲に関する情報を配信するメルマガを始めます!

「あのセミナーの情報どこにあったっけ?」 「あとで読もうと思ってたけど、あの記事はどこで見たんだっけ?」 校正や校閲に関する情報は、X(旧Twitter)やGoogleアラートを使ってチェックしていますが、行方不明になることもしばしば。 自分がXをチェックしたタイミングで情報があれば気づきますが、常にチェックしているわけではないので、見逃してしまうこともあります。 「『これを見れば情報がひととおりチェックできる!』というものがあったらいいのに……」 と、思ったので、つ

2024年は「広げる」

2024年になりました。家族旅行からスタートした今年、徐々に仕事モードになりつつあります。 本格始動の前に、2023年を振り返りつつ2024年について考えていることを書いておこうと思います。 0→1を達成した2023年2023年は少しずつ準備してきたことを実行できた年です。 校正者のためのオンラインコミュニケーション「校正ラボ」の始動。そして、Web記事校正に特化したオンライン講座「Web校正塾」のリリース。 昨年の最後の3ヶ月くらいは「私にできるだろうか」という不安

初めて神保町に行った話

東京滞在中、予定の合間に寄る場所を探していたとき、ふと思い出しました。「古書の街」「本の街」といわれる神保町のことを。 少し検索してみると、なるほど本屋がたくさん。もはやどこに行ったらよいかわからない。と、いうわけでゆるく募集してみました。 「おすすめ」でなくていいので「好きなお店」を知りたい。 おすすめしてもらった本屋はすべて寄ってきたので、防備録も兼ねて書きます。 本当に猫だらけだった猫本専門店「神保町にゃんこ堂」神保町に向かったのは夕方だったので、閉店時間が早い

Web記事校正が学べて仕事につなげられる環境づくりに取り組んで思うこと

「育成コンテンツを作りたい」 そう思ってから、約1年半。10/27にWeb記事に特化したオンライン校正講座「Web校正塾」をリリースしました。 最初に引いたスケジュールから考えると、かなり時間がかかりました笑 しかし、結果的に良いタイミングになったと思っています。私の状況も変わり、新たな体制づくりもできました。 構想からリリースに至る流れを簡単に書き残しておこうと思います。 コミュニティではカバーできない課題解決のために「育成コンテンツを作りたい」と思っていた当時、

ゴールキーパーと校正者が似ているって本当?実際対談して聞いてみた

校正を仕事にしている人や校正に興味がある人なら、「ゴールキーパーと校正者は似ている」という話を聞いたことがあるかもしれません。 さまざまな記事や本でもそのように書かれています。 私もそう実感しているのですが、ふと気づきました。 「似ているという話は聞くけれど、実際ゴールキーパーと校正者がそれぞれの役割について話したことってないんじゃない?」 「やってみたらおもしろいかも?」 ということで、校正ラボで実際ゴールキーパーの方と対談することにしたのです。 そう思い立ち、「

「敷居が高い」という意味が変化している言葉から考えてみた

「敷居が高い」 意味が変化している言葉として、あまりにも有名である。年代によって意味の捉え方が異なるのも興味深い。 これは、平成20年度の調査結果なので、参考程度にしていただけたら。とはいえ、本来の意味とは異なる意味が広まっている、代表的な例である。 心理的負担を表す表現上記のグラフにあるように「敷居が高い」には、 相手に不義理などをしてしまい、行きにくい 高級過ぎたり、上品過ぎたりして、入りにくい という意味で使われている。 この2つの意味から、「敷居が高い」

校正ラボのロゴ作成ウラ話

お蔵入りにしたロゴがある。 開業届を出したタイミングで、名刺に屋号のロゴを入れようと思い立ち、依頼した。しかし、出された案の中に気に入るものはなかった。とはいえ、何をどう変えてほしいのか言語化はできなかった。案から1つ選んで納品としてもらった。 妥協して選んだロゴに愛着が持てず、作成してみたロゴ入りの名刺も使っていない。今後使うこともないだろう。 ……ということを2回くり返した。 こちらのイメージをテキストで共有するだけで作成してもらう流れだったから、仕方がないところ

