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政治講座ⅴ1066『台湾に広がる疑米論』

 米国はどんどん同胞を失っていくのである。戦前、戦後を通じて米国の政策は失敗続きであると言わざるを得ない。米国から日本が自由・民主主義を教えてもらったとのたまう偉い学者がいるが、それは間違い。日本には大正デモクラシー運動があり自由民主が定着していたのである。その日本を敵視して日本を排斥して中国共産党を助けたのが米国である。怪物を育てたのは米国であり、ここ近年、やっと気が付いたのである。しかしながら、自由・民主を旗印にしている宗主国でありながら、自由・民主・人権が中国共産党に侵害されながら手をこまねいている今の米国を見ていると、他国から侵略されたときに助ける行動にでなかった。ウクライナに軍隊を出さなかったことから、米国の弱気が見えるのである。米国のモンロー主義が欧州の更なる混乱を招いたことから、一国平和主義の弊害がそれである。
翻って、台湾有事の時は米国はたすけるのであろうか?否である。内政問題として、台湾を見捨てる。香港やウイグル人へのジェノサイドなど米国は何もしなかった。経済制裁もしなかった。近年、半導体で騒いでいるが、遅すぎるのである。狡猾な中国共産党に米国は浸食されている。孔子学院などに何ら警戒心も持たずに導入した愚かさ。「疑米論」は現実となる可能性がある。米国は助けない。日本にも言えることであるが自国は自国で守る意思を固めないと米国は助けない。「神は自らを助くる者を助く」これが米国の本質である。

     皇紀2683年5月6日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国の台湾侵攻は早まるおそれ、前米安保補佐官「2年以内も」…日米に対応呼びかけ

読売新聞 によるストーリー • 1 時間前

オブライエン氏© 読売新聞

 【ワシントン=今井隆】米国のトランプ前政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたロバート・オブライエン氏(56)が、読売新聞のインタビューにオンラインで応じた。中国による台湾への武力侵攻が「1~2年」の間に起こり得ると述べ、米国や日本が中国に対して毅然(きぜん)と対応するよう呼びかけた

 中国が台湾に武力侵攻する可能性のある時期を巡っては、2021年に当時の米インド太平洋軍司令官が「6年以内(27年まで)」と指摘したが、オブライエン氏は「期間が短縮されている」との見方を示した。

 「台湾に必要な武器を提供し、外交力を与え、中国が深刻な結果なしに台湾を侵攻できると信じるのを阻止しなければ、台湾は非常に危険な状況に陥りかねない」とも強調した。

 インタビューは1日に行った。オブライエン氏は今月中旬に来日し、16日に読売国際経済懇話会(YIES)で講演するほか、東京都内で開催される国際会議に出席する予定だ。

台湾で高まる「疑米論」

2023/4/18 19:17矢板 明夫

台湾の蔡英文総統は米国カリフォルニア州に滞在していた今月6日の早朝、台湾への帰途につく前にホテルで同行記者団と懇談した。マッカーシー米下院議長と会談した翌朝だった。「米国の印象は」と聞かれた蔡氏は「台湾を支持するみなさんの熱意を強く感じた」と語った。

蔡氏がここで「米国の台湾への支持」を強調した背景には、最近の台湾で「疑米論」が台頭していることがある。疑米論とは、「米国は信用できない」「いざというとき、米国は台湾を助けに来ない」と米国を疑う論のことである。

「台湾有事」を大声で唱えるのは、アジアでは日本が最後になるかもしれない

富坂聰拓殖大学海外事情研究所教授

3/22(水) 19:54

 駐中国大使、台湾有事「想定せず」。

 3月17日付で時事通信が配信した記事の見出しだ。発言の主は、垂秀夫駐中国大使。記事が流れた直後から、一部で騒がしい反応があったのは言うまでもない。日本ではいま「台湾有事ありき」で様々なことが忙しく動いているのだから当然だろう。

 記事によれば垂大使は、台湾有事について個人的な見解とした上で、「本質的なことで見た限り(中国に)政策の変更はない。予見できる将来、中国が武力で台湾を統一することは想定していない」と述べたという。大分市で行われた講演での発言だ。

 これに対し、早速ネットのなかでは賛否と同時に発言の意図と立場を勘繰る書き込みがあふれた。

 しかし、そういう話なのだろうか。

中国は明らかに軟化している

 自らが得た情報に基づききちんと分析を加えて発信しただけの話で、むしろ誠意を評価すべきだ。ただ内容そのものは、中国を細かく分析している専門家であれば、ごく当たり前に行き着く結論といえなくもない。

 筆者も今年2月に上梓した『それでも習近平政権が崩壊しない4つの理由』のなかで、それについて一章分を割いて詳述している。

 あらためて少し触れておけば、中国は2005年の反国家分裂法の文言、「武力行使は放棄しない」などの表現を繰り返し用いているが、2019年からは明らかにその前後の表現を緩めているということだ。習近平国家主席自身「中国人は中国人と戦わない」と何度も繰り返し、間接的ながら大規模侵攻の必要性を否定しているのだ。

