見出し画像

政治講座ⅴ1273「中華人民共和国と中華民国(台湾)の経済戦争は中華民国の勝利である」

 経済疲弊している中国は台湾に武力進攻しようとしているが、経済戦争では勝負がついているのである。
 世界2位と言われる捏造・粉飾されたGDPを分析すると台湾より下位となるほどに、経済は疲弊して実際は崩壊状態であることが伺えるのである。
 経済不振の非難の矛先を戦争で紛らわせるか、自暴自棄で台湾に侵攻するのか。
 経済戦争では中華民国(台湾)の勝利である。
 今回は視点を変えて中国のGDPを論じる。
高橋洋一氏の主張:「私は、中国の実際のGDPは、公式発表されている数値の三分の一程度ではないかと見ている。」
吾輩の意見は公表数字よりもっと悪いと見ている。その理由は次の通りである。
 現在、横暴で攻撃的な覇権主義の戦狼外交に豹変してきた中国から、中国に進出した企業は逃げ出している背景がある。
 中国のGDPは進出した企業と中国の合弁会社から構成されている。そうすると実質的中国の生産額と生み出す所得はおおざっぱに見ると公表数字の半分であると考えることができる。中国のGDPは外国企業との相乗効果によって出来上がった付加価値の総所得である。海外企業が逃げだしていることを考慮した結果は、中国の実力は数値の1/3*1/2=1/6となる。そして、不動産および関連業界の対国内総生産(GDP)比は約30%に上るので、現在の中国の不動産バブル崩壊を考慮すると1/3*1/2*1/3=1/18となる。コロナで個人消費が低迷し、若年層の失業率46%を勘案すると1/18/*1/2=1/32 が中国のGDPと推計される。
下記の表の数字から
 中国 19,373,586*1/32=605,425(百万US$)となる。
そうすると台湾のGDP 790,728(百万US$)より下の順位となる。これが中華人民共和国の実力と実態である。
また、不動産バブル崩壊に伴う金融崩壊を起こしている可能性も否定できない。そして、地方政府の財政破綻などの負債をGDPから差し引けるならばマイナスのGDPという事態もあり得る。これが中国である。そして、なぜこのような経済破綻に至ったかというと、費用対効果を考えないマンション建築(鬼城マンション)や「鬼城」と呼ばれるゴーストタウンの都市計画の失敗であろう。誰がその損失を被っているのであろうか?

     皇紀2683年8月13日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

2023年最新の世界GDPランキング

IMF(国際通貨基金)が発表した2023年の世界各国のGDPをもとに、ランキングを紹介しよう。

順位   国名     単位(百万US$)
1位   アメリカ合衆国   26,854,600
2位   中国        19,373,586
3位   日本        4,409,738
4位   ドイツ       4,308,854
5位  インド       3,736,882
6位  イギリス      3,158,938
7位  フランス      2,923,489
8位  イタリア      2,169,745
9位  カナダ       2,089,674
10位  ブラジル      2,081,235
11位  ロシア連邦     2,062,649
12位  大韓民国      1,721,909
13位  オーストラリア   1,707,548
14位  メキシコ      1,663,164
15位  スペイン      1,492,432
16位  インドネシア    1,391,778
17位  オランダ      1,080,880
18位  サウジアラビア   1,061,902
19位  トルコ       1,029,303
20位  スイス        869,601
21位  台湾         790,728

どうなる混乱中国 経済失速の要因“不動産不況”の深刻度

「ゼロコロナ」政策の突然の終了が混乱を広げている中国。政策変更の背景にあるとみられるのが深刻な経済の停滞です。

1月17日に発表される2022年のGDP=国内総生産の伸び率は、中国政府が掲げたプラス5.5%前後という目標を下回ることが確実視される異例の状況です。

習近平指導部は経済の立て直しを急ぐ方針ですが、「ゼロコロナ」と並んで中国経済の失速を招いたのが不動産市場の低迷です。

ことしの世界経済のリスクともされる中国経済。その不動産市場で何が起きているのか解説します。

(中国総局 伊賀亮人 / 上海支局 道下航)

プレハブ住宅で過ごす冬…

「誰も工事をしていません」こう話してくれた男性が暮らすのは、内陸部・河南省の鄭州にあるプレハブ住宅。

入居予定のマンションの建設が1年以上前から中断しているといいます。
人口1200万余りの鄭州は、中国の東西南北を結ぶ交通や物流の要衝ですが、国内でも不動産の問題が最も深刻な状況だと言われています。
男性はもともとマンションの建設予定地に住んでいました。部屋の提供を受けることを条件に立ち退きに応じたのに、入居のめどは立っていません。やむをえず建設現場の前に仮設の家を建てて暮らしています。

不動産業者は工事をするお金がなく給料が払えないと聞いています。早く解決してほしい」

なぜ住宅建設は進まない?