海から届けられるもの〜aruの選書

自分が本屋に行って数ある本の中から、この本に出会う可能性があるかというと、限りなく0に近かったと思う。 岡山県にある海が見える小さな本屋「aru」をX(旧Twitter)で見かけた。店主のあかしゆかさんが選書した本を送るというサービスがあり、気になったので購入してみた。 「海から本をお届け」 この言葉が新鮮に感じた。 海からお届けできるものは、美しい風景であり癒やしにつながるものが多い。作られるものも「海」や「南の島」を感じられるものがほとんどだ。だから、私にとっては

校正部をクローズする理由とこれからの話

本日8月31日(木)、約2年続けてきたWeb校正者育成コミュニティ「校正部」をクローズします。 その理由と、これからの話を書きますね。 校正部をクローズする理由校正部をクローズする最大の理由は、私の個人的な都合です。 私には、自分の仕事以外に家のことや子どものことなどで役割が複数あります。どれも大事な役割で、自分の時間を必要に応じて割り振ってやってきました。 時には、自分がコントロールできない予定外のことで時間を割かなくてはならないこともあります。私はその頻度が比較的

【より伝わりやすくするために】子どもに対する声かけとWebライティングの共通点

「廊下は走らない!」 「部屋を片付けて!」 子どもがいたり、子どもと関わる機会があったりする人は、一度は言ったことがある言葉ではないでしょうか。 しかし、このような声かけだと、子どもが理解するのに時間がかかったり、何をすればよいのかわからなかったりすることがあります。 声かけに対して子どもがその通りに行動しないと、つい「この子は言うことを聞かない」「言葉が理解できていない」と思ってしまいがちです。しかし、実際は子どもが問題なのではなく伝え方の問題なので、伝え方を変えれば

「校正」という仕事を「校正」という仕事を選んだ人の観点で書いてみた

校正という仕事を選ぶ人は、物静かなように見えて、内に情熱を秘めている人が多いような気がする。 校正者や校正を仕事にしたい人と話していて、ふっとそれが見えるととてもうれしい。「わぁ、この人のこと好きだわ」となる。 校正という仕事を選んだ人たちと話した機会はあまり多くないけれど、共通して何か“芯”を持っているように思う。 校正という仕事を選ぶ人の傾向から、校正という仕事を見てみることにする。 少し不思議な仕事校正者はものすごく悩む。言葉や文章に対して、あーでもないこーでも

Web校正者に初めて発注する方が気になるポイントを校正者の私が回答してみた

お仕事の打診をいただくなかで「校正者に依頼するのが初めて」という方が時折います。 そんなときによく聞かれる内容についてまとめてみようと思います。「校正を外注してみようかな?」と思った方の参考になれば幸いです。 ※これは私自身の経験による見解であり、校正者すべてが同じ考えだとは限らないことをお伝えしておきます。 校正者の対応可能なものって?文字があるものはなんでも校正します。 Webメディアなどで公開されるものだけではなく、個人的な文章のご依頼もいただくことがあります。

校正者が心に刻んでおきたい言葉たち~講談社の校閲部に伝わる「校閲十訓」

以前見かけた言葉をふと思い出したので、「残しておきたい」という気持ちもこめて紹介します。 Twitterで紹介されていた、講談社の校閲部に古くから伝わる「校閲十訓」です。 この校閲十訓の内容は、校正者にとって常に意識しておきたいことばかりです。そして、どんな仕事であっても心に留めておきたいと思えるような言葉が並んでいるのではないでしょうか。 今回は、この中から私が気になった3つをピックアップして紹介します。 ーーー ※私は「校正」と「校閲」は同義のものだととらえていま

【弁護士監修】フリーランス校正者専用の業務委託契約書ひな形(テンプレ)をつくりました

「納品後、クライアントと連絡が取れなくなった」 「報酬は変わらないのに、当初はなかった仕事を追加された」 そのような話を聞いたことはないでしょうか。 校正者なら「自分の見落としが原因でトラブルに発展したら、責任を負わなくてはいけないのかな」と不安に思っている方がいるかもしれません。 そのような不安を解消してくれるのが、契約書です。 そこで、契約の締結に役立つ校正者専用の業務委託契約書ひな形(テンプレート)を、弁護士とともに作成しました。 「契約書ってクライアント側か