 要するに対台湾における習政権のトレンドは、明らかに融和へと向っているのだ。そして、その最大の理由は合理性にある。

台湾の人々の感情も一定ではない

 これもごく簡単に説明すれば、仮に多大な犠牲を払って台湾を統一できたとしても、その後、反中感情に燃える2000万人を支配するコストは膨大である。しかも戦争により一帯の経済発展の機会は失われ、西側世界を中心とした多くの国からの制裁にも晒されるのだ。

 そうなってしまえば、改革開放政策後、「発展こそすべて」と突っ走ってきた中国共産党にとって最大栄誉である「アメリカを超える経済大国に中国を導く」ことなど、夢のまた夢となってしまうはずだ。

 そんな選択をすることが、はたして本当に習近平指導部にとってのソロバン勘定に合うのだろうか。

 これに加えて日本人が冷静に考えなければならないのは、台湾が常に「反大陸」一色で固まっているのか、という疑問だ。

 中国の脅威を強調して、政権浮揚策につなげてきた蔡英文政権の支持率一つとっても、ずっと乱高下を続けてきたのが実態だ。それからも分かるように、台湾の人々の大陸に対する態度は一定ではない。事実、昨夏のナンシー・ペロシ前米下院議長の訪台の騒動では、その前後で蔡政権への支持率はかえって落ち込んでしまったのである。

持ち上がった「疑米論」

 その理由の一つとして挙げられるのは、台湾の人々の間に持ち上がった警戒心がある。アメリカは台頭する中国をけん制するため中台の対立を利用しているのではないかという疑問だ。つまり、「駒として使われている」という自覚の芽生えだ。

 ウクライナ戦争も勃発から1年が過ぎた。そして、戦局を注視してきた台湾の人々の多くは、ウクライナがボロボロになっている姿と自分たちの未来を重ねている。それは、アメリカは「後ろから弾を補給してくれるものの戦ってはくれない」という現実だ。

 それこそ中国の宣伝の思うツボとの指摘もあるが、中国がいくら宣伝に長けていた――実際はその逆だが――としても、事実までは曲げられない。事実、アメリカはロシアとの本格的な対決を慎重に避け続けてきたのである。

 ならば中台の現実はさらに残酷であっても不思議ではない。

 少なくとも中国と国交を結んでいる国は、強弱の差こそあれ、中華人民共和国を唯一の合法政府と認め、台湾を独立した国とは認めていない。つまり、中台の争いはあくまでも内戦という位置づけであり、「他国への侵略」として国際世論はまとまらない可能性が高いからだ。

 こうした疑問や不安は、台湾ではまとめて「疑米論」と呼ばれているのだが、その「疑米論」がいま、島内で静かに広がっているというのだ。蔡英文の後に民主進歩党の主席に就いた頼清徳は今年2月、これを懸念し「決して『疑米論』を台湾世論の中心にしてはならない」と呼びかけたほどだ。

アジアの繫栄は戦争では得られない

 昨年末、蔡政権はこれまで18歳以上の男子に義務づけていた兵役の期間を現在の4カ月間から1年間に延長することを決めた。硝煙の匂いが現実味を帯びて近づいていることを台湾の人々も実感させられ始めている。そうなれば本当に戦うことの無益さを意識せずにはいられないだろう。

 ウクライナ戦争の状況を見れば明らかなように、戦争を防げなかった一帯に勝者はいなくなる。ロシアもウクライナも欧州全体が敗者なのである。欧州経済のダメージの大きさが何よりも如実にそのことを語っている。

 アジアが戦争に巻き込まれることを警戒して東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々は、いま米中対立をアジアに持ち込もうとするアメリカにネガティブであり、台湾の極端な行動にも反発する傾向が強い。

 このような状況を見る限り、待てば中国に有利に傾く要素は少なくない。

 つまり「予見できる将来、中国が武力で台湾を統一することは想定していない」という垂大使の発言は、的を射た指摘だということになるのだろう。

記事に関する報告

富坂聰  拓殖大学海外事情研究所教授

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系中退後、『週刊ポスト』記者、『週刊文春』記者を経て独立。ジャーナリストとして紙誌への寄稿、著作を発表。2014年より拓殖大学教授。


参考文献・参考資料

中国の台湾侵攻は早まるおそれ、前米安保補佐官「2年以内も」…日米に対応呼びかけ (msn.com)

【矢板明夫の中国点描】台湾で高まる「疑米論」 - 産経ニュース (sankei.com)

「台湾有事」を大声で唱えるのは、アジアでは日本が最後になるかもしれない(富坂聰) - 個人 - Yahoo!ニュース

クレムリンへの攻撃、誰が?判断保留の米国 ロシアの主張には疑義 (m

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