住宅ローンを借りて買ったマイホームに住めない。中国ではそういう信じられない事態が社会を揺るがす問題に発展しています。

では、なぜマンション建設は止まったのか。大きな要因は不動産デベロッパーの資金繰りの悪化です。

中国のデベロッパーは、これまで金融機関からの借金や物件の購入者が完成前に支払った頭金を元手に次々と物件を開発して急速に事業を拡大してきました。

新型コロナウイルスの感染が最初に広まった2020年初めは打撃を受け、中国では景気を立て直すために金融緩和が実施されました。このため、大量のマネーが不動産市場に流入し、不動産の販売額は急回復。それに伴って住宅価格も高騰しました。

中国政府はこのバブルとも言える事態に断固とした対応を取りました。

同じ2020年半ばごろから「住宅は住むもので、投機のためのものではない」というかけ声のもと、不動産企業への融資住宅ローンの融資を規制

このため、巨額債務を抱え注目を浴びた不動産大手「恒大グループ」をはじめとして、資金不足からデフォルト=債務不履行に陥る企業が相次いだのです。

「ゼロコロナ」でも打撃

こうした状況に追い打ちをかけたのが、「ゼロコロナ」政策です。厳しい行動制限でモデルルームに足を運ぶ人が減り、先行きに不安が広がったことで買い控えが進みました。

そして建設中の物件の工事は次々と停止に追い込まれたのです。

話を聞かせてくれたデベロッパーもいます。

閑散としたモデルルームで取材に応じた販売担当の男性は「販売状況は本当に苦しいです。工事が遅れて契約違反だと怒る購入者もいて大変です」と意気消沈した面持ちで話していました。

さらに買ったのに住宅に住めないため、2022年半ばには住宅ローンの支払い拒否運動も各地で起きました。住宅を買っても手に入らないという不安で販売がさらに落ちるという悪循環につながったのです。

全国の不動産販売額は2022年1月から11月までの累計では前年同期比で実にマイナス26.6%。

中国の不動産は、関連産業も含めるとGDP全体の2割から3割程度を占めると試算されるだけに景気全体の足を大きく引っ張る形になっています。

ゼロコロナによる消費の低迷なども響き、17日に発表される2022年のGDPは、政府目標のプラス5.5%前後を大きく下回る3%前後に落ち込むという異例の事態が予想されています。

そうなれば、新型コロナの感染の影響が最初に広がった2020年以来の低い水準です。

規制から景気刺激へ転換も…

規制を強めてきた中国政府は一転して、この「不動産不況」とも言われる状況への対策を進めています。

中央銀行は2022年から住宅ローンの基準となる実質的な政策金利や、住宅を購入する際の頭金の比率を引き下げました。

デベロッパーに対しては資金繰りを支えるため融資の返済期限の延長や社債発行への支援なども打ち出しデベロッパーへの規制を一部修正する姿勢も見せています。

さらに地域によっては、頭金を現金で支払う代わりにニンニクなど農作物でも払えるといったデベロッパーのキャンペーンまで登場。まさにあの手この手で販売を上向かせようと躍起になっているのです。

中でも、政府が力を入れているのがマンション建設の再開です。地方政府の傘下にある国有企業を使って基金を設立して、そこから資金を注入して工事を完了させる対応策などが進められています。

しかし、中国で研究する専門家は肝心の住宅の引き渡しまでには時間を要すると指摘します。

西村教授
「地方政府が中心になってデベロッパーの救済に動いてはいるが、今進められているのは国有企業や金融機関からも資金を集める仕組みだ。景気も良くない中で資金も集まりにくく資金が注入されるには相当時間がかかるだろう。人々の不安を鎮めるための一時的な火消し効果はあったと思うが実際にどこまで機能するかはわからない」

