見出し画像

みんな大好き「たんぱく質」様のお仕事②

今回も前回に引き続きたんぱく質についての解説記事になっています

たんぱく質の重要性と、日々の健康に役立つ記事になっていますので最後までお付き合いいただけたら幸いです

性別や成長、若さをもたらす

画像11

出典「ワンピース」尾田栄一郎

体の機能を調節して正常な状態に保つ働きをする「ホルモン」も、タンパク質から作られます

神経伝達物質は神経間で情報を交換しますが、ホルモンは細胞と細胞の間で情報を伝え、細胞の増殖を促す働きをしています

主に内分泌系の期間から分泌され、血液によって対応する特定の細胞へと運ばれます

100種類以上あるホルモンのうち、有名な「男性ホルモン」「女性ホルモン」といった性ホルモンは、男女の生殖器の違いや性徴(男性の声変わりやひげ、女性の乳房の発育、月経など)の元となるものです

男性ホルモンは主に精巣から、女性ホルモンは主に卵巣から分泌されています

もう一つ有名なホルモンは頭蓋骨の中央、脳の底部にある下垂体から主に分泌され、筋肉や骨の細胞分裂を促します

画像1

名前の通り子供の体の成長に欠かせないホルモンですが、大人でも脂肪やブドウ糖などの代謝に関係し、若々しさを保つ重要な役割を果たしています

血糖値を調節する

画像10

出典「ルパン三世」モンキーパンチ

食事をすると血液中にブドウ糖が増えて血糖値が上がります

すると「インスリン」というホルモンが分泌され、ブドウ糖をエネルギー源として脳や筋肉の細胞に取り込ませたり、余ったブドウ糖をグリコーゲンや脂肪として脂肪細胞に蓄えるなどして、血糖値を一定の範囲に調整します

