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アウトドアブランドを始めて気づいたこと。建築家としては気づけなかったこと。

僕は建築家を本業とする傍ら、もう一つの仕事の柱を建てる。という表だった目的と、活動を通して暮らしもより豊かになったらいいな、という裏の目的を持って、昨年にアウトドアブランドwe know enough<を立ち上げた。

ブランドとしての活動を続けて一年。はじめに焚火台をデザインした。その後クラウドファンディングに挑戦し、生産体制を整え、一般販売を開始し、展示会やイベントなどにも出展して、広報・営業活動をしたり。建築家としては経験できなかった、様々なことをやらせてもらえた。そして、そういった活動を通して、改めて思い知らされたことがある。

「作ること」と「伝えること。」

それが「作ること」と「伝えること(売ること)」は、全く別のスキルが必要だということだ。なにを当たり前のことを。と言われるかもしれないが、僕を含めた頭の痛い建築家たちは、自分達は万能で、その気になったら、なんでもそれなりに上手く出来るんだ。と勘違いしている人が多い。(偏見だっただごめんなさい。)

実際に建築家は万能だとよく言われる。それこそ、建築を設計する時は、多角的な視点を持たないとダメだと教育される。しかしそれはあくまで「作ること」の中だけの話で、こと「伝える/売ること」ことに関しては、全くの素人ではないか!と痛感させられた。

言ってしまえば、建築家の仕事は作るまでが仕事だ。しかし、事業というのは作るだけでは終わらない。作ることはあくまでスタートでしかない。作ったモノの魅力や価値が人に伝わり、そして売れて、初めて事業として成立する。

作ったモノが、いかにあなたの暮らしを良くするのか。為になるのか。良い回し、見せ方、届ける場所、背景などをひとつひつと丁寧に積み上げ、伝えなければならない。それがいかに難しいか、ブランドを始めてようやく理解できた。人の心はそう簡単には動かない。

良いデザインをすれば、価値や魅力は自然に伝わるんだ。というのは大きな勘違いだったし、それは建築家・デザイナーのエゴなのかもしれない。

実際にデザインしている時は、いかに言葉を使わず、説明なしでも、そのモノの魅力や価値を伝えられるか。を常に考えながらデザインしている。言葉に頼らないデザインこそ、良いデザインであると。

僕もそうだ。出来るだけわかりやすく、パッと伝わるデザインを大切にしている。

デザインの落とし穴

しかし、そこに落とし穴があったのかもしれない。
自分達のデザインは、パッと伝わるように最大限の配慮をしながらデザインしているのだから、必要以上に言葉を付け足す必要がない。そう思っていたし、そう思いたかった。自分のデザインを正当化をしたい。という心理が生まれてしまっていたのかもしれない。

しかし、実際の社会はそんなに甘くない。たしかに名作と言われるようなデザインには言葉は不要かもしれない。しかし、名作は稀にしか生まれない。僕も毎回名作を作る意気込みでデザインに挑んでいるが、まだまだ実力不足のようだ。

ならば、デザインに甘んじることなく、丁寧に「伝える」という作業に向き合わなければいけない。使い手を想像し、相手が理解できる、共感できる言葉を選び、いかにあなたの為になるのかを、適切な方法、見せ方、タイミングで届ける。名作が作れないのならば、そのくらいの努力で補う必要がある。

デザインも大切だが、伝える作業も等しく大切なはずだ。そこに優劣も重要度の差もない。どちらも一流にならなければ、人の心を動かし、共感を得られないのだと思う。

建築家は「作ること」ばかりを教育され、「作ったモノ」ばかりを批評し合う。

ここに、建築家が現代社会に対して、いまいち存在価値が高まっていかない課題と、未来へのヒントがあるのではないだろうか。

だからこそ、
「作ること」と「伝えること」の両方を経験できるアウトドアブランドの運営は、僕にとっては、すごく重要な活動なのかもしれない。
冒頭に挙げた目的以外にも、本業である建築家としても成長でき、これまでにない、新たな建築家像に近づけるのかもしれないと、自分自身に期待している。

ということで、
「作ること」と「伝えること」を模索しながら、アウトドアブランドとして、新たな挑戦をしています。応援のほどよろしくお願いいたします!

we know enough< 待望の2ndプロダクト。
「自然とかくれんぼする。カモフラージュ·ゲーム MIKKE(ミッケ)」の予約販売が、応援購入サイトMakuakeにて、スタートしました!

第一弾として、焚火台を開発·販売してから約1年。
僕たちブランドとしての思想を広めていくため、"自然を想いながら遊べるアクテビティ"という、少し違った視点でプロダクト化を目指しました。

他に類を見ない商品だからこそ、皆様にどんな形で受け入れて頂けるか、不安と期待が混ざり合っています!

是非、ブランドとして新しい一歩を、皆様と一緒に向かられることを願っています!!


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