不動産低迷の裏で新たなリスク 地方政府の「財政破綻はたん」

さらに「不動産不況」の裏で新たなリスクへの懸念も強まっています。

それは、地方政府の財政不安です。中国では都市部の土地は国家が所有するとされています。

地方政府は、その土地を使用して不動産開発を進める権利をデベロッパーに売却し、その収入を重要な財源としてきました。

ところが今、不動産販売が落ち込んでいることで、地方政府が土地の使用権を売って得られる「土地使用権譲渡収入」が急速に悪化しているのです。

2022年1月から11月までの累計で前年同期比で24.4%の大幅な減収です。

そして、この収入は地方政府がインフラ整備などを進める際に発行する債券の返済などに充てられることになっています。

この債券の返済期限は2022年から2024年にかけて相次いで訪れる見込みです。収入が大幅に減った地方政府が債務不履行に陥る恐れが出ているのです。そうなれば、これまでのような公共サービスを提供できなくなるなど地域の人々の生活が混乱する可能性があります。

前出の西村教授の試算によると、2024年にかけて返済期限が訪れる債券の額は全国をあわせると少なくとも1兆4000億人民元以上(27兆円規模 )にも上るということです。

西村教授
「不動産収入が減る中でこのままだと債務の返済にあてる資金が足りなくなるのは明らかで、今後この問題が顕在化するのではないか。中には事実上の財政破綻はたんに陥る地方政府が出てくる懸念もあり、地方政府の財政問題は中国経済の最大のリスクになりうる」

新指導部のアキレス腱けんに?

中国では長年、地方政府が収入を増やすためにデベロッパーに開発を促し、デベロッパーは巨額の資金を借り入れてリスクを抱えながらも事業を展開。それに伴って関連産業が育ち雇用が生まれるという循環が続いてきました。
しかし今、その「不動産依存」のひずみが表面化しているのです。

中国国内では今のところ銀行がデベロッパーなど融資先の業績悪化に備える「貸倒引当金」の規模が十分にあるなどとして、すぐには金融危機につながらないという見方が根強くあります。

ただ、近く人口が減少に転じると予測される中国では不動産需要も減っていくと見込まれており、「依存」は限界を迎えているのは明らかです。リスクが膨らみ続ければ、はじけたときのショックもより大きなものになります。

今の不況をソフトランディングさせつつ過熱を防いで業界を健全化していけるか。中国の不動産市場の動向は異例の3期目に入った習近平指導部にとってのアキレス腱けんになる可能性が指摘されています。

危機が本格化すれば世界経済に与える影響も計り知れません。ことしの中国経済の動向を注視したいと思います。

中国に「空きマンションが1億戸ある」は本当か?

中国不動産バブルの定量的研究(1)

2022.1.14(金)川島 博之

中国・上海の高層ビル、マンション群(資料写真、出所:Pixabay)ギャラリーページへ

(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)

 本年(2022年)はいよいよ中国の不動産バブルが本格的に破裂しそうだ。だが、中国のバブルの実態は今一つ明らかになっていない。それは共産党の秘密主義、また中国人が「白髪三千丈」と言った誇張した表現を好むことが一因とも思われるが、語られる数字に信憑性がないからだろう。そんな国のバブルをフェルミ推計(実際に調査することが困難な数量をいくつかの手掛かりから論理的に推論すること)によって明らかにしたい。今回はその手始めとして、「空きマンションが1億戸ある」と言われていることについて検討する。

中国の住宅建設は明らかにバブル状態

 中国の不動産バブルの背景に戸籍問題がある。現在でも中国人は、都市戸籍を持つ人と農民戸籍を持つ人に二分されている。農村から都市に出てきた人々は「農民工」と呼ばれて、二流市民扱いされている。彼らは子供の就学や年金、保険などにおいて差別的な扱いを受けている。この十数年で、このような差別的な制度はかなり改善されたとされるが、それでも都市戸籍と農民戸籍の間には大きな隔たりがある。

 図1に都市人口と農村人口の変遷を示す。都市の人口は1998年に4億人だったが、2020年には9億人になった。5億人の増加である。一方、農村の人口は8億人から5億人に減少した。