こんな感じで血糖値を下げる働きをするホルモンはインスリンだけなのです

インスリンは膵臓の膵島(ランゲルハンス島)から分泌され、血液中を移動して各細胞に働きかけます

インスリンの分泌が悪くなると・・・

・血糖値が下がらない

・喉の渇き

・多尿

・体重減少

・昏睡

などを引き起こします

これがいわゆる「1型糖尿病」というやつです

インスリンは分泌されていても、ブドウ糖を受け取る方の細胞にある「インスリン受容体」がうまく働かない状態

これが「2型糖尿病」です

ちなみに、インスリン受容体もタンパク質でできています

食品の栄養を分解して吸収を促す

画像9

出典「ワンピース」尾田栄一郎

食品の栄養を分解したりする「消化酵素」もたんぱく質でできた物質で、栄養素を体に吸収しやすくするために分解するときに、その反応速度を早める働きをします

酵素は、糖質なら糖質だけなど、他の栄養素に対しては働かない専門的な働きを持っています

唾液や、膵臓から分泌される膵液に含まれる「アミラーゼ」は、代表的な糖質分解酵素です

アミラーゼがある程度の大きさに分解した糖が腸に送られると、マルターゼなどの消化酵素が働いて、さらに細かく分解して吸収を促します

「リパーゼ」は脂質を分解して吸収をしやすくする酵素です

たんぱく質分解酵素「プロテアーゼ」の仲間達

胃液に含まれるペプシン

膵液に含まれるトリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ

腸液に含まれるアミノペプチターゼNなど

たんぱく質を分解するのもタンパク質でできた酵素なのです

体内の化学反応を助ける

画像8

体内には数千種類もの酵素があり、体内のあらゆる化学反応に関わっています

前項で紹介した消化酵素の保管医、「代謝酵素」があります

「代謝酵素」とは、いろんな化学反応を助ける、特定の物質に対してだけ働く酵素です

例えば・・・酒を飲んで醒めるまで

お酒を飲む

肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH1B)が働いてアルコールを分解

アセトアルデヒドになる

さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)で分解

無害な酢酸になって全身を巡る

尿や汗になって排出される

以上のような代謝酵素の働きがあるのです

この他に、炭酸脱水素酵素は、体内の組織から二酸化炭素を取り出したり肺で変換した二酸化炭素を排出したりしてスムーズな呼吸を助けています

怪我をしたときに血液を固まらせて止血する酵素や、体外から取り込まれた薬や毒物などを分解して排出しやすくする酵素もあります

肝臓の検査で調べられるASTやALT、γ-GTPも代謝酵素の一種です

病原体と闘う

画像7

細菌やウイルスなどの病原体から体を守る仕組みを免疫と言って、ここでもたんぱく質が関わっています

免疫には2段階あります

「自然免疫による防御(侵入を防ぐ)」

画像2

出典「るろうに剣心」和月伸宏

病原体などが体内に侵入しようとしたとき、最前線で働くシステム

人間に生まれて着き備わっている仕組みで、侵入者を自分ではない異物と判断した時点で問答無用で攻撃して排除します(斎藤一みたいだな・・・)

白血球やマクロファージなどの免疫細胞のほか、ウイルスに侵された細胞が分泌する「インターフェロン」などのたんぱく質もウイルスの増殖を阻止します

ウイルス性の肝炎などに対しては、人工的に作ったインターフェロンを補う治療もあるよ

北海道編おもろいよ^^

「獲得免疫による攻撃(体内で敵と闘う)」

画像3

出典「はたらく細胞」清水茜

獲得免疫は、過去に感染した経験から、細胞が特定の侵入者専用に武器「抗体(免疫ブログリン)」を作って攻撃する仕組みです

抗体もタンパク質でできていて、特定の最近やウイルスに特化しているので、強い攻撃力を持っています

すみません・・・こんな奴らもたんぱく質なんです・・・

画像6

エネルギー源となったり、体を作ったり、健康を守る働きをしたり・・・

我々にとって味方であり、大活躍していたたんぱく質ですが、実は「裏の顔」もあるのです

「尿たんぱく」

健康診断の項目に「尿たんぱく」という項目をご存知でしょうか?

陽性なら「尿にたんぱく質が混ざっている」という意味で、周りの男子がざわつきます笑笑

これは、腎臓の機能が低下している可能性があるからです

激しい運動などで一時的に陽性になる場合もありますが、通常、タンパク質は腎臓で処理され、検査で陽性になるほどの量が尿に漏れ出ることはありません

腎臓の病気はなかわからないので、尿たんぱくが出たら早めに専門医の診察を受けないと人工透析のお世話にならないといけなくなるかもしれません

「病原体」

新型コロ助、インフルエンザ、狂犬病、C型肝炎などの感染症を起こすウイルスはたんぱく質でできています

その他にも、結核、腸チフス、破傷風といった病気の原因となる細菌も、たんぱく質でできた病原体です

「アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)

花粉症や食品アレルギーも、多くはたんぱく質でできています

例、すぎ、ヒノキなどの花粉にはクリジェイワンというたんぱく質が含まれます

これが目や鼻に入ると免疫細胞が抗体を作って闘いますが、戦いが強烈になるとヒスタミンなど刺激性のある化学物質が作られ、くしゃみやかゆみなどのアレルギー症状を招きます

卵、乳製品、甲殻類などの食品に含まれるタンパク質も、アレルギーの原因になることがあります

食品の場合は、たんぱく質が多い食品が原因になりやすいわけではなく、アレルギーを起こしやすい構造のたんぱく質が含まれるものが原因となると考えられています

「体そのもののタンパク質の異常」

例えば、脳が萎縮して認知症の症状が現れる「アルツハイマー病」は、加齢やストレスなどから起こる脳のたんぱく質の異常によって、脳に「アミロイドβ」というたんぱく質が蓄積して、これが脳の神経細胞を破壊することが一因と考えられています

まとめ

たんぱく質は、性差や成長、若さをもたらす

たんぱく質は、血糖値を調節する

たんぱく質は、栄養を分解して吸収を促進する

たんぱく質は、体内の化学反応を助ける

たんぱく質は、新型コロ助などの病原体と闘う

たんぱく質は「尿たんぱく」「病原体」「アレルゲン」「アミロイドβ」などの病気や疾患にも関与している

今日言いたいことはそれくらい

最後まで読んでくれたあなたが大好きです

画像4

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?