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政治講座ⅴ717「ドル覇権はいつまで続く?日本は一蓮托生!」

 昔から国家が他国を征服した時には、度量衡・通貨の統一・暦の統一などをした。自国の通貨を自国で発行できる権利を持つのは当たり前のような気がしますが、実は、当たり前のことではありません。 2018年現在、世界の国の中で政府が通貨発行権を持っている国は少なく、アイスランドやシンガポール、そして2011年以降にその権利を取り戻したハンガリー以外は、通貨発行権を持っていないのです。 驚くような事実ですが、実は日本でも、通貨発行権は国ではなく独立した中央銀行(日銀)が持っています。米国では連邦準備銀行が発行している。
近年、ドル覇権と騒いでいるが、実は米国は各国に、特に産油国にドル紙幣で支払うが、受け取ったドル紙幣は投資という形で米国経済に還流されているのである。その投資は米国債という米国の借金の穴埋めにされているのである。日本も輸出で儲けたドルは米国債で運用されている。借金している国が貸している国より強い立場であるのがドル覇権の特徴である。もしドル覇権が崩壊することが起きるとするときはどのようなときであろうか。それは、米国が各州が分裂するときであろう。それと、取引の決済が当事国同士で行われるときであろう。今、米国社会が分裂していると言われる。同時にドル覇権から離脱(SWIFT離脱)しようとする勢力もある。近い将来、起きる可能性は大きい。
米国債の保有額一位の日本は一連托生で日本国も経済が混乱するであろう。日本国家財政のおける通貨の担保力は米国債の保有に依拠するところが強いからである。米国の沈没=日本の沈没となりかねない。今回はドル覇権の報道記事を抜粋する。

        皇紀2682年12月24日
        さいたま市桜区
        政治研究者 田村 司

はじめに(ドル紙幣の発行の解説)

 アメリカ合衆国ドル紙幣の発券管理は連邦準備制度が集中的に行っているが、法令上、個々の紙幣はアメリカ国内に12行ある連邦準備銀行が個々に発行している。

紙幣製造は製版印刷局合衆国造幣局によって行われ、1日あたり6億5000万ドル相当の紙幣と硬貨が製造されている。従業員数は合計で5000人を超える。印刷工場はアメリカ国内に2か所ある。

偽造を防ぐ目的で、1ドル紙幣と2ドル紙幣を除く全紙幣のデザインが2000年代 - 2010年代に刷新されている。2012年12月31日現在の連邦準備制度の統計によれば、1ドル紙幣の流通量は103億枚、100ドル紙幣は86億枚、20ドル紙幣は74億枚である。

発券銀行

紙幣を発券した銀行がどの連邦準備銀行であるかは、その紙幣に記されたアルファベット記号で判別することができる。アルファベット記号以外の部分はどの発券銀行も額面ごとにすべて同じデザインであり、また発券銀行にかかわらず同一額面ならどの紙幣も等価である。

肖像の小さい紙幣(1・2ドル紙幣と、5ドル以上かつシリーズ1994以前の紙幣)には、肖像の左にアルファベットの記載された丸い部分があり、法令上の発券銀行がこの文字で判るようになっている。

肖像の大きい紙幣(5ドル以上かつシリーズ1996以降の紙幣)では、左端のアルファベット(「B2」など)がこれに相当する。また紙幣シリアルナンバー(記番号)11桁のうち左から2桁目のアルファベットも同じことを表している。


ドルの兵器化、米国に裏目に出る恐れ-各国で覇権脱却の動き

Michelle Jamrisko、Ruth Carson - 1 時間前

(ブルームバーグ): ドルに対する反乱が起きている。ドル相場の一人勝ちに加え、対ロシア制裁手段としてのバイデン政権のドル活用、新たな技術革新が各国にドル覇権からの脱却を促しつつある。

  市場に30年余りかかわってきたミレニアム・ウェーブ・アドバイザーズの投資ストラテジスト兼社長、ジョン・モールディン氏は先週のニュースレターで、バイデン政権はドルと世界の決済システムを兵器化するという間違いを犯したとした上で、「これは米国以外の投資家や国に、伝統的な逃避地である米国の外へと保有資産を分散させることを促すだろう」と指摘した。

  米財務省当局者はこうした状況についてコメントを控えた。


Asia's Dollar Pain | Several of the region's currencies declined by double-digits against the greenback in 2022, through mid-December© Bloomberg

二国間決済

  ロシアや中国では、ブロックチェーン技術の活用などを通じ国際的な決済手段として自国通貨の利用を促進する計画が、ウクライナ侵攻を機に加速した。ロシアはエネルギー代金をルーブル建てで支払うことを要求し始めた。

  バングラデシュやカザフスタン、ラオスなども人民元活用拡大に向け中国との交渉に力を入れている。インドはルピーの国際化をより声高に論じ始め、今月にはアラブ首長国連邦(UAE)と、二国間決済メカニズム実現に向け始動した。

  こうした判断に至った背景には、米欧が国際銀行間通信協会(SWIFT)の国際決済ネットワークからのロシア勢排除に動いたことがある。フランス政府高官が「金融版核兵器」と呼んだこうした動きを受け、大半のロシア主要銀行はSWIFTから離れ、規模がはるかに劣る独自ネットワークに頼らざるを得なくなった。

  結果的に二つの影響があった。一つ目は、米国の対ロシア制裁を機に、ドルがより恒久的にあからさまな政治的手段になり得ることへの懸念中国を中心に各国で強まったことだ。インドはSWIFTと一部類似した自前の決済システム整備を進めている。