 中国の都市では一般的な住居はマンションである。過去20年ほどの間に中国でどれほどのマンションが建設されたのであろうか。この問いに直接答えるデータを見つけることはできなかったが、中国統計年鑑には建設された住宅の延床面積が記載されており、そこからの推計が可能である。延床面積が公表されているのは、中国のマンションが一戸というより1平方メートル当たりの価格で取引されているためだろう。

中国はバブル崩壊が進み、経済不振が長期化する理由

6/30(金) 6:02配信

今年のネット通販「618商戦」も盛り上がらず
個人消費が低迷し始めている要因は不動産市場の悪化

 ゼロコロナ政策解除後の中国の景気回復は、サービスを中心とする個人消費が牽引してきたが、その勢いが失われつつある。
 6月中旬に行われた恒例のネット通販セール「618商戦」では、電子商取引(EC)サイト各社が大幅な値引きを実施したにもかかわらず、消費者の節約志向のせいで盛り上がりに欠ける結果に終わった。

 端午節連休(6月22日から24日)の国内旅行支出も、新型コロナパンデミック前の2019年に比べて5.1%の減少となった。さらに、6月の乗用車販売台数も前年比5.9%減となる見通しだ。  
個人消費が低迷し始めている要因は、不動産市場の悪化にある。住宅が売れないと付随するモノやサービスの消費も伸びないからだ。  住宅市場は今年2月から3月にかけて回復基調にあった。しかし、4月に入ると早くも息切れし、4月の主要50都市の新築取引面積は前月に比べて25%減少。5月も1割落ち込んでいる(6月10日付日本経済新聞)。  不動産市場の悪化のそもそもの原因は「家余り」にある。中国の1家庭当たりの住宅保有数は先進国並みの水準となりつつある(5月22日付日本経済新聞)。

不動産バブルの崩壊が露呈させた“作りすぎ”の問題

 気になるのは中国で「不動産神話」が崩壊しつつあることだ。  6月19日付ブルームバーグは「住宅所有者や関係者などへのインタビューから、不動産が常に中国で最も安全な投資先の1つだという信頼が薄れ、景気減速に拍車をかけていることが浮き彫りになった」と報じた。  住宅所有者は「不動産ブームで現金化できる最後の機会だ」と考えており、中国の金融センターである上海の不動産市場でも売り圧力が日に日に強まっているという。  投機的な購入の抑制を目指す政府にとって、こうした意識の変化は歓迎すべきことだが、政府の当初の予想を超えて不動産市場が深刻な不振に陥るリスクが生じつつあるのではないだろうか(不動産バブルの崩壊)。  不動産バブルの崩壊は、中国の過剰生産能力の問題も露呈させている。  世界最大の鉄鋼生産国である中国で、生産抑制の動きが広がっている。不動産投資の低迷で鋼材需要が落ち込み、在庫の余剰感が強まっているからだ。多くの雇用を生む製造業の中核を成す鉄鋼業の不振は、中国経済へのさらなる打撃となるだろう。  不動産バブルの崩壊がもたらす金融システムへの悪影響も心配だ。  30年前の日本と同様、中国でも不良債権問題が長期にわたって経済の重しとなり、大規模な金融危機が勃発する可能性も排除できなくなっている。

中国経済にとっての頼みの綱はハイテク産業

 このような状況を受けて、中国ではこのところ政府に対して景気刺激策を求める声が高まっている。しかし、筆者は「期待外れに終わる」と考えている。経済対策を担う地方政府の財政が火の車だからだ。  政府をあてにできないのであれば、成長の新たな源泉を見つけるしかない。中国経済にとっての頼みの綱はハイテク産業だ。  中国経済にとっての朗報は、今年第1四半期の中国の自動車輸出台数が日本を抜いて世界第1位になったことだろう。中国の輸出台数は前年比58%増の107万台となり、日本の輸出台数(95万台)を上回った。電気自動車(EV)など新エネルギー車の輸出が伸びて全体の4割弱を占めた。  中国は2009年に新車販売台数で米国を抜いて世界最大の市場となったが、今やEVの分野でも最大の市場規模を誇っている。  だが、手放しでは喜べない状況だ。中国の自動車市場の過剰生産能力は年間約1000万台となっており(昨年の北米地域の全生産台数の3分の2に相当)、EVを巡る環境も同様だ。  競争の激化で中国のEV企業は共倒れの状態になりつつある(5月30日付Forbes)。  米EV大手テスラは中国・上海工場の増強を目指しているが、国内の過当競争を危惧する中国政府はEV工場の新規承認に後ろ向きだ(6月16日付ロイター)。

中国のハイテク産業は「張り子の虎」か? 

