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政治講座ⅴ693「台湾有事のときは米国は軍事介入せずに経済制裁で対抗、しかし中国は裏で先手を打っている」

 

前回(ⅴ690、692)、中国が台湾侵攻が行われた時には米軍の軍事介入はないと論じた。 中国の内政問題として捉える可能性あるからである。今回は、理由と可能性を論じる。

     皇紀2682年12月15日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国が台湾侵攻の場合

台湾関係法は、台湾の安全保障のための規定を含むアメリカ合衆国の法律である。同法は、カーター政権による台湾との米華相互防衛条約の終了に伴って1979年に制定されたものであり、台湾を防衛するための軍事行動の選択肢を合衆国大統領に認める。米軍の介入は義務ではなくオプションであるため、同法はアメリカによる台湾の防衛を保障するものではない
台湾有事への軍事介入を確約しない台湾関係法に基づくアメリカの伝統的な外交安全保障戦略は「戦略的あいまいさ」(Strategic Ambiguity)と呼ばれる.
このように、もし自国の企業に影響が及ぶような場合は軍事介入ではなく、経済制裁で対応する可能性が大きい。
米国は自由主義、市場主義と好き勝手にさせているが、有事の時には、米国にある金融資産は拘束される仕組みと法律を作り、それの法律を公権力で守るために軍事で担保される国である。
もし、中国が台湾に武力侵攻したら、ロシアのウクライナ侵攻に対して行ったように、軍事介入ではなく、経済制裁で中国に対しても行われると思うのが普通であろう。米国における中国の国債保有は日本と中国と逆転したが、当面早急な売却と大量な売却は難しいであろう。
 米国には国際緊急経済権限法という法律があり、他国が自国に深刻な影響をもたらしそうな場合、米国はそれを阻止できる。仮に中国が米国債をまとめて売却しようとすれば、間違いなく国際緊急経済権限法に抵触するから、その際には米国は米国債を保護預かりしている米国金融機関に売却行為をストップするように指示できるのです。つまり、どんなに中国が米国債をまとめて売ろうとしても売ることはできない。
それ以外にも、中国人が所有する個人資産も凍結される。当然、中国企業の取引も停止になる。今密かに準備されているはずである。
石油・ガス決済を「元」決済にする準備はそのためであろう。「元」基軸通貨の構想と準備は中国の経済デカップリングの準備であり、経済制裁対策であろう。これらの経済対策完了が台湾侵攻の号砲となる。秘密裏に着々と進められていると考えられる。

中国の日本侵略の場合

次の条約が発動される。

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約

条文

前文条約を締結することの意義について説明する。個別的及び集団的自衛権についても言及している。

第1条 国際連合憲章の武力不行使の原則を確認し、この条約が純粋に防衛的性格のものであることを宣明する。

第2条 自由主義を護持し、日米両国が諸分野、とくに経済分野において協力することを規定する。

第3条 日米双方が、憲法の定めに従い、各自の防衛能力を維持発展させることを規定する。

第4条(イ)日米安保条約の実施に関して必要ある場合及び
   (ロ)我が国の安全又は極東の平和及び安全に対する脅威が生じた場合には、日米双方が随時協議する旨を定める。この協議の場として設定される安全保障協議委員会の他、通常の外交ルートも用いて、随時協議される。

第5条 両国の日本における、(日米)いずれか一方に対する攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであるという位置づけを確認し、憲法や手続きに従い共通の危険に対処するように行動することを宣言している。

第6条 在日米軍について定める。細目は日米地位協定に規定される。

第7条、第8条、第9条他の規定との効力関係、発効条件などを定める。

第10条 当初の10年の有効期間(固定期間)が経過した後は、1年前に予告することにより、一方的に廃棄できる旨を規定する。いわゆる自動延長方式の規定であり、この破棄予告が出されない限り条約は存続する。

総合的に中国の世界における影響力や政治的行動を俯瞰すると早急な軍事侵攻という政治判断は起こさない・起こせないと思われる。台湾のの内部からの切り崩し(軍人の買収、政治家の買収などの懐柔活動)と経済的なデカップリングの完成のときが武力衝突の号砲となるであろう。


参考文献・参考資料

政治講座ⅴ690「台湾有事に米国は軍事援助せず見捨てる」|tsukasa_tamura|note

政治講座ⅴ692「米国債保有の中国の苦悩」 | 記事編集 | note

日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約 - Wikipedia

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 - Wikipedia

米台関係 - Wikipedia

台湾関係法 - Wikipedia

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