  二つ目は、地政学的紛争でどちらの側につくか選ぶことをアジア諸国に求める圧力が増したことだ。代替の決済システムを持たない国は、制裁に同意しなくてもそれに従わざるを得ず、重要なパートナーとの貿易の機会を失うというリスクにさらされる。このため、米国のロシア制裁は各国をそれぞれの道に追いやった

  DBSグループ・リサーチ(シンガポール)のマネジングディレクター兼チーフエコノミスト、タイムル・ベイグ氏は「事態を複雑にしているのはドル資産に対する相次ぐ制裁と差し押さえだ」とし、「これを踏まえれば、ドルへの依存度低下を目指す地域の動きは驚くに当たらない」と指摘した。

  ドル離れのトレンドの加速を後押ししているのは制裁だけではない。大幅なドル高もアジア各国の分散化への取り組みを積極化させた。

  ブルームバーグ・ドル・スポット指数に基づくと、ドルは今年7%程度上昇しており、年間で2015年以来の値上がり率となる方向だ。ドル高で英ポンドやインド・ルピーなど多くの通貨が歴史的な低水準となる中、同指数は9月に最高値を付けた。

頭痛の種

  ドル高はアジア諸国にとって大きな頭痛の種だ。各国は食料の購入価格急騰や債務返済負担増大、貧困の悪化に見舞われている

  スリランカもそうした国の一つ。ドル高で返済能力が損なわれた同国はドル建て債で初のデフォルト(債務不履行)に陥った。燃料供給確保に苦戦するベトナム当局者は、ドル上昇をその要因に挙げた。

  インドがUAEと結んだ取引はルピーでの決済を増やし、ドルを利用しない貿易決済合意の設立に向けた長期的取り組みを加速させる内容だ。

  こうした中で非金融会社によるドル建て債発行高は22年に世界全体の37%と、記録的な水準に低下した。


Rising Dollar Has Pummeled Developed and Emerging Peers© Bloomberg

  これらの措置はいずれも市場への影響は短期的には軽微かもしれないが、いずれドル需要低下につながる可能性がある。例えば、カナダ・ドルと人民元は全ての通貨取引に占める割合が既に少しずつ上昇している。

  テクノロジーの進歩もドルから脱却する取り組みを容易にしている。一部の国はドル高になる前から取り組んでいた新たな決済ネットワーク構築作業の結果、ドル利用を減らしつつある。マレーシア、インドネシア、シンガポール、タイはドルではなく自国通貨で互いに取引する制度を整備してきた。台湾の住民は日本とリンクされたQRコードのシステムで支払いが可能だ。

  こうした取り組みが合わさり、半世紀余りにわたって世界金融の基盤となってきた西側諸国主導のシステムから距離を置く動きに弾みを付けている。生まれつつあるのは、依然としてドルを頂点としつつも、増えつつある二国間決済と、人民元などドルからシェアを奪いたい代替通貨という3層構造だ。


ドルの兵器化、米国に裏目に出る恐れ-各国で覇権脱却の動き© Source: Bloomberg

  とはいえドルの支配的地位がすぐに脅かされる可能性は低い。米経済の強さと規模に揺るぎはない。米国債は資金を保管する場として最も安全な投資先の一つだ。外貨準備に占める割合はドルが最も高い

  だがドル離れの動きが重なることは、米国が享受する「とてつもない特権」には試練だ。これは1960年代にフランスのジスカールデスタン財務相(当時)が、ドル覇権によっていかに米国が為替リスクから守られ、同国の経済力がいかに突出するかを表現した言葉だ。

  いずれは、ドルを金融秩序の主導役に据えた戦後のブレトンウッズ体制全体が試されるかもしれない。

  ロンバー・オディエのアジア担当マクロストラテジスト、ホーミン・リー氏(香港在勤)は「数十年間利用されてきたグローバルな取引・決済プラットフォームに割れ目が生じ始めているようだ」と指摘。ブレトンウッズ体制から生まれ、人々がこれまで発展させてきたネットワーク全体が「より根本的な意味でシフトし始めているのかもしれない」と分析した。

貴重な教訓

  最終的にドルは今後数十年間、トップの座にとどまるかもしれない。ただ、代替通貨で取引を行う勢いは衰える気配がない地政学面の不確定要素が当局者らに自国方式採用を選択させ続けるならなおさらだ。

  米政府が地政学的な争いに自国通貨を利用する方針は皮肉にも、将来に同様の方法を効果的に遂行する能力を低下させる可能性がある。

  インドネシアのムルヤニ財務相は先月、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の機会に合わせた「ブルームバーグCEO(最高経営責任者)フォーラム」で、「ウクライナでの戦争と対ロ制裁から、非常に貴重な教訓が得られる」として、「多くの国が、自国通貨を使い直接、二国間で取引することが可能だと感じている。これは世界が通貨や決済システムの利用をはるかにバランスの取れたものにするために良いことだと思う」と述べている。

原題:Biden’s Dollar Weaponization Supercharges Hunt for Alternatives(抜粋)

--取材協力:Finbarr Flynn、Shruti Srivastava、Sudhi Ranjan Sen、Adrija Chatterjee、Daniel Flatley、Nguyen Dieu Tu Uyen、Yujing Liu、Anirban Nag、Claire Jiao、Grace Sihombing、Philip Heijmans、Jeanette Rodrigues、Arun Devnath.
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©2022 Bloomberg L.P.

参考文献・参考資料

ドルの兵器化、米国に裏目に出る恐れ-各国で覇権脱却の動き (msn.com)

日本銀行券の通貨発行権はどこにあるのか - Archive of Yone (elite-lane.com)

アメリカ合衆国ドル - Wikipedia

国際銀行間通信協会 - Wikipedia

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