 中国の航空機産業も存在感を高めつつある。6月中下旬に仏パリ近郊のル・ブルジェ空港で開かれたパリ航空ショーでは、中国国有の航空機製造会社「中国商用飛機(COMAC)」の展示ブースに多くの航空関係者が訪れた。COMACが開発した中国初の大型国産ジェット旅客機C919は、5月末から商用便として運航が始まっている。  中国政府は、この旅客機こそ「中国製造2025」政策(2025年までに製造強国の一員となることを目指す)の「旗頭的な存在」と胸を張るが、「中国産とは言えないのではないか」との声も上がっている。商用機に使われている部品の大多数が海外製(大半が欧米製)だからだ(6月8日付CNN)。  中国は「5G(第5世代移動通信)大国」としても知られている。国内の5G基地局数は2023年4月時点で273万基(全世界の5G基地局数の約6割)を超え、ユーザー数も6億3400万人(全世界の約6割)に達した。  しかし、中国の3大通信事業者(中国電信、中国聯通、中国移動)の業績向上につながっていない。5Gの特性を生かしたキラーアプリがないことが災いしている(6月19日付東洋経済オンライン)。  このように、中国のハイテク産業は「張り子の虎」だと言わざるを得ない。バブル崩壊で金回りが悪くなれば、「化けの皮」が剥がれるのは時間の問題だろう。  思い起こせば、日本のハイテク産業はバブル崩壊後の救世主になることはできなかった。  残念ながら、中国経済の不振は長期に及ぶのではないだろうか。
藤和彦 経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。 デイリー新潮編集部

中国不動産開発の花様年、債務を返済できず 恒大以外にも危機波及の懸念

2021.10.06 Wed posted at 18:15 JST

中国不動産業界で、経営難の中国恒大集団以外にも財務のひっ迫が広がっているとの懸念が出ている/Andy Wong/AP

香港(CNN Business) 高級集合住宅を手掛ける中国の不動産開発会社、花様年控股集団は今週、計3億1500万ドル(約350億円)の債務の支払いができなかった。肥大化した中国不動産業界において、経営難の中国恒大集団以外にも財務のひっ迫が広がっているとの懸念が高まっている。

深センに拠点を置く花様年は証券取引所への声明で、4日に償還期限を迎えた2億600万ドル規模の社債を償還できなかったと説明。現在は「グループの財務状況や現金ポジションに影響が出る可能性」を見極めているところだと明かした。

これとは別に、売り上げベースで恒大に次ぐ国内2位の不動産開発会社、碧桂園の不動産管理子会社も、花様年が約7億元(約120億円)の融資を返済できなかったことを明らかにした。

S&Pとムーディーズは花様年の信用格付けを「デフォルト(債務不履行)」に引き下げたほか、今回の元本不払いにより、残りの社債についても不履行になる可能性が高いとの見方を示している。

ムーディーズのシニアアナリスト、セリーヌ・ヤン氏は格下げの判断について、「同日(4日)償還期限を迎えた2億570万ドルの社債の支払いができなかったとの花様年の発表を受けた対応であり、デフォルト後に債権回収できる公算は小さいとの当社の見通しを反映している」と述べた。

今回の報道を受け、膨張した中国の不動産業界で債務問題が深刻化しているとの懸念が再燃した。中国の銀行による2021年4~6月期の人民元建て融資の残高のうち、不動産業界向けのものは29%を占める。不動産業界は中国経済にとって極めて重要であり、不動産および関連業界の対国内総生産(GDP)比は約30%に上る。

マッコーリー・グループの中国エコノミスト、ラリー・フー氏とシンユー・ジー氏は5日の調査ノートで、「(中国の)不動産業界は懸念すべき状況だ」と述べた。

花様年のデフォルトは、恒大の問題が「住宅購入者や不動産開発業者、銀行の心理を冷やし、さらに多くの開発業者が資金繰りに行き詰まる可能性」を示しているという。

中国不動産市場の見通しは明るいものではない。マッコーリーの試算によると、中国の上位30都市における9月の不動産売上高は1年前から31%下落した。

恒大の債務危機はこのところ世界の投資家を動揺させており、中国経済や金融市場の幅広い部分に影響が波及する可能性に懸念が高まっている。

中国政府は20年夏、市場の過熱防止のため過度の借り入れる抑える目的で、不動産業界の引き締めに乗り出した。恒大の問題はその後1年以上くすぶっている。

さらに今年、中国政府は政策目標で「共同富裕(ともに豊かになる)」を優先し、住宅価格の高騰を抑える方針を明確化した。住宅高騰が所得格差を深刻化させ、経済・社会的安定性を脅かしているとの見方を示している。

