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政治講座ⅴ1298「米国の大統領選の結果のウクライナの運命」

 以前にも米国の特性というか、本質というか、米国には国が2つ存在するのである。民主党と共和党の政権交代で180度真逆の政策をとる国である。付き合いは難しい国である。なにせ国内で南北戦争をしたお国柄であるから、付き合いが難しいのである。2024年の米国大統領選の行方次第ではウクライナ支援に変更が起こるかもしれない。今回はウクライナの将来を占うような報道記事を紹介する。

     皇紀2683年8月23日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

共和党に拡がる厭戦気分、日本はウクライナ支援に関与し続けるべきなのか

ニューズウィーク日本版 によるストーリー •1 時間

共和党に拡がる厭戦気分、日本はウクライナ支援に関与し続けるべきなのか© ニューズウィーク日本版

仮に、2024年大統領選挙で共和党候補者が勝利することがあれば、米国の対外関与方針が激変する可能性がある...... REUTERS/Jim Bourg

<共和党・民主党・無党派を含めた米国世論の過半数は、現状のウクライナ支援の継続を必ずしも支持しておらず、また仮に、2024年大統領選挙で共和党候補者が勝利することがあれば、米国の対外関与方針が激変する可能性もある。日本政府が対応すべきこととは......>

8月23日に予定されている共和党の大統領選挙予備選・第1回討論会に合わせて、米国共和党のタカ派グループウクライナ支援を擁護する広告キャンペーンを実施する予定だ。しかし、逆説的に、同広告キャンペーンは同党内での厭戦気分の高まりを示すものとなっている。

現在、予備選挙に立候補しているマイク・ペンス前副大統領は、ウクライナに対する支持を打ち出したものの、共和党支持者からのウケはイマイチであった。逆に、共和党予備選挙で1位・2位争いを繰り広げるドナルド・トランプ前大統領とロン・デサンティス副大統領はウクライナに対する支援に懐疑的な態度を示している。

また、連邦議会での共和党の分裂も深刻だ。上院トップであるミッチー・マッコーネル院内総務はウクライナを支える姿勢を示し、欧州諸国との関係強化にも一貫して取り組んでいる。一方、連邦下院多数派を支配するケビン・マッカーシー議長は下院議員らの一部に拡がる厭戦ムードを受けてウクライナ支援に対して厳しい姿勢を取っているマッカーシーの議長の座は非常に脆弱であり、ウクライナ支援を擁護するようなことがあれば、彼は同僚議員から批判を受けてその地位を追われる可能性がある。

岸田政権はウクライナ支援で連帯する大々的なメッセージを送ったが

共和党・民主党・無党派を含めた米国世論の過半数は、現状のウクライナ支援の継続を必ずしも支持しておらず、共和党内部に限れば地球の裏側の戦争に興味を示す人々は確実に減少しているウクライナ支援を支持している層は主に民主党支持者であり、共和党支持者との対外軍事支援に関する認識の差が明瞭となっている。

ゼレンスキー大統領率いるウクライナの対ロシア反転攻勢は、十分な航空支援を得ることができておらず、口先だけの欧州からの援助は微々たるレベルで遅延しがちだ。ロシアとウクライナの争いを継続させ、ロシアを疲弊させる捨て駒としてウクライナを利用し続けたい欧州の本音が丸見えだ。したがって、今後もバイデン政権と欧州諸国は生かさず殺さずの支援を実施し、膨大な資金・資源をウクライナ国内の戦場で浪費し続けることになるだろう。

岸田政権はG7でバイデン政権・欧州諸国とウクライナ支援で連帯する大々的なメッセージを送った。この対応は西側諸国の一員として、欧州から対中国のコミットメントを得ることを意図したものであろう。しかし、欧州諸国は隣国のウクライナにすらロシアに勝てる支援を行わない国々であり、彼らとの外交的な信頼関係を過大評価してはならない。実際、日本はウクライナ支援に出来得る限りのコミットメントをしているにも関わらず、フランスなどはNATO日本事務局を置くことにすら難色を示している。

日本政府は米国から東アジア地域でのコミットメントを勝ち取るべき

仮に、2024年大統領選挙で共和党候補者が勝利することがあれば、米国の対外関与方針が激変する可能性があり、その影響は米国内及び世界中に波及していくことが予測される。(実際、バイデン政権が大統領選挙で敗北する可能性は十分にある。)

その結果として、米国内では党派に関わらず対外的な軍事支援への関心は大きく低下し、米国の対外展開のための軍事的なリソースは大きく削がれることは否めない。

日本政府が対応すべきことは、ウクライナ支援を首尾良く切り上げて、米国から東アジア地域でのコミットメントを協力に勝ち取ることだ。それにはバイデン政権以後の対外関与に消極的な米国の姿を想定することが重要だ。

ロシアの経済力は韓国と同程度であり、同国はウクライナにすら苦戦する戦力しかないロシアのことは欧州人が自分で十分に対応できる。単純に欧州人が自らの安全保障に責任を持とうとしていないだけだ。我々日本人が直面する東アジアの大国である中国の脅威とは比較にならない。米国からの全力のコミットメントがなければ、日本の存立も極めて危ないと言っても過言ではない。

米国人は既にアフガニスタン・イラクでの不毛な戦争で財政面・人的資源面から大きく傷ついている。同盟国である米国を我が国の安全保障に直接的な関係がないウクライナ問題でこれ以上疲弊させることは得策ではない。日本人は当てにならない欧州人との協力関係を重視するのではなく、欧州との間で米国の限られた資源と関心の奪い合いに勝つことを意識すべきだ。

国際協調の美名に奉仕するだけでなく、日本政府は自国が生き残るために内側に引きこもる米国人の関心を欧州から東アジアに集中させることに全力を尽くすべきだ

参考文献・参考資料

共和党に拡がる厭戦気分、日本はウクライナ支援に関与し続けるべきなのか (msn.com)

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