恒大の流動性危機が深刻化したのはここ数カ月のことだ。恒大は9月、早急に資金調達できなければデフォルトに陥る可能性があるとして、投資家に資金繰りの危機を警告。ここ数週間で少なくとも2回、社債の利払いができなかった。

英オックスフォード・エコノミクスのアジア経済部門を率いるルイス・クイジス氏は5日の報告書で、「恒大の問題がリーマンショックのような状況を引き起こす可能性は低いものの、進行中の不動産セクターの減速は悪化するだろう」との見通しを示した。

ただ、中国の政策立案者は従来の姿勢を堅持しているように見える。中国人民銀行と銀行規制当局は先週、住宅購入者を保護すると表明。声明では不動産開発業者に言及した部分はなかった。

習近平もお手上げ…34億人分の在庫を抱えた「中国のマンションバブル」の行き着く先電気も水もない「鬼城」の住人が急増

PRESIDENT Online

未完成の物件=鬼城に住む人が増えている

中国で“鬼城(グェイチョン)”と呼ばれるゴーストタウンが急増している。武漢市にある“江南世家”と呼ばれる高層マンション群では、建設がストップして未完成のままマンションが放置された。そのうち3分の2程度が売約済みといわれる。

マンション購入者の増加には、家賃の支払い住宅ローンの返済負担から逃れるため未完成のマンション=鬼城に住む人が増えている。鬼城の住人の生活環境はかなり厳しい。鬼城問題は、共産党政権の主導で膨張した不動産バブルが、現在、崩壊の真っただ中にあることを意味する。


写真=北海道新聞社/時事通信フォト

西洋風の街並みが続く大連の「東方水城」(右)。ほとんどが空き部屋で、地元では「鬼城」になると懸念されている。

 世の東西を問わず、バブルが崩壊すると経済全体でバランスシート調整と、不良債権処理が不可避になる。今後、不動産デベロッパーの資金繰りはさらに悪化し、未完成のまま中断される不動産開発案件が増えるだろう。鬼城はこれからも増える可能性が高い。

住宅の引き渡しなどをめぐる、不動産業者と購入者のトラブルも増加するなど鬼城問題は、さらに深刻化が予想される。それは共産党政権の求心力に、無視できないマイナスの影響を与えることになるはずだ。

100万人が住める巨大マンションを建てたが…

鬼城とは、不動産開発の行き詰まりによって未完成で放置されたり、入居者が集まらずに廃れたりしたマンション群や地域を指す。実際に必要とされる以上に供給され、買い手がつかない建物群が鬼城だ。いつから鬼城が増えたかは諸説ある。2010年ごろから鬼城問題は顕在化し始めたようだ。

有名な鬼城は、モンゴル自治区オルドス市の康巴什(カンバシ)新区だ。2000年代初め豊富な石炭埋蔵を背景に経済開発が急加速し、100万人の収容能力を持つカンバシ新区が造成された。地方政府は民間デベロッパーに土地(土地の利用権)を売却し、デベロッパーは大規模な住宅建設に乗り出した。それにより、中央政府が課した経済成長率などの目標を達成した。大規模なマンションには、転売目的の投資家が殺到した。

マンションの供給量が全人口の2倍超に

一時、オルドス市の経済成長率は年率20%を超えた。高い成長が続くとの期待を根底に、“買うから上がる、上がるから買う”という強気心理が連鎖して、オルドス市の不動産バブルは膨張した。

転機となったのがリーマンショックの発生だ。共産党政権は4兆元(当時の邦貨換算額で57兆円程度)の経済対策を実施し、石炭生産が急増した。供給過剰によって石炭価格は急落し、オルドス市の不動産バブルははじけた。デベロッパーや不動産投機家は撤退し多くのマンションが未完成のまま放置された。2014年ごろ、100万人が住めるカンバシ新区の人口は10万人程度だった。

それは、中国で実際の需要を無視して過剰に不動産開発が増えた一つの例だ。カンバシ新区が鬼城化した後も、共産党政権は不動産投資を積み増して10%程度の高い成長率の実現を目指した。党の指揮の下で不動産価格は上昇し続けるという、根拠なき熱狂が経済全体を覆い、投資用マンションは過剰に供給された。2016年に国営新華社通信はマンション供給量が34億人分と、人口(約14億人)の2倍超に達したと報じた。

その後、2020年8月に“3つのレッドライン”が実施されて不動産デベロッパーの経営体力は急速に低下している。鬼城が増えるのは不可避の状況であり、不動産バブルは崩壊の真っただ中だ。

内装が施されておらず、電気がつかない部屋も

懸念されるのは、鬼城に住まざるを得ない人の増加だ。鬼城の住人は経済的にも、精神的にも窮状に陥っている。インターネットで鬼城を画像検索すると、その一端が垣間見られる。部屋は内装が施されていない。窓枠にはガラスがはめられていない。住人はコンクリートむき出しの床、壁と天井に囲まれ、無機質なコンクリート上に布団を敷いたり、テントを張ったりして生活をする。

水道や電気が引かれている鬼城もあるが、未完成の物件が多いために日常の生活を送るには困難が多いようだ。

まきや簡易コンロで暖をとって生活をする人もいる。照明は日光、もしくは懐中電灯というケースもある。衛星写真を見ると、団地と近隣の町をつなぐ道路など社会インフラが未整備な鬼城も多い。消防設備が整備されていない鬼城も多いようだ。余裕があれば家を借りて安心・安全な生活環境を確保することはできるだろう。しかし、実際には景気減速によって雇用・所得環境が悪化し、鬼城に住まざるを得ない人が増えているようだ。

もはや中国名物、空虚な高層マンション「鬼城」

洛陽にみる中国経済の行き詰まり

2016.8.10(水)川島 博之

 中国河南省の都市、洛陽を訪ねるチャンスがあった。洛陽は唐の時代に都になったこともあり、その名は「洛陽の紙価を高らしむ」などのことわざになって残っている。ただ、今は昔日の面影はなく、中国に数多くある地方都市の1つに過ぎない。

閑散とした工業街

 洛陽の主要な産業は工業。ガラスや農業用トラクターの生産において中国を代表する企業がそろっている。その多くは国営企業だ。

 下の写真(1)を見てほしい。これは工場が集積する地域の道路を撮ったものであるが、街路樹がきれいに整備されているものの人影はまばらであり、時たま自動 車が通る程度であった。工場街であるからそれほど多くの人がいなくとも不思議でないが、それにしても閑散としていた。空地も多かった。これは新たに進出し てくる工場がなくなったためだと言う。

(*配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の写真をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47568)

 いくつかの工場の広報担当者から話を聞いたが、どの工場も過剰生産問題に悩んでおり、生産を抑制していた。そのような状態で、工業が主な産業である洛陽に有力な就職先はない。若者は学校を卒業すると北京、上海、広州、深圳など沿岸部の都市に行ってしまう。市街地の人口は約140万人だが、近年、農村部からの人口の流入も止まり、その人口は減少傾向にある。

誰が住むのか、もはや中国名物の「鬼城」

もはや中国名物と言ってもよい「鬼城」(住む人のいないマンション街)。これは新市街を撮ったものだが、既にできあがったマンションに住む人はいない。最初に建ったマンションは、完成から3年が経過するがまだ誰も住んでいない。

参考文献・参考資料

政治講座ⅴ1272「中国のGDPは虚数iで表示される複素数zである」|tsukasa_tamura (note.com)

どうなる混乱中国 経済失速の要因“不動産不況”の深刻度 | NHK

中国に「空きマンションが1億戸ある」は本当か? 中国不動産バブルの定量的研究(1)(1/3) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)

中国はバブル崩壊が進み、経済不振が長期化する理由(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース

中国不動産開発の花様年、債務を返済できず 恒大以外にも危機波及の懸念 - CNN.co.jp

中華人民共和国 - Wikipedia

習近平もお手上げ…34億人分の在庫を抱えた「中国のマンションバブル」の行き着く先 電気も水もない「鬼城」の住人